二次創作小説(紙ほか)
- ターン49:ゼロの禁断領域 ( No.157 )
- 日時: 2013/09/28 11:41
- 名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)
そのころ、レン達はビルの外で攻防を続けていた。最初は数が多いと思われたクリーチャーも、だいぶ数が減ってきた。
「《ナッシング・ゼロ》で《修羅丸》をワールド・ブレイカー(厳密に言えば少し違う)に!!シールドを全てたたき割り、《破界の右手 スミス》でダイレクトアタック!!」
「《ダイヤモンド・カスケード》でシールドブレイク!《勇騎妖精ドジコ》で最後のシールドをブレイク!《妖精のイザナイ オーロラ》でダイレクトアタックよ!」
「《「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス》でワールドブレイク!《大邪眼 B・ロマノフ》でダイレクトアタックだ!」
「《レスキュー・スペース》で最後のシールドブレイク!《常勝ディス・オプティマス》でダイレクト・アタック!」
と、こうして周りのクリーチャーはほとんどがいなくなっていた。
「これで、ひとまずは安心か?」
「レン、油断は禁物よ!」
そう、コトハが言ったときだった。オーロラが、コトハの肩をたたく。そして、空に向かって指さした。
「コトハ!コトハ!アレ見てよ!」
「へっ!?」
その光景を見て、全員は驚愕した。大量の小型クリーチャーがこちらへ向かってくるのである。さすがのフジも、ため息をついてげんなりした表情を浮かべた。テツヤに至っては、
「フジ、この際だから爆弾、ミサイル、ダイナマイト一式どっかの国から借りてこい。」
とボケる始末。しかし、それに対しフジは
「悪いテツヤ。実は今、A国でもクリーチャーの襲撃があって、軍の抵抗虚しく、壊滅状態だと言うことだ。」
「日本だけじゃないのか!?」
と、いうことだ。つまり、仮にどこかの国から援護を頼もうにも、クリーチャー相手に兵器が通用するわけがないのである。オーロラは完全に怯えきり、スミスでさえもげんなりしている。
「一体、教団はどれだけのクリーチャーを保有しているんだ!?」
「さあ、知らない・・・・・・いや、待て!!奴らの後ろにさらにでかい何かがいるぞ!!」
見れば、それは巨大な馬人のようなクリーチャー。《爆裂右神 ストロークス》に似ている気もするが、体色は白っぽい。そして、本体が生み出す渦からは、無数のクリーチャーが飛び出ている。
「《神聖麒 シューゲイザー》!!教団の連中、まだオラクリオンを隠し持っていたのか!!やつの効果で、無尽蔵に軽量のクリーチャーが出てきているんだ!!」
フジが叫んだ。とにかく、今は目の前の敵を殲滅するしかない。が、
「うわ〜ん!コトハー!こんなの無理だよー!ドラポンだったら、あんな奴ら一撃なのに!!」
「落ち着いて、オーロラ!ドラポンがいない今、あたしらが取り乱してどうすんの!」
「俺の視界は今、真っ白に染まっている。そう、絶望という名の白に染まっている。」
((こいつらぁー!!足ひっぱんじゃねえ!!))
テツヤは完全に燃え尽きており、オーロラは敵の多さに怯えきり、とうとう泣き出す始末。
「そろそろ・・・・・・そろそろ着くはずだ!!」
フジが腕時計を見て、苛立つ。次の瞬間だった。高級リムジンがこちらに向かって走ってきた。
「来た!!」
フジは叫ぶ。全員が、そのリムジンに注目した。中からは使用人が現れ、スーツケースを引っ張り出す。
「お坊ちゃま、”残りの”対教団用カードが完成しました。」
「ご苦労だったな!よし、お前ら!これは、武闘財閥が対教団用に作った、強力なカードだ!コッチに来て受け取れ!!」
そして、それぞれカードを渡された。
「い、一体これは・・・・・・。」
レンがつぶやく。見たこともないカードだからだ。
「それは、財閥が資産をつぎ込んで作ったカードだ。フツーにカードを作るなら、苦労はしない。だが、問題は”実体化するカード”だ。」
「つまり、教団に対抗できる意思を持ったカードを、人工的に作り出したということか?」
スミスがフジに問うた。フジは、「そのとおりだ」と返す。恐るべし財閥の科学力。
「とにかく、奴らを倒しに行くぞ!!」
と勇んで、クリーチャーのほうへ向き直るフジ。だが、そうしようとしたとたん、渦が巻き起こった。そこから人影が現れる。
「させませんよ!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。見上げれば、イザナイ達がこちらを取り囲んでいる。日蓮、パイル、ハゴロモ・・・・・・そして、中央に一人、天使のような風貌の男がいる。その男が口を開く。
「我が名は天草。イザナイの中でも、最高位に位置する。」
パイルは、憎々しげに口角を挙げた。
「ヒヒャハハハ!!どうですか!この圧倒的な軍勢の差は!!絶望しましたか?しましたね!!」
「おやぁ?誰かと思えばイザナイ(笑)じゃねーか。」
テツヤがパイルに向かって、笑いかけた。パイルの額には、血管が浮かぶ。
「ああ!?誰かと思えば、さっきのテメーか!!いい加減に、そのネタは撤回して貰いましょうか!!」
「バカ言うなよ、俺に二回戦挑んだら、どうなるか分かるな?さっきので、てめーの戦略はお見通しだ。覚悟しな!おっと、抵抗してくれても結構だぜ。力ずくは大好きなのさ!!」
「舐めた口を・・・・・・!!後悔しなさい!!」
パイルが煙を吹き出す。そして、2人とも決闘空間でのデュエマが始まった。一方、フジは日蓮と対峙していた。
「さっきは負けたが、今度は本気だ。つっても、sっきのは本気の50%しか出していないがな。」
「ふん、私は40%だ。」
「俺実は30%。」
「私も実は10%なんですよ。」
「俺5%。」
「私1%。」
「俺、0.2%。」
「キリがない。デュエマで勝負を付けよう。」
「最初からそうしろっての!!」
そして、2人のデュエマが始まった。そして、ハゴロモはコトハ・・・・・・いや、オーロラと対峙していた。
「やぁ、裏切者。」
「あら、卑怯者。」
互いに皮肉り合い、笑みを浮かべる。(ハゴロモは笑みを浮かべているのかどうか、分からないが。)
「貴様は前々から気に入らなかったのだよ。」
「あら、気が合うわね、あたしもそうよ。」
(気のせいか、こんな会話をどこかのゲームで聞いた気がする・・・・・・。)
が、コトハの疑問も無視し、
「エリートぶってるあんたじゃ、一生”メシア”への出世は無理じゃないの?」
「ふん、何とでも言えばよい。裏切り者に心配される義理など無い!!」
そして、ハゴロモが空間を開き、デュエマが始まる。そして、レンと天草。しかし、この2人の雰囲気はどこか違った。
「黑鳥レン君。君には、天性のゼロを操る才能がある。」
「解せないな。何だそれは?」
「暁ヒナタを倒したいか?」
天草はレンの質問を無視し、彼に問いかけた。しかし、レンはふっ、と軽蔑するように笑みをこぼすと、
「それで貴様らに荷担すると思ったら、大間違いだ。」
と言い、断った。
「そうだ!!俺達アウトレイジは無法者!俺達は俺達のルールでやらせて貰う!!」
スミスも割ってはいる。それを聞いて、天草はため息をついた。
「嫌でも言わせてやるさ。我らに荷担すると。そして、踏み込ます。」
天草は気がつけば、黒い煙を吹き出していた。
「”ゼロの禁断領域”にな。」