二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.27 )
- 日時: 2013/10/13 16:19
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
今、私は襲撃されたトロスト区の上空を通過している。
正直いって、下はなるべくみずに前だけ見て目的地まで辿り着きたい
気持ちでいっぱいなのだがどうしても意識的に、いや、無意識に
自然と下にいってしまった。
それは、壁の上から見た風景よりもずっと絶望的で凄惨で惨憺極まる
現状であった。建物はこれでもかというほど破壊しつくされ
逃げ切れず、突然命を奪われてしまった何も罪のない人たちの死体が
野ざらしにされていた。そして、その傍らにはひっそりと…最期まで
血にまみれ壮絶なる最期を遂げた無残な若い兵士たちの死体は吐き気を催し目を覆いたるなるほどであったがそこには生への願望、無念というだけではなく確かに最後まで人類の勝利を信じ、そして果てていった戦士たちの生きた証を残していた。
今、私たちに求められているのは死を嘆き悲しむのではないその者達
が残した≪人類の勝利≫の遺志を受け継ぎ、次世代にまで受け継ぐ
ことであった。
※※※※
「分隊長!あそこを見てください!1名の訓練兵とおぼしき兵士が
12M級3体に囲まれています!」
視野の広いぺトラがその持前を生かし今にも捕食されようとしている
訓練兵をいちはやく見つけハーブに報告した。
「そして、その周りには助けようとするおそらく同じ班の訓練兵が
2名…。巨人だって馬鹿ではないからあのままむやみに突っ込んだら
それこそ、逆に捕まえられて全滅なんて最悪なシナリオを回避しなければ…」
「分隊長、おそらくあの訓練兵はガス切れか立体起動装置になんらかの
故障が生じ撤退に遅れたもの達でしょう。撤退の鐘はもう鳴っている
ようですし…。早く、私たちが!」
「そうね。ぺトラ一刻も早く奴らを駆逐してあの訓練兵たちを
助け退路を開けないと…。ぺトラ、至急、討伐行動に移動!
私は右と真ん中の2体を、ぺトラは左のあの12M級をお願い!」
「了解です!」
「チャンスは一回だけ。一度でもしくじったら終わり…。ぺトラ
絶対しとめましょう。」
「ハイ!!!」
そして、私はアンカーを12M級のうなじめがけて射出した。
※※※※
「くそっ…どうすりゃいいんだ!」
壊れかけの建物の上に建って、ジャンは一人
逃げ場のない状況で一人、頭を悩ませていた。
予定通りにいけば、これでもうトロスト区の外へ
帰れるはずであった。
しかし、壁を目前にまさかの想定外の事態が
起こってしまったのだ。
それは、同じ班であるサシャ・ブラウスの立体起動
装置のガス切れであった。そして、動けなくなって
しまったサシャの周りにはすぐに12M級の巨人が
集まってきてしまい逃げ場なく囲まれてしまった。
ガス切れとは、兵士の生命線である立体起動が出来なくなる…すなわち巨人のはびこる戦場では死を意味
するものであった。
しかし、その恐怖はジャン達、訓練兵が一番身に染みてわかっていた。なぜならガスの供給を担当する補給兵が恐怖のあまり本部に閉じこもってしまいガスの補給ラインが一時、滞りそのせいで訓練兵たちのガス切れが多発…。多大なる死者が出てしまった。
その時、ジャン自身のガス燃料もそこを突きかけたが
104期訓練兵団の中で一番、優秀であったミカサの鼓舞やアルミン達の助け、そしてジャンの考えた巨人達が一か所に集まっているうちに本部に突撃する
という強硬策もあいまってなんとか窮地を脱したが
しかし、その作戦の成功の裏は、巨人の捕食対象が自分たちに向いていない間に対象となった者を犠牲にし、その者たちの時間稼ぎと尊い犠牲のの上に成功したものであり決して正攻法ではなかった。
その時、大事な仲間たちを自分たちが生きながらえる
べく見捨ててしまった後悔はジャンの心にひどく
つきささるものであった。
そして、仲間を失った悲しみ、いかに、立体起動がなければ人間は巨人の前においては無力であることも痛感させられた。
