二次創作小説(紙ほか)
- ターン38:バカとテストとクリーチャー ( No.118 )
- 日時: 2013/08/04 11:26
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)
「うあぁあー!!どーすんだー!!試験勉強とか、マジ嫌だー!!」
「叫くな!補習になるぞ!次の問題!文節が複数連なった文節は、何という?」
「連文節・・・・・・だよね。」
リョウが控えめに答えた。ここは、鎧龍決闘学院の図書室。集まっているのは、ヒナタ、レン、リョウの3人だった。目的は言うまでもなく、いよいよ明日の定期テストの勉強であった。市販の問題集をやってもきりがないので、ここは互いに問題集片手に、問題を出し合うことにしたのである。
「じゃあ、次は僕が出しますよ。えーっと、今から上げるクリーチャーの中で、最もコストが高いクリーチャーを言え。」
リョウは、問題文を読んだ。鎧龍では当然、デュエル・マスターズのテストも出る。
「《虚空の翼ダークモルダー》P7000、《アクア・サーファー》P2000、《地獄のケンカボーグ》P4000、《緑神龍ドラピ》P15000。」
「舐めるなよ!!《ドラピ》の事は知らないが、ここは一番パワーの高い、《緑神龍ドラピ》だァー!!」
「バカか。《ドラピ》のコストはたったの1。答えは、6マナでパワー2000の《アクア・サーファー》だ。」
呆れたように言い放つレン。《ドラピ》は1マナにもかかわらず、パワーは15000、そしてT・ブレイカーだが、登場したときにマナが9枚以上ないと、即破壊される。
「じゃあ、次は・・・・・・。」
「君たちー!はかどっているかーい?」
聞き覚えのある声。思わず振り返るヒナタ。
「ジェ、ジェイコフ!?」
「実は、うちの財閥が造った、メカ家庭教師《ドライさん1号》が完成したから、テストも兼ねて、僕の家に来てほしいんだけど。あ、美味しい炭酸ジュースや、レアカードも用意しているよ?」
ヒナタは勉強が嫌いなので、即座に逃げようとしたが、レンが襟首を掴んだので脱走は失敗し、レンが即答した。
「絶対行きます!!」
ジェイコフ邸。広々とした土地にある、豪邸。あらゆる装飾が施されており、派手で、正直目がちかちかする。
「思った通り、でっかい家だな・・・・・・。」
「さーね?庶民の家がどうなっているのかは、僕は知らないけどね。」
「腹立つなァ・・・・・・。」
ヒナタは思わず呟いた。しかし、機嫌が良いのか、ジェイコフはそんなことは気にもとめない。
「んじゃあ、この部屋。」
ジェイコフは、ヒナタ達をある一室に通した。その部屋は、学校の図書室のような部屋だった。
「さて、セバスチャン。」
ジェイコフが振り向くと、老執事が荷台に積まれたロボットを押してやってきた。
「はっ、お坊ちゃま。」
「これが、《ドライさん1号》だ。」
「ヨロシクオネガイシマス、ミナサン。」
ドライさんさんが喋った。そして、どこが最新のロボットだと突っ込みたくなった。どうみても、一昔前の丸みを帯びた、古くさいデザインである。怪獣映画のロボットを思い出したのは、言うまでもない。
「なんだこれ!!キ○グジョーじゃねーんだよ!!」
「こんなデザインにしたのは、親しみを出すためでね。うん。」
確かに、愛着がわかないこともない。
「それじゃーね!2時間後くらいに、ジュース持ってくるから!」
「あー、頼むわ。」
2時間後。ジュースを持って、さっきの部屋に行こうとする、ジェイコフに、科学者の1人が話しかけた。
「お坊ちゃま、《ドライさん1号》には、冷却機能に問題があって、長時間の使用は危険と言うことですが・・・・・・。」
「な、何だと!?」
ジェイコフは、危うく、ジュースをこぼしそうになる。
「セバスチャン、ジュースを頼むぞ!」
「お、お坊ちゃま!!」
ジェイコフは、老執事と共に、部屋へ駆け込んだ。が、なかなかあかない。どうやら、中からしめられているようである。あらゆる手段を試した結果、夜中の2時くらいに、ようやく突破できた。それほど防御は固く、有刺網に電子ロックなどが全て置かれていた。部屋に入ったジェイコフは次の瞬間、絶句した。その場には、どこかのボクシングマンガのように、白く燃え尽きてしまった3人の男と、鞭をふるいながら暴走するロボ。
「ふっ、ジェイコフ、俺は燃え尽きてしまったぜ・・・・・・。」
「パクリはもう良いから、起きろ!!何があった!!」
慌てて、3人を揺すり起こすジェイコフ。
「トットトベンキョウシナサイ!!電気ムチヲフルイマスヨ!!」
「おいどーいうことだジェイコフ!!このロボ、だいぶ前から暴走し始めたぞ!!こいつの授業は分かり易かったのに!!んでもって、いきなり鞭をふるうんだ!それから後は、すんごいスパルタ授業になって・・・・・・そして、いきなり部屋から誰も出入りできないようにしてさ!」
ヒナタは涙目で訴えた。
