二次創作小説(紙ほか)

短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー)【前編】 ( No.163 )
日時: 2013/09/23 09:29
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「お嬢さん、お嬢さん、コッチに来て。」

 これは、本編ターン32から少し後の話。如月コトハは下校の途中だったが、ふと声をかけられた。見ると、怪しげな風貌の男が色んな人形を売っている。

「お守りに1つ如何かな?」
「うーん、1個50円か・・・・・・。」

 それにしても、どこかで見覚えのある人形である。デフォルメされた悪魔のようなブタだ。

「このブタ、どっかで見たような・・・・・・。んじゃ、1つ下さい。」
「まいどー。」



「あーあ、無駄遣いだったかな?」

 買ってみたものの、後悔する。気づけば、もう自室の前まで着いていた。後は、宿題をやって自分のお気に入りのベッドに突っ伏すだけである。それと、最近増えた居候が嬉しそうに「ドラポンとお昼食べに行くんだ♪」とか言っていたが・・・・・・と考えながらドアノブに手をかけた瞬間だった。
 コトハは、咄嗟にしゃがんだ。何故なら、ドアに穴が開いていたからである。そして、撃ち出された光弾の後・・・・・・。そして、黒くこげた人形。結果的にお守りが役に立ったようだ。そして犯人はもう見当がついている。

「ちょっとぉー!!オーロラー!!いきなり、あたしに何するの!!てか、この人形今回の伏線じゃなかったの!?」

「なーんだ・・・・・・!ブタじゃないんだ・・・・・・!コトハかぁ・・・・・・!!」

 コトハは、これ以上彼女を突き詰めるのをやめた。今日のオーロラからは、明らかに異常なオーラを感じる。

「ど、どーしたのよ!」
「フン、別にィ?ブタが来たら、1秒で焼きブタにしてやろうと思っただけだよ?」
「こ、怖ッ!何があったのよ!というか、ブタといえばシオちゃんのペット(?)のブータン?」

 そう問いかけた瞬間、今度は窓ガラスが割れた。

「二度とあたしの前で、その名前を口に出さないで。」
「す、すみません・・・・・・。」
「話せば長いんだけど・・・・・・。」




 数時間前。オーロラはドラポンと一緒に、弁当を食べようとしていた。

「それじゃあ、開けよーよ!」
「おう!」

 ドラポンも、弁当箱のふたを開けようとする。その間にも、

(ああ・・・・・・今日もオーロラはぶちかわええわ・・・・・・。)
「どーしたの?」
「い、いや何でもないっちゃ!」

 ドラポンは顔を真っ赤にする。(元から赤いが。)そして、2人は弁当箱のふたを開けた。次の瞬間、驚愕した。

「「べ、弁当がなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」」

 思い切り叫ぶ。そして、思わず辺りを見回した。すると------------


「ふー、食った食ったブー。」

 聞き覚えのある声。そして、2人はその声の持ち主に殺意を持った。

「「ブゥータァーン!!」」
「あれ?もしかして、あのちっぽけな弁当は、お前らのモノかブー?」

 とうとう切れたドラポンは銃を構えた。が、次の瞬間、オーロラが傍を横切る。

「あんた!人の弁当食べておいて、図々しいにも程があるわ!!」
「フーン!俺様のものは俺様のもの、お前の分は俺様の分だブー!!」
「ま、まあ喧嘩はよせっちゃ!」
「「うるさーい!!」」

 ドラポンは2匹の攻撃を喰らい、飛んでいった。

「りっ、りーふーじーんっちゃー!!」




「・・・・・・って感じで口論からマジ喧嘩になって・・・・・・。」
「ひっどーい!同情するわ!(後、ドラポンも)」

 コトハも今回は憤慨した。が、

「やっぱ、この間ブータンの弁当を消し炭にしたのが悪かったかな?」

 一瞬で取り消した。

「結局、アンタかい!!」

 ダメだこれ、謝らないと、とシオの家に電話をかけた。シオとコトハは、やはり性格の違いもあり、そこまで仲が良い訳ではない。。この間電話番号の交換までした。

(にしても、月夜野さんも厄介なペットを抱えて大変ね。)

 と思いつつ電話をかけた。しばらくして、シオの家に繋がった。

『ハイ、月夜野です。』
「あ、月夜野さん?ごめんね!うちのオーロラが、この間そっちの相方に迷惑かけちゃったみたいだから、謝らせに行っても良い?」
『いえいえ先輩、こっちも迷惑をかけたみたいですから。』

 次の瞬間、ガチャッと音がし、声が変わる。

『オイイィ!!オーロラと代われブー!!』
「へっ?」

 コトハは一瞬困惑した。同時に、オーロラもコトハの受話器をひったくる。

「言われなくても代わってやったわよ、バーカ!バーカ!」
『よーし!こうなったら、主同士のデュエマで決めるブー!!』
「分かったわ!!望むところよ!!」

 その後、すぐにオーロラは電話を切った。そして、

「コトハァ〜!どーしよー!」

 と、涙声で訴える。

「アンタいい加減にしなさいよ!!あーもー!これじゃあ、相手に謝るどころか喧嘩売ってるようなもんじゃない!!」
「売ったのは相手でしょ!」
「どっちみち、同じよ!」

 すると、再び電話がかかる。

「はい、如月です・・・・・・。」
『すみません、先輩。今ブータンは吊るし上げて、言い知れない恐怖を味あわせているところなのです。』

 それを聞き、一瞬コトハは戦慄を覚えた。

(怖いよ・・・・・・怖いよ・・・・・・月夜野さん・・・・・・。)

「い、良いわよ謝らなくたって。何なら、今からデュエマ・・・・・・する?」
『そちらが良いのなら・・・・・・。』
「じゃあ、海戸町のカードショップ・・・・・・『WIN×WIN』って店だけど、分かる?確か、そっちの家からも近かったと思うけど。5時くらいで良い?」
『分かりました。そこで落ち合うです。』
「OK。じゃあ、またね。」

 と、受話器を置いた。そしてため息をつく。

「急いでいかないと・・・・・・。」

 と言いつつ、まずは着替えようと自室のクローゼットに向かったのであった。