今、ここでサシャを犠牲にすればおそらく自分は
助かるかもしれない。だがもう大事な仲間を見捨て
自分だけ助かるなんて真似はしたくない。
だが、今ここで自分がサシャを助けようと突撃
しても自分がせいぜい狩れるのは一体、そして
同じく隣にいるコニーをもってしても二人で同時に
狩れるのは2体。だが、今サシャを食べようと
囲んでいるのは12M級の巨人3体だ。
2体をやっても、まだ残り一体いるため動けなく
なったサシャを助ける間に感づかれ間違いなく
この自分、サシャ、コニーの3人の中から
必ず一人は死ぬ…。
サシャを見捨て、自分だけ生きながらえるか
それとも自分を犠牲にしてまで仲間を助けるか。
生と死の入り乱れた究極の2沢をせまられていた。
もここに同時に2体まとめて狩れるであろう
ミカサや本部での戦いで自分たちを助けてくれた
巨人を殺すという見たことも聞いたこともない
超特殊型奇行種に化けたエレンがいたらまだ全員、生存できる方法があろうがもう、ミカサは巨人の中から
出てきたエレンとともに目の前で駐屯兵団司令部に
捕縛され連れていかれ、無論エレンがまた化けない
かぎりその巨人も現れてはくれない。
そして、何より周りの兵士たちはすでにもう撤退済か全滅しており助けに来てくれる気配がないのであった。
「うぇ…。二人とも私のことなんかおいて、もう
行ってください…。じゃないとみんなしんでしまい
ますからぁ…」
「何言ってんだよ!サシャ!俺たちがお前を見捨て
りなんかするわけねぇだろ!」
「で…でもぉ…。こんな状況絶対助からないですってぇ…。だから、二人とも逃げてください…。最期に
みんなに…一緒にいられて幸せでした…と伝えて
くださぃ…。」
「おいサシャ!ちょっと黙ってろ!俺だって今、
みんな助かる方法、考えてるんだよ!だから…
もう少し待ってろ!」
心の中で考えていることと全然、違うことを
つい口でいってしまった。
3人全員助かるなんて方法…絶対ないのに…
「おい!ジャンどうする!早くしねぇとサシャが!
班長はおまえだろ!」
「うるさい!今、俺は必死になって考えてるんだよ!」
「でも、もう時間がねぇんだよ!見ろ!向こうからも
巨人達が集まってきてるぞ!」
「んなぁことわかってるよ!でも…わからねぇんだよ!3人まとめて助かる方法がよ…なぁ…そこまで
いうなら教えてくれよ…コニー…」
駄目だ。恐怖のあまり冷静な考えが出来なく
なってる…。でも、この状況を見て落ち着けという
方がおかしい。
「くっそ…こうなりゃ俺がいく!俺が巨人を
ひきつけて時間を稼ぐ!その間にジャンはサシャの
救出をしてくれ!!」
「そ…それじゃ…コニーお前が…!本当にいいのかよ?死ぬんだぞ!」
「どっちみち、誰かがやらないといけねぇことだろ!
ここで3人まとめて死ぬより一人でも助かった方が
いいのは誰だって分かる!そうやって、みんな…
身をささげて死んでいったんだ!最後くらい俺に
華もたせてくれても…誰も文句いわねーよ!・・」
コニーは少しうつむき加減で言った…しかし…目に
涙をうかべながらもその顔は腹を決めた顔で男の顔
であった。
「おい…もう一度考え直せコニー!班長は俺だ。
なんなら、俺が…」
「いや…、俺が行く。お前は俺よりはるかに優秀だからな。お前が生き残った方がそれこそ人類にとって
有益なことだぜ…。だったら俺がやった方がいいだろ?」
「ば…馬鹿野郎!何、いってんだよ!班長は俺だ!
お前は俺の命令に…!」
「フ…悪いな…ジャン…。その命令はきけねぇよ。
お前は今日生き残って憲兵団に入るんだろ?
お前は自分勝手で自己中心的だが努力のためなら
どんなことも犠牲にして訓練に励んできた。
そして、お前は十番以内に入って憲兵団入りの資格
をとったじゃねぇか…。憲兵団に入る夢こんなところ
で自ら潰すんじゃねぇよ。夢、かなえろよ。
最後くらい俺のいうことも聞いてくれよな。
じゃあ…俺はいくぜあばよジャン!お前といれて
よかったぜ!」
「おい待て・・コニー!いくなああああああああああ!」
