二次創作小説(紙ほか)

Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.21 )
日時: 2013/08/03 20:49
名前: Banira (ID: 1CRawldg)

ここは、人類vs巨人の最前線の戦場のど真ん中というのに
リヴァイと私が率いる討伐班は異様なくらいに和やかなムードに
包まれていた。

いや、いつ四方八方から突然、巨人が出てきてもおかしくない
状況の中で全員がパニックに陥らず冷静で尚かつ明るい雰囲気に
浸っていられるのはただ単に≪異様≫という言葉だけではいい表せない
感じがした。むしろ、ここは≪奇跡≫とよぶ方がふさわしいのか。

だが、不思議なくらいこんな軽やかな雰囲気で士気を保てているのは
やはり同じ部隊の中に今や人類の英雄と呼ばれており、彼なくしては
人類の反撃はなしえないとまで評価されたリヴァイ…リヴァイ兵長が
いる(守ってくれている)という安心感からの影響があるかないかと
いえばそれはあるに決まっている。

何せ、依然調査兵団内で極秘に分析された分隊長以上しか知りえない
データを見させてもらった時のことなのだが、ある回の壁外調査時
における部隊別の生存率についての項目に目を通していた時
興味深いデータが載っていたのである。

生存率の悪さは長距離索敵陣形の内側にいく程高く、一番外側である
初列の索敵班になるほど低いというのは一般人でもよく知られている
ことなのだが、そこに私の目が惹かれたデータとやらはあったのである。

そこには、どんなに生存率が悪い部隊でもどんな状況下においても
沈着冷静に的確に指揮できる指揮官、一人さえいれば最低でも20%程度の生存率上昇がみこめたとあるのである。

ここでいう、冷静な指揮官というにふさわしい人は問答無用で今、
私の前にいるリヴァイが思い浮かぶのは必然であろうがそれ以外で
適任な人物といえば・・。

調査兵団内であてはまるといえば絶対指揮官であるエルヴィン団長は
さておき、私と同じ分隊長の階位であり私の良き先輩でもあり
ちょっとした常人とは違う趣味があるハンジ・ゾエ、同じく分隊長であり私の先輩であり、人のにおいをかいでは何をしているんだかわからないミケ・ザカリアス。+αで全然、今の状態では上記にならべた
偉大なる方々とは到底、肩を並べるにはいたらないがこれでも
分隊長まで這い上がった私・・ハーブ・ヴィルナスであろうか。

うんとまあ、長い事考えて一人で考えてしまったが要するに
有能な指揮官、ここでいうリヴァイやとるには足らないが私…が
いることによって今の部隊の生存率が格段に上がっていることは
データでも裏付けられておりその事に対する安心感が多大な貢献しているということは間違いないということである。

しかし…私が考えるにその安心感だけでは今の明るい雰囲気や
士気が成り立っているというのはどこかしっくりこないところがあった。
それは、いくらデータによる裏付けがあり生存率が格段に上がっている
とはいえいかなる状況がおきかねない戦場ではいかに有能な指揮官
がいれどそんなことははいかようにも壊せるし、所詮、理論上の値だけで実戦とは大きく異なることなんてよくある。

そんなもろくも崩れやすい土台の上に成り立っているならば
もっと死に対する恐怖という人が持つ基本概念が場を支配していても
いいはずだ。
だけど、今は微塵もそんな恐怖などは感じられないほどであった。

じゃあ、それは何か。

今ここにいるリヴァイと私以外の面々はついさっき普通種で
あるが皆、死という目の前にあった恐怖に打ち勝ちしかも私たち抜きで
見事に討伐を果たしたのである。
しかも、死者を一人も出さずして・・。

その、今まで指揮官に任せきりであった討伐を一回、親が子供一人で
狩りをさせて自立させていくように自分達だけでさせることによって
己の自信を生と死が目まぐるしく交錯する戦場においてためさせる
ことによってそこから討伐できた(巨人に勝った)という新たな自信を
芽生えさせることによってその後の士気に好影響を出すことができる。

それはその後の作戦行動においても生かすことができる。そして
未来を担う精鋭の発掘にもなる。
だが、今回は死者は出なかったからよかったものの実際にはリスクが
伴うものである。

だが、今回で得られた成果は壁外調査の戦況を
記した報告書に記すべきものだとハーブは感じて
いた。

それは後世にいかすために…
人類の反撃の糧とするために…