二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.39 )
- 日時: 2014/01/04 15:24
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
「い..一体何が起こっているの?」
ハーブは目の前に広がる光景を見て思わず呟いた。
「わ..分かりません。私が離れてる間、一体何が・・・」
マチルダも一体全体何がなんだかわからないという顔をして言った。
ハーブはマチルダから有益な情報は得られないと見るともう一度
正面へとずらす。
しかし、眼下に広がったのは相変わらずの黒煙の海でその煙に巻き込まれ必死に新鮮な空気を求めて逃れた駐屯兵が咳き込んでもだえ苦しむ
光景とこのトロスト区攻防戦の指揮を任されているキッツがいつもの
ひどい死相を出した顔でただ呆然とただずむ姿であった。
マチルダに巨人化した人間が現れたと聞いて、その現場を見るべく
内地へとエルドとペトラの優秀な部下2名を連れてウォール・ローゼ
の壁の上へハーブ達は来ていた。
だが、ついた瞬間から今までその様子は変わっていない。ただ、黒煙が
壁下の駐屯兵が大勢集まっているところに異様に煙っているという
光景が壁上に着き咄嗟に見下ろした瞬間から。
と言っても、マチルダが見たのは負傷兵を送り届けたあと壁上へと
上りなんとなく見回した光景の先に突如、向こう側から砲弾が飛んでくるのを見た瞬間、壁下にいた何やらキッツ以下駐屯兵団に取り囲まれていた訓練兵とおぼしき3人の内の一人がこれまた突然巨人化して目の前に巨人が現れ、その砲弾に巨人化した巨人の左手を伸ばし当てた・・というその決定的瞬間だけであり、なぜ駐屯兵団が訓練兵をまるで公開処刑みたく大胆にしかも大勢で包囲していた理由もわからなかった。
だが、一つはっきりとわかったのは、マチルダが見た人間が巨人化
したという全く考えられない出来事は本当であったということだった。
何故なら
「でも、マチルダあの頭部のない死んでいるも同然の大きい巨人が
人間が巨人化したっていう巨人?」
ハーブは、指差したその巨人は、身長は15M級と同等で首から先がぽっきりと折れて頭部がなくなっていて蒸発が激しくしっかりは確認できないものの上半身の部分が覆っているはずの肉が胸のあたり以外まったくなく逆にあばら骨が丸見えとなっており砲弾に当てたというその左腕は既に蒸発しきって肩から先がない状態で右腕も同様であった。
「ええ、たしかにそうです。頭部は蒸発して折れてしまったのでしょうが私が見たときは顔一面が皮膚ではなく骨で覆われていて、その中に
光る目玉が睨みをきかせていた異様な有様でした。」
「なるほどね..。でも、まわりの兵士たちの気が動転して恐れおののいている姿を見てもどうやら人間が巨人化したという事実は受け入れなく
ちゃいけないようね。」
と、ハーブは疑っていた自分の心を消して認めざるをえなかった。
その心境は後ろにいて同じ状況をハーブとともに見ていたエルド、
ペトラの両名も一緒であった。
「マチルダ、ところでその巨人化した人物はともかく、その人物と
ともにいた訓練兵二人はどこにいるんだ?無事なのか?」
「そ...そこまでは俺も知らない。生きているかさえもな。生きていればまだあの煙の中にいるんじゃないか?」
「そうか..。もし仮に死んだとしたら大事な承認がいなくなって大事な
情報源がなくなって団長に報告するのもあやふやになっちゃうな。結局、何も進展なしかぁ・・」
エルドが上面を上げて残念そうに言った。それを見てマチルダは
何かひらめいたように、口調を上げて言った。
「あっ、でも、巨人化する前に訓練兵3人が駐屯兵団に囲まれていたのを俺は見ていた。そしてキッツ隊長がやけに何かを問い詰めていたのも聞いた。」
