二次創作小説(紙ほか)

ターン39:覚醒する力 ( No.119 )
日時: 2013/08/08 09:04
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)

「なぁ、ヒナタ、知ってるか?この学院が建ったのは、武闘財閥って言う財閥のおかげなんだ。そこの財閥の御曹司は、俺の友達でさ。」

 昼休み、廊下を歩きながら無頼シントと暁ヒナタは会話していた。

「武闘財閥っていうと、あの超大型企業ですか?」
「ああ、財閥の御曹司の名前は武闘フジ。俺のライバルの一人で、そのプレイスタイルは理知・計算ずくめのテツヤの戦略とは、真反対。自壊、墓地肥やし、そして墓地進化!ロマノフ一族の力を最大限にまで引き出す、強力なデッキを所持しているのさ。」
「ロマノフって、背景ストーリーだと、本当に財閥じゃないですか。」

 ヒナタは驚いたように言った。

「ただ、アイツには本当にヤバイ切札を所持しているんだ。」
「あれですか?《大邪眼B・ロマノフ》ですか?」

 しかし、その答えをシントは一蹴した。

「違うな。」
「じゃあ、マッド・ロック・チェスター(《邪神M・ロマノフ》、《邪神R・ノマノフ》、《邪神C・ロマノフ》の3体で構成されるゴッド。ただし、《邪神M・ロマノフ》はプレミアム殿堂入り。)ですか?」
「それも違う。だいたい、《邪神M・ロマノフ》はプレミアム殿堂入りしていて、デッキには入れられない。」
「じゃあ、《暗黒皇グレイテスト・シーザー》ですか?」
「違う。」
「じゃあ、何なんですか!!」

 ヒナタはとうとう、堪忍袋の緒が切れて、声を荒げた。しかし、シントは宥めるように手で制した。

「まあ、落ち着けって!まあ、いずれ戦ったときに分かるさ。ただ、い
えるのは、ドラゴン・ゾンビじゃねーってことだ。」
「ちぇ・・・・・・教えてくれたって良いじゃないですか。」

 ヒナタはふくれっ面で返した。が、そのときであった。

「ん・・・・・・黒煙?」

 シントはふと呟いた。まさに、2人の周りには、黒い霧の姿。

「ど、どうなってやがる!!」
「シント先輩!振り払って!これ、吸ったらヤバイですよ!!」

 見上げると、そこには鎧に身を包んだ、謎の男の姿。

「我が名はハゴロモ・・・・・・。貴様らに天誅を下しに来た。」
「あ?天誅?何だ?天からネズミでも降ってくるのか?天チューってことで。」

 こんな状況でもちくりと嫌味を指すシント。しかし、ハゴロモはそれを無視し、

「天誅!!」

 と叫び、床へ舞い降りる。そして、杖を振り下ろした。

「おらぁっ!!ヒナタに何するんっちゃ!!」

 が、間一髪。突然ヒナタのデッキから飛び出てきたドラポンに、拳銃で防がれてしまう。

「ナイスだぜ、ドラポン!!」
「おう!」

「おのれぁ・・・・・・!!」

 ハゴロモは、ヒナタに飛びかかるようにして、あの黒い空間へ引きずり込んだ。

「ヒナタっ!!」

 シントの声が聞こえたが、直後にとぎれる。

「ちっ、シント先輩!」
「さぁ、人間よ。どちらか、選べ。」

 瞬時にシールドが展開され、デッキ手札が用意される。

「消滅の未来か、永遠の絶望か?」




 ターン13:ハゴロモのターン。互いのシールドは3枚。ヒナタのバトルゾーンには、《一撃奪取 トップギア》と《双拳銃 ドラポン》。一方、ハゴロモの場には自身の分身である、《神光のイザナイ ハゴロモ》だけだ。

「さて、私のターン。《交錯のインガ キルト》召喚!我をタップし、光臨発動!《真実の名 アカデミアン》召喚!どうだ!私は、伝説のゴールデン・エイジのクリーチャーでさえも呼び出せるのだ!!効果で、《ドラポン》を手札に!!」
「ちっ、バウンスを貰ったか。」

 手札に戻るドラポン。バウンスでは、ドロン・ゴーも何もない。

神光のイザナイ ハゴロモ P 光文明 (6)
クリーチャー:オラクル 4000
光臨−自分のターンの終わりに、このクリーチャーがタップされていた場合、自分の山札を見る。その中からコスト8以下の無色クリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。

