二次創作小説(紙ほか)

ターン35:無法者対無法者 ( No.109 )
日時: 2013/07/21 10:58
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)

「超強力なアウトレイジの反応っちゃ!!」
「またか!?結局この間は断念したけど・・・・・・じゃなくて、今はD・リーグの途中なんだよ!!」

 ヒナタは、カード越しにドラポンへ怒鳴った。第一回戦が終わり、次の対戦スペースへ向かっていたのだ。

「次の相手は・・・・・・。」

 そう言って、席に着いた。タブレットの電源を入れてメールを確認し、対戦相手を調べる。

「”零皇咲 封李”さん!?ってことは・・・・・・!!」
「しばらくだな!!」

 声が響く。ヒナタは思わずその方向を向いた。

「ま、マジですか・・・・・・。」

 以前、教団のと戦いの最中に割って入ってきた大胆な少年。それが、彼だった。

「あと、俺には敬語は良いって言っただろ。」
「あ、そうなんだ・・・・・・。」

 気を改め。

「全力で行くぞ!!」
「ああ、デュエマ・スタートだぜ!!」




 ターン3:ヒナタのターン。

「俺のターン!!呪文、《エマージェンシー・タイフーン》を唱えて、2枚引いて1枚を墓地へ!ターンエンド!」
「何だ?いきなり《クロスファイア》を墓地に落としやがったぞ。」

 今回、ヒナタは新たに編成を見直し、《クロスファイア》をG・0とあるカードで2枚並べるコンボで攻め入る。
 このコンボを完成させるには、意図的に墓地へクリーチャーを送るカードが必須なのだが、このデッキではそれが可能だ。1つは、《エマージェンシー・タイフーン》のように、手札を減らさずに墓地肥やしが可能なカード。もう1つは、《奪い去る者ザビ・フライ》のように、破壊された際にお得な効果を持つカード。これらによって、墓地はどんどん肥えていく。つまり、攻撃の火、墓地利用の闇、手札補充の水。そして闇文明は火、水文明、共に相性が良いため、強力なシナジーを発動する。墓地を肥やし、手札を切らさず、決定打で一気に勝負を付ける。これが、ヒナタのデッキの基本的な動きだ。

「何の考えだか知らねえが、まずは俺のターン!!《霞妖精ジャスミン》を召喚して破壊!効果でマナチャージ!ターン終了だ。」
「序盤はマナ加速?なら、今がチャンスだな!《ライラ・アイニー》召喚!こいつは、スピード・アタッカーだから、召喚酔いはしない!シールドをブレイク!!」

 封李は一瞬とまどったが、すぐにシールドをめくる。が、不敵な笑みを浮かべた。

「ターンエンドだ。」
「へっ、俺のターン、《クウリャン》召喚!効果で1枚ドロー!ターンエンドだ!」

 またしても、一件地味な動き。しかし、序盤には欠かせない動きなのである。さもなければ、終盤じり貧に陥り、負けることも攻撃型デッキにはよくあることだ。

「がんがん攻める!!俺のターン、《腐敗勇騎ドルマークス》召喚。効果で自爆して、クリーチャーを選んで破壊しろ!」
「むっ、《クウリャン》を破壊!」

 これで再び、封李の場にはクリーチャーがいない。が、

「その程度か?俺は全然堪えていないぜ!」
「何をッ!《ライラ・アイニー》でさらにシールドブレイク!!」

 封李がシールドをめくった、次の瞬間だった。

「やっぱ、まだまだだな。S・T発動だ!《スーパー炎獄スクラッパー》で焼き払うぜ。」
「あっ、《ライラ・アイニー》が!!」
「さらに、俺のターン!こっからだぜ!!超電脳と野生の息吹が、奇跡の融合を果たす!《無頼電脳スプラッシュアックス》!」

無頼電脳スプラッシュアックス C 水/自然文明 (5)
クリーチャー:リキッド・ピープル/ビーストフォーク 2000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のシールドを1枚見る。その後、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。

「お前のシールドを見て、マナ加速だ!」

 そう言って、ヒナタのシールドを1枚見る。

(なるほど、《どんどん掘るナウ》か・・・・・・。なんなら、早いウチに浪費させた方が良いな。待てよ、この際だ。ぎりぎりまでシールドに埋めておくのも手だな。)
「ターン終了だ。」
「お、俺のターン!頼むぜ、《ドラポン》!!」
『任せとくっちゃ!!』

 ヒナタはドラポンのカードをバトルゾーンに出した。

「ターン終了だ!」
「じゃあ、そろそろこっちも、決めさせて貰うぜ。《武闘龍カツドン》召喚だ。」
『あ、アイツは、カツドン!?』

 ドラポンは思わず声を上げた。もう少し大きかったら、他に聞こえていただろう。

「し、知ってるのか?!」

 小声でヒナタが返す。

『あのでっかい反応はまさしく、そうっちゃ!アイツは、おだんのライバルっちゃ!』
「ハァ?!」

 ヒナタがドラポンと喋っている間に、封李はプレイを進める。

「行け、《ドラポン》を破壊しろ!!」

 封李は容赦なく、《カツドン》のカードをタップし、《ドラポン》へ攻撃した。

『おらァー!!ドラポン、覚悟やァー!!』
『げっ!!』

 いきなり実体化したカツドン。そして、ドラポン。が、周りは気づいていない。当然だ。みんなしてデュエマに集中しているのである。

「げっ、こんな時に実体化するんじゃねえ!!」

 封李は注意したが、2体は天井へ飛び上がってしまった。まず、ドラポンが銃を撃つも、カツドンが弾幕を全てヌンチャクで跳ね返してしまう。そして、一気に接近し、ドラポンを床へ打ち落とした。が、危機一髪、ドラポンはカードになることで、床にたたきつけられることはなかった。

「リアルファイトで勝敗決めるな!!」
「あの、封李・・・・・・今のは?」
「はぁ、あのオラクル教団と戦った後のことなんだが、急に実体化し始めて・・・・・・。」

 封李はため息をついた。

「このザマだ。お前もまさか、実体化するアウトレイジのカードを持っていたとはな・・・・・・さて、今のでドラポンは破壊された。どーせ、パワーアタッカーでカツドンの方がパワーは高かったからな。」
「っ、だけど、《ドラポン》のドロン・ゴー発動!《弐超拳銃 ドラゴ・リボルバー》召喚!」

 ヒナタの切り札が姿を現した。いよいよ、山場だとばかりに、ヒナタ
は拳を握る。

「やはり、ドロン・ゴー使いか。ターンエンドだ。」
「よし、んじゃあこっからだぜ!!俺のターン!《ドルル・フィン》を召喚し、《ドラゴ・リボルバー》でW・ブレイク!」

 さらに、《カツドン》のカードが吹っ飛ばされた。

「効果で、パワー6000以下を撃破!どーだ!」
「お前は何も分かっていないんだな。知っているか?」

 封李は不敵な笑みを浮かべた後、再び続けた。

「ドロン・ゴーを使うのは、何もお前だけじゃないんだよ。」