二次創作小説(紙ほか)

Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.3 )
日時: 2013/06/01 21:30
名前: Banira (ID: 1CRawldg)

「ああ、そうだ。執務室でまっておられる。すぐにいきなさい」
時間がなさそうなせわしい顔でキースが足早にいった。

しかし、いきなり呼ばれて困るのはリヴァイと私だった。

「どうせおい待ってくれよ。俺はもうすでに憲兵団志望と出したんだ
そこんところはちゃんと尊重してくれるよな?」
納得のいかない表情でリヴァイが言った。

「リ・・リヴァイくんのいうとおりです。私も今朝すでに・・
それにどうして私もなんですか?上位十名にも入っていないのに・・」

キースは二人の訴えを聞いてしばらく黙りこんだが
苦し紛れの顔であてつけのように

「いいか、これは団長様の勅命である。お前たちに兵団の掟を
しっかりたたきこんだはずだ。上の命令は絶対だ。そむいたら・・
どうなるかわかるよな?わかったらさっさといきなさい。!」

と通過儀礼の時にみせたあの威圧ある口調でいい終えるとすぐさま
部屋を出て行ってしまった。

「っち、なんだよ・・。めんどくせーな」
リヴァイは悪態をつく。

「しょ・・しょうがないよ・・。リヴァイくんが呼ばれるなら分かる
けどなんで私まで・・って今切実に思ってるもん。だけど相手は団長
だし・・。」
と私はなだめ一向執務室へ向かった。



トントン・・
執務室のドアを軽くノックするとすぐ中から
「君たちか・・入りなさい。」
と返事がかえってきた。

おそるおそる部屋の中へ入ると目に入ってきたものは
豪華に装飾された椅子と机・・天井・・壁そして歴代団長の写真が
飾ってありそこには前団長、今の鬼教官キースの写真もあった。

しかし、豪華な装飾品の数々には目を向ける暇などなかった。
それは開けてすぐエルヴィンが手を組んで待っていたからだ。

エルヴィン・スミス....
調査兵団、第十三代団長。若くしてキースに才能を見いだされ調査兵団に入団。
以来、前団長キース・シャーディスの元、幾多の壁外調査に参加。
数多くの戦功を立てリヴァイに抜かれるまでは最多討伐数保持者。
調査兵団髄一の敏腕兵士。キースの退任に伴い史上最年少で調査兵団に
選出された逸材・。

兵団の中ではピクシス司令につづいてえらく調査兵団では最上位である。
当時、名もなき一般訓練兵だった私から見れば雲の上の存在だった。
なぜそんな私をエルヴィン団長は目にかけたのか・・すぐには答えが
出せなかった。




「訓練兵。リヴァイ・・」

「同じく訓練兵ハーブ・ヴィルナス!参上つかまつりました。」

「うむ。よろしい。」
そう言い終えるとエルヴィンはこしかけ椅子から立って敬礼する
私たちの前に来た。

呼び出した目的を尋ねる。

「エルヴィン団長様!今日は何のようでしょうか?」

「ハハハ、二人ともいきなり呼び出してすまなかったね。」
うすら笑みを浮かべてエルヴィンは言った。

「いえ、めっそうもございません。」

「ならいいんだが。ところで時間もないんで早速本題に入りたいんだが
君たちはもうどの部隊に入るか決めたかね?」

「はい・・俺は憲兵団志望です。」

「ハーブくんは?」

「ちゅ・・駐屯兵団を志望しております!」

「なるほど・・。それが今の君たちの希望なのか・・。」
エルヴィンは予想していたのだろうか顔色は一向に変えないでいった。

「だがな。今日私がここに君たちを呼び出したのはほかでもない・・。
諸君には・・ぜひ調査兵団に入ってもらいたいからだ。」

その瞬間私の体に刺激が走った。予想はしていたが実際に言われると
心臓がはりさけそうだった。

「ちょ・・調査兵団でありますか・・」

「ああ。強制とは言わない。でもな、今の私の決断を伝えると
どうしても君たちの力が必要なんだ。」

「まず・リヴァイ君。君の噂はかねてから私の耳にも届いていてね。
体力・座学ともに秀で特に立体起動のバランス能力は抜群。
連帯行動にも定評がある。そして訓練兵団を歴代史上最高の
成績で卒業したそうじゃないか。」

「そして、ハーブ君。君のこともちゃんと私には届いているのだよ。
体力は申し分なし座学に少し難があるが、的確な立体起動で
仲間のサポートは群をぬいて抜きんでており優秀。」

「今の君たちもわかる通り、我々は巨人に置いて非常に劣勢におかれている。今の状況を打破するには君たちのような有能が即戦力が
必要なのだ。」