二次創作小説(紙ほか)

Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.2 )
日時: 2013/05/29 21:23
名前: Banira (ID: 1CRawldg)

全然私とは違う人生を歩む彼に同じ人間・・同期として
一度でいいから負かしたかった。
でもその野望は彼の前では簡単に崩れ去った。
私がどんなに努力して試験でいい結果を出そうが授業はまじめに
うけないくせに彼は一発本番のテストで私の上をいった。

だけど、サポート面・・つまり討伐補佐の部分では彼は他人に
花をもたせるなんて興味はないらしく私がいつもトップだった。

しかし、そんな一科目でトップをとれたとしても彼には何も影響は
ない・・

総合成績一位はずっとリヴァイであった。
三年間いちどもくつがえらず・・

しかし・・世間からは壁外に出れば新戦力間違いなしの呼び声の
高かったリヴァイもどうやら本心は憲兵団志望だったらしい。
そりゃそうだ、新兵の5割が死ぬといわれる壁外調査を行い
それゆえその当時はその成果が乏しかったことから国民からは
≪税金の無駄≫と揶揄される調査兵団にでも入ってすぐに喰われて
ハイ、人生終了・・・なんてことになったらたまったもんじゃない。

実際私も死亡率が圧倒的に高い調査兵団になるくらいならまだ
地方の都市で壁を修理しなが治安を維持する駐屯兵団の方がよかった。





そして・・その日はやってきた。三年間の成果が発表される
最終結果発表の日である。

大きな紙に卒業できた人数分の名前が順位の順番にズラーとかかれ
優先的選択権が与えられる上位10名は別途の紙に発表されていた。

一位は打倒のリヴァイを除けば、残りの9人に入れる可能性は
なくはなかった。その直前の結果は総合9位だったし・・

私は最後の望みにすべてをかけ結果発表をまった。

運命の最終結果発表・・
上位十名に私の名前はなかった。

卒業できた180名中12位...もっとも中途半端であった。
ちなみに一位は言わずもがな。

正直その時終わったと思った。憲兵団に入るためにこの3年間頑張って
きた努力とはなんだったのか。
あの時の悔しさといったらすごく深いものだった。

その最終結果発表の後すぐは卒団式があったため泣きたい気持ちを
羞恥心で抑え仲の良い女友達には無理に笑顔作って
「あ〜やっぱり私にはダメだったよー」
なんて言って強がっていた。

キースにも心中を察しられて
「残念だったな・・。あんなに努力してたのに。でもお前はよく頑張った」
とか定例の慰め文句で話しかけれられた時も教官の前で醜態は
さらしたくなかったので

「いえ・・自分の力が足りなかっただけですから」
気丈にふるまった。

あっその仲の良い友達、ハニナ=ヴェルカは私よりも優秀な5位で卒業
し・・私には当時「ごめんね・・。でもハーブの分まで頑張るよ」と
言いながら憲兵団に志願。
でも別に私は彼女のことは恨んでいない。だってハニナ楽するために
憲兵団に入るためじゃなくて王にこの身をささげ国に身をささげる
っていう強い意志をもって志願した。内地での安泰な生活に目を奪われ
楽するためっていう理由で志願した輩とは全然違うから。

ただ・・私よりも倍高い賃金を与えられさぞ裕福な生活をしているのは
すっごく羨ましいけど・・。

そして・・卒団式が終わった夜。私は卒業パーティーには顔を出さず
宿舎で一人こもって泣いた。
その時までとどめていた涙が洪水のようにあふれだしてきた。

だれかにこの複雑な思いをぶつけることはできずベットの中で泣いて
泣いてなきまくった。
悲しみの置き場をどこにしたらいいかもわからずに・・

このまま村へ帰ろうかとも思ったがそれこそ本当に3年間の血のにじむ
努力はなんだったの?ってなるし

まだ村へ帰る気はないし第一に心配をかけた両親にあわせる顔がなかった。
そしてなやみたどり着いた答えが
「そうだ・・駐屯兵団に志願しよう。賃金は安いけど地方の都市で
壁を修理し街の平和を維持しながら都市でひっそりくらせる」
とまぁ・・その時は壁が破られる前だったしぶっちゃけると駐屯兵団も
今でさえやれ戦えだのうるさいが壁の修理や街の警察の仕事以外では楽な仕事ばかりで昼から酒を飲めるなんてこともあった。調査兵団も脳裏によぎったが、若いのに死ぬなんてごめんだったし、とにかく眼中には無かったといっておこう。

そしてその日の手紙で両親には
無事卒業できた報告とあわせ憲兵団には無理だったが
駐屯兵団に志願し国に尽くしますとしたためて送った。

しかし・・翌日・・。考えもしないことが起こった。
突然・・鬼教官キースに呼び出された。教官室に行くと
そこには同じくリヴァイも呼び出されていたらしい。

歴代史上最高の成績で卒業しとっくに憲兵団に志願してたと思ったが.
リヴァイと一緒!?ってだけで驚いたがキースの
放った一言にはもっと驚いた。

「エルヴィン団長がおよびだ」

脳内の思考回路が一瞬止まった。

「え..エルヴィン団長が....」
リヴァイならまだ分かる。どうせ憲兵団志望の彼を
調査兵団に引き抜きたいからだろう。
世間も早く調査兵団で実戦を!って声が強かったし
彼には悪いが人類にとっても最善の選択だから。

ただ彼と同時にただの一兵卒の名も無い女訓練兵に当時は雲の上の存在だった調査兵団団長エルヴィンが
声をかけるなんて信じられなかった。