「えっマジかよ?ってか、なんでそれ今いうんだよ。早くいってくれよ!」
「ご..ごめんって..。俺も気がどうかしてて頭が回らなかったんだ。
許してくれよ」
マチルダが、手前申し訳なさそうに少し後ろめたく言った。
「ったく、いつもお前はそうなんだからよ・・。」
エルドは、舌打ちをしながら自分の足元をにあった小石を蹴りながら
いった。
そんな調子の二人を尻目に唯一まともなペトラが機転を聞かせて割って入った。
「でっでも事前にその駐屯兵団がその巨人化したっていう一人を含めた3人を取り囲んでたってことは、駐屯兵団はその3人の
中の一人が巨人化するっていう事実を知っていてその事を問い詰める
べくあんな大勢で取り囲んでいたと考えればつじつまがあうんじゃない
?」
「それよ!さすがペトラ!」
前にいてただじっと、前を見てマチルダやエルドの会話も気にとめて
いなかったハーブが微笑を浮かべ言った。
突然の横槍にペトラは「えっ?」という表情をし、マチルダ、エルドは
咄嗟に振り向いた。
「ぶ、、分隊長!?私たちの会話聞いていたんですか?」
「もちろんよ。ただ呆然と眺めていただけかと思ったの?もう・。
実はね、私もずっと考えていたんだけどなかなかいい考えがうかばな
かったのよ。だけど、ペトラの言ったことを聞いて納得したのよ。」
「なんだ..。そうなんですか。で、でも!いうならもっと自然に
入ってくださいよ。そんないきなりオーバーに入ってこられたら
びっくりしますよ!」
「ごめんごめん。悪かったわ。」
はぁ、、とペトラはため息をついて思った。
(分隊長をちょっといじりすぎちゃったのが悪かったかな・・・)
「ともかく、話を戻すと。ペトラの言うとおり駐屯兵団は事前に
巨人化することを知っていてそれを問い詰めるために包囲してたのよ。」
「でも、何もあそこまで大勢の兵士を集めるのはいささか大げさじゃ
ないですか?しかも、わざわざ大砲まで用意するなんて。」
「そこは、キッツの事を思えば合点はつくわ。今までの言動を思い
返してみればわかるでしょ?」
そういって、ペトラ、エルド、マチルダ三人は思い返した。
しかし、その答えは出るまでに3人ともそう時間はかかわらなかった。
「た。。確かに..キッツ隊長を考えたらわかります。」
一番早く意味を察したエルドが言った。それに続きあとの二人も
頷いて同じくわかったようである。
そう、キッツことキッツ・ヴェールマンは体裁こそ駐屯兵団を代表
する幹部であるものの、図体の割には小心者で何かをするのも一人では
何もできずやたら何かを指示する時は、反論を抑えるためか部下を多数
連れあわせ人数による圧力をかけて自分の主張を押し通そうという
ところがあった。
そのためか、駐屯兵団のみならず調査兵団からも嫌われており
とりわけハーブはその代表格であった。
「でしょう?っで次に____」
と、ハーブが3人の顔を確認した上で話を発展させようとした時
「分隊長!う。。後ろ!後ろみてください!」
エルドが急に納得した表情をかえて指差していった。
「何?どうしたの?」
ハーブが後ろに向けていた体を前に戻しもう一度、内地の方を
向いた。
それにつられ、ペトラとマチルダの二人は壁上の端に駆け寄り身を
乗り出すようにして同じ方向をみた。
見ると、さっきまで一面に覆っていた黒い煙が晴れ上がっており
その合間からなんと、黄色い髪をして訓練兵団の紋章をまとった
訓練兵が決意を固めたようなそんな表情をしながら出てきた。
その事対して、咄嗟ににキッツの前で悶えていた駐屯兵がかがみこんで肩にかけていた銃を構える。
当のキッツも怖気づいて何もできないでいた表情から一変させ睨むような目つきで声を絞るように叫んだ。