「すまない、ヒナタ。こいつには、冷却機能に問題があるらしい。それが原因で暴走したんだろう。」
「んだとォ!?」
ジェイコフは、デッキケースを取り出す。
「やつには、デュエマに負けると強制終了するプログラムを組み込んである!!」
「何でそんな面倒なプログラム組み込んだんですか!!」
リョウが突っ込む。確かに、もっともである。
「何故か?ふふふ・・・・・・面白そうだからだよ!」
(ダメだこの人・・・・・・。)
3人は呆れて口が開いたままだ。ジェイコフは、デッキケースの一番上のカードに向かって、囁いた。
「ムスタング、頼むぞ。」
『おおう!!』
「ドライさん、デュエマで勝負だ!!」
「イイデショウ・・・・・・!!」
ターン12:ドライさんのターン。互いにバトルゾーンのクリーチャーは、ドライさんが0、ジェイコフの場には《メッサダンジリ・ドラゴン》。そして、ジェイコフのマナは相当たまっている。
「ワタシノターン、《パクリオ》召喚。効果デ、アナタノ手札ヲミテ、
シールドヘ!!《偽りの王 ヴィルヘルム》ヲシールドニ!!」
「ピーピングハンデス・・・・・・!厄介だね。僕のターン、《蒼黒の知将ディアブロスト》召喚!」
蒼黒の知将ディアブロスト SR 闇文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
バトルゾーンにある相手のクリーチャーはすべて「ブロッカー」を得る。
W・ブレイカー
「さて、ターンエンドだよ。」
「ワタシノターン、《トロン》と《スーパーハッカー サイバー・クーン》ヲ召喚!」
スーパーハッカー サイバー・クーン R 水文明 (5)
クリーチャー:サイバーロード/ハンター 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のサイバーロードを3体破壊してもよい。そうした場合、進化ではないサイバー・コマンドが出るまで自分の山札の上からカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをバトルゾーンに出し、残りを自分の墓地に置く。
「大改造!ビビビ!!サイバーロード3体ヲ材料ニ、アラワレヨ!!《サイバー・R・コンストラクション》召喚!」
サイバー・R(リ)・コンストラクション P 水文明 (9)
クリーチャー:サイバー・コマンド 12000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の墓地にあるサイバーロードをすべて、手札に戻す。
T・ブレイカー
サイバーロード3体をベースとして、強力な電脳獣、サイバー・コマンドが現れる。しかし、なお、ジェイコフは余裕そうだ。
「僕のターン。行くよ!!《フェアリー・ギフト》を唱え、《誇り高き破壊者 ムスタング》召喚!さらに、《プライマル・スクリーム》を唱え、山札から4枚を墓地に!!」
墓地に落ちた、4枚中1枚がクリーチャーのカードだ。
「来たぞ!《ディアブロスト》の効果で、お前のクリーチャーは全員、ブロッカー化されているから、《R・コンストラクション》破壊!!」
「ナッ、バカナ!!」
「ターンエンドだ!」
観戦していたヒナタに、ドラポンが話しかける。
「ヒナタ!ジェイコフの使っている、アウトレイジ、《ムスタング》は紛れもなく、封印されていた古代のカードっちゃ!」
「じゃあ、あいつも・・・・・・!!」
ターン15、ジェイコフのターン。
「行け!《「祝」の頂 ウェディング》で攻撃!!そしてッ!!《天頂秘伝 ゼニス・レクイエム》を唱えて、ワールド・ブレイカーに!!シールドは全て、墓地送りにして、《ムスタング》でダイレクトアタック!!」
「キ、キノウテイシ・・・・・・。」
そう言って、ドライさんは機能停止した。
「す、すげーな!お前!アウトレイジを手に入れたなんて!!」
ヒナタが感嘆の声を上げる。
「まーね!」
「これで、教団の連中との戦いも安心だな!」
「きょう・・・・・・だん?」
ジェイコフ1人だけが、教団について、何も知らなかったのであった。
翌日。
「あー、昨日は酷い目にあったぜ!俺マジ寝不足だわ。」
「ふん、どうせ貴様は勉強しても頭に入っていまい。」
「まあまあ・・・・・・。」
一週間後、テストの結果が配られた。そして、ヒナタ、レン、リョウの3人は職員室に来ていた。
「「「・・・・・・。」」」
「全く、テストの途中に居眠りとは・・・・・・赤点とるのも無理ないな。」
先生が、ため息をつきながら、言う。
「「「・・・・・・。」」」
「お前ら補習な♪」
先生は笑顔で言った。次の瞬間、3人の表情が恐怖に変わる。
「「「あーんまーりだぁー!!!!!!!!」」」
ちなみに、結局、ジェイコフからレアカードは貰えたらしいが、3人とも怒った親から没収となった。(ちなみにジェイコフは普通に良い点だったらしい。)