真実のトゥルーネーム アカデミアン P 無色 (7)
クリーチャー:リキッド・ピープル/アンノウン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
W・ブレイカー

「はははっ!どうだ!この私は、教団階級”イザナイ”では最強なのだからな!名ばかりの”カノン”や他の”イザナイ”と一緒にしないで貰おうか!!」
「あーはいはい、あーはいはい。」
「ちょっと!?聞いてるの!?」
「ぜーんぜん。」

 即答。まさしく、聞き流している。

「俺のターン、《ドラポン》召喚。呪文、《ヒラメキ・プログラム》で破壊。」

ヒラメキ・プログラム R 水文明 (3)
呪文
自分のサイキックではないクリーチャーを1体破壊する。その後、自分の山札の上から、その破壊されたクリーチャーよりコストが1多いクリーチャーが出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。

 《ドラポン》にヒラメキ・プログラムを撃ち、破壊するヒナタ。

「そして、ドロン・ゴーで《ドラゴ・リボルバー》を出して、《ロードスター》も山札から召喚だ!」

 ドロン・ゴーとこの《ヒラメキ・プログラム》は非常にかみ合っている。実質これで、クリーチャーが一体増えるのだから。

「ぐぬぅ・・・・・・!貴様が選ぶのは、破滅の未来のようだな!!」
「《ロードスター》の効果で、マナも墓地送りに!そして、墓地が6枚たまったから、《百万超邪 クロスファイア》召喚だぜ!!いっけぇ!!《ロードスター》でW・ブレイク!」

 シールドを割る《ロードスター》。しかし、

「S・トリガー発動!《支配のオラクルジュエル》で《クロスファイア》を破壊する!天誅ッ!!」
「なっ!!《クロスファイア》がッ!!」

 次の瞬間、《クロスファイア》に焼き印が押される。

支配のオラクルジュエル P 光/闇文明 (8)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
S・トリガー
相手のタップされていないクリーチャーを1体破壊する。
バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。

 《クロスファイア》が破壊された直後、ヒナタの場のクリーチャー全員に光の輪が填められる。つまり、残りのクリーチャー全員をタップしたのである。

「ははははははッ!何が《クロスファイア》だ!弱い弱い!はははははは!」

「いい加減にしておけよ・・・・・・!俺の仲間を何人傷つけたら、気が済むんだァー!!!」

 激昂するヒナタ。表情からは、もはや怒りの感情しか読み取れない。

「なっ、何をほざくか!!私のターン!神の力は偽りか真実か?神化せよ!そして、天誅を下せ!《アカデミアン》から進化!《聖忌祀ニューウェイヴ》!」

聖忌祀(せいきまつ)ニューウェイヴ P 無色 (8)
進化クリーチャー:オラクリオン 13000
進化−自分の無色クリーチャー1体の上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーまたは自分の他のクリーチャーが破壊された時、相手のクリーチャーを1体破壊する。
相手のターン中に自分のシールドがブレイクされた時、このクリーチャーは相手のシールドを1枚ブレイクする。

「T・ブレイク!!」

 ヒナタのシールドが全て割れる。しかし、ヒナタは笑みを浮かべた。しかし、その笑みはいつもの笑みとは違った。相手をあざ笑うような笑みだ。同時に、ヒナタのクリーチャー全員の瞳が赤黒く光る。そして、破壊を意味する宣言を、神の使いに言い放った。

「S・トリガー、《無法のレイジクリスタル》。」

 直後、《ニューウェイブ》が水流に飲まれて消滅し、《ハゴロモ》が破壊された。

「なっ、何が起こった・・・・・・!?まさかあの少年、怒りにまかせて自分の力を暴走させているのか!?」

無法のレイジクリスタル P 水/火文明 (8)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
S・トリガー
バトルゾーンの相手の、パワー6000以上のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。その後、相手のパワー6000以下のクリーチャーを1体破壊する。

「俺のターン。」

 ハゴロモは少年の頭上に、水晶のような結晶が浮遊しているのを見た。そして、叫んだ。

「バカな・・・・・・!0・メモリーだと!?」
「0・メモリー、《ドラゴ・リボルバー》を進化。」

 直後、《ドラゴ・リボルバー》の体が腐敗し、骨が露出し始める。が、同時に黒い炎を身にまとう。

「《アサルトブレイバー L7》ッ!!」