二次創作小説(紙ほか)
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.4 )
- 日時: 2013/06/12 22:03
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
かくして・・私はリヴァイと同じ調査兵団に配属されることになってしまった。
実際エルヴィン団長が頭を下げてまで懇願されたのに断る奴なんて
そういないだろう・・。
というか、断ったら後で何されるかわからなかったし一生
目をつけられるかもしれない・・。
しかし・・今思えば汚名を背負ってでも断ればよかったのかもしれない。
本心では最初の壁外調査で死亡率50%とかいう噂を単なる
風の便りとしか思ってなかった自分が情けない。
実際出てみればよく分かった。戦場では油断していると
次から次へと同僚たちは否応なしに喰い殺されていった。
そこは血の海と呼ぶにふさわしく、あちこちで凄惨な光景が
繰り広げられていた。
手だけ残して引きちぎられた遺体、下半身を残して喰われた遺体など
なんでも見てきた。
最初の壁外調査で目の前で食われていく仲間たちという現実をまざまざみせつけられ精神は強いと自負していた私も憔悴しきってしまい悪運が強く生き残ったはいいものの実戦と訓練は全然違うというものを
思い知らされた。
実際、訓練で毎回うまくいっても実戦では強靭な体力と精神が
なければ能力を発揮するなど無力に等しかった。
もっともリヴァイは初陣から巨人を狩って戦功をあげてたらしいけど
天性的に悪運が強いのか運がいいだけなのかわからないが
まわりの同僚は次々と天へと召されていったが私だけは毎回しぶとく
生き残った。それによってただ仲間が死ぬ程度では全然気にしなく
なるまでに精神は強く保てるようになった。
本当に慣れというものは恐ろしい。
実際問題、戦場ではいちいち仲間の死を嘆いていては埒が明かない。
嘆いている時間があったら巨人をいったいでも多く狩って
死んだ仲間の分まで頑張れよというものだ。
ただ、それによって感情を全くもって殺したわけではない。
訓練中は無理してでも任務遂行優先で押し殺しているが内心は
傷つきやすく時には一人で訓練兵時代と同じように泣いている。
そうすることによってあぁ・・自分は生きているんだと思う反面
死んでいった仲間に対しての思いは消せず生き残ってしまった
罪悪感もあった。
本当に調査兵団というものは死亡率が高いだけでなく
生き残った方もいろいろな感情に苛まれてストレスの多い役職だ。
ただ私は、巨人に対してむやみに突撃なんてことはしたくない。
なぜなら、無駄な戦闘は死者をいたずらに出すだけだと思う。
基本的は不必要な戦闘はなるべく回避することであって
必要最低限の戦闘にとどめることだ。
別に率先して巨人を一体でも多く討伐するのが悪いといっている
訳ではない。ただ、一度に総攻撃をして多大な犠牲者を出して
討伐するよりかは犠牲者を極力減らし必要な戦闘だけで少しずつ討伐数を稼いでいく方がいいと思う。
そうすることによって死亡率を下げることにつながるだけでなく
新兵にも数多くの壁外調査に参加させることが出来、そんな中で
また新たな優秀な人材が育ってくる。
そんな考えでするようになると、私はいかにして生き残り討伐していくかという行動をとるようになり、リヴァイや同じ生き残っている
同僚には戦績では大きく立ち遅れるもののしぶとく生き残ることが
出来ているし、サポートに磨きがかかって史上最速のペースで
討伐補佐数を稼げている。
そんなこんなで、調査兵団に入団してから5年の月日がたった。
年というと短くみられるかもしれないが、死亡率がとにかく
高い調査兵団の中ではもう一人前と呼ばれる地位ではある。
そして今や名もなき一般兵だった私も数多くの修羅場と命の危険を乗り越え分隊長という
重要な枠割まで昇進できた。
調査兵団階位では団長、兵長、に次ぐポジションだ。
しかし、同期のリヴァイは今や私の上司、兵士長まで上り詰めて、
しかも史上最年少というからおっかない。まぁ私もこの年齢でここまで
昇進できたというものも快挙ということなのだが。
今や私とリヴァイの同期コンビは調査兵団髄一と言われており他分隊に比べ圧倒的な討伐数を誇りつつ生存率も抜きんでている。
そして、人類の英雄リヴァイを支えるハンジ・ゾエに次ぐ片腕呼ばれ
活躍している。
そんなことでリヴァイという英雄の陰に隠れつつも私の知名度も
巷ではあるが上がりつつある。まぁ嬉しいんだがうれしくないんだか。
おっと、ここまで長ったらしく書いてきたがこれが私の回顧録である。
時間をとらせてしまってすまない。
そろそろ本編にいくとしよう・・。
主人公プロフィール
名前:ハーブ・ヴィルナス
年齢:19
性別:女
所属:調査兵団
階位:分隊長
出身:ウォールローゼ東区ロゼッダ村
討伐11体討伐補佐56体
冷静な判断力と高い連携意識で部隊を統括し
サポート能力に秀で調査兵団屈指の討伐補佐数を誇る。
なかでも、的確な立体起動操作で巨人の急所を突き討伐班を補佐
するのは目をみはるものがある。