二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.24 )
- 日時: 2013/08/09 00:05
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
「そ…そうですよ。体長がしっかりしてくれなきゃ。私たちも
この状況を前にしてどうしたらういいかわからないんですから。」
「頼みますぜ…ハーブ隊長…」
ペトラにつづき、ハーブに対して横槍をいれたのは調査兵団内でも
5本の指に入るほどの実力者であるオルオ・ボザドである。
特に討伐39体、討伐補佐9体という戦績から分かるとおり
討伐数においては、リヴァイに次ぐ記録である。
「みんな、迷惑かけてごめんなさい…。こんなんじゃ私やっぱり分隊長
失格です。でも、今、ここには私に変わる人は誰もいない。
ペトラ…オルオ…ありがとう、おかげで目が覚めました。
だって、今も訓練兵達は恐怖にさいなまれながらも命を投げ出して
戦っているのに、調査兵団の私がこんなのじゃ駄目ですからね。」
「今、戦っている兵士達も一刻も早い、私たちの到着を待ちわびて
います。だから、私…分隊長のこと信じてますから!」
「お前ら!分隊長にすべて任せきりにするなよ!!今こそ、調査兵団
のチームワークってもんを日々、威張り散らしてやがる駐屯兵団の
腰抜け小鹿と巨人共に見せてやるぞ!!」
そして、オルオが落ち着き始めた私に変わって大声を張り上げて
皆を鼓舞する。
「もちろんだ!!」
「当然だ!!!」
そして、列をなしているところどころから威勢の良い声で
返事はかえってくるのだった。
「分隊長、この通りみんなあなたを信じてますから。あなたはあなたに
与えられた仕事をしてください。なぁに、大丈夫です。ここに
いるのは、幾多の討伐をしてきた精鋭ばっかです。皆、肝はすわって
ますから心配しないでください。」
「あ…あなた達…」
思わず部下達の自分を後押しする言葉の数々と気さくな演出にハーブは
開いた口を手で覆った。
そして、ふいにハーブの心を縛っていた動揺が解けて目から一筋の涙
が零れ落ちた。
今までは、自分の指示や部下達の命、戦果の事などいわゆる外面的な
ことばかり気にしていて肝心な部下達の気持ちなどみじんも考えて
なんかいなかった。でも、ハーブは部下たちがしっかりと自分を
信頼してくれているということを直に肌で感じられて自分が知らない
ところでもしっかりついてきてくれてるんだとハーブは思えた。
「分隊長、泣いている暇があったら早くいきましょう。みんな
待ってますよ。」
ハーブは、したたり落ちた最後の一滴を拭うと、今までの分隊長らしい
きちっとした顔に戻った。そこにはいつもの、ハーブ分隊長が
戻っていた。
それを見て、ペトラとオルオは安心して互いに顔を見合うと
「やっと、いつもの分隊長になったね。」
「ああ…そうだな。」
そう言い合うと二人は微笑した。
普段、何かと対立の多いペトラとオルオだがこの時ばかりは、互いを
理解しあえているような感情があった。
今、起こっている非常事態を前にして仲間割れなどご法度ではあるが
それとは違う不思議な感覚であった。
しかし、もう調査兵団一行の目前には無数の黒煙がたなびいている
トロスト区を守る壮大な城壁がそびえたっていた。
「皆さん、もう壁は目前です。ここで東と西から壁内に侵入するため
に2隊に分かれます。東の先導は私に、西はオルオ…あなたに任せて
いいでしょうか?」
「おう、そんなこと何回もありますから。」
「ありがとう。では、西の担当はオルオについてきてください。
各自、馬をおいたらそのまま壁を立体起動で壁を登ったあと
全員到着したらオルオ、あなたはオレンジの煙弾で私たちに知らせて
ください。その後は訓練兵達の救出を優先しつつ各自、街に巣食う
巨人の討伐をお願いします。」
ハーブは、一呼吸置くと
「ペトラ。あなたは私たちの到着を知らせるオレンジの煙弾を
お願いします」
「了解!」
そういわれるとペトラは自分の懐から煙弾をあげる銃を取り出すと
すぐさまに弾をセットして打ち上げた。
煙弾は空高く垂直にあがると煙もきれいに形をなしていた。
これは、駐屯兵団の兵士や訓練兵にとっては待望の知らせとなるで
あろう。
一方でその煙を見つめる調査兵団の兵士達は
(始まるんだな…)
という複雑な感情を抱えていた。この先どんな絶望がふりかかって
くるのかわからないからである。
しかし、そんなことは数多くの修羅場を潜り抜けてきた者達に
とっては毎回のことであった。
そのため、その感情よりも
(やってやる・・・)という気合の方が多かったのである。
「では…皆さんいきます!!作戦陣形に展開!!これより任務を開始します
!!」
「オオーーー!」
兵士たちはブレードを高く掲げ、己の魂をその刃に
こめるのであった。
