二次創作小説(紙ほか)
- 短編1:仁義なき戦い(パブリック・エネミー)【後編】 ( No.164 )
- 日時: 2013/09/23 11:43
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
海戸町カードショップ、『WIN×WIN』。そこには、2人のデュエリスト。如月コトハとオーロラ、そして月夜野シオとブータンだった。
「むはは!逃げなかったようだなブー!」
「逃げる?あたしとアタシの相棒が、そんなことするわけないじゃない!」
いきなり言い争う2人を見て、コトハとシオはげんなりした。
「はぁ、今日はごめんね。」
「良いんですよ。この際、2人に気の済むようにしたほうが、いいと思うんで。」
店内のデュエルスペースで、早速デッキを出す2人。オーロラとブータンも、カードとなって、デッキに入る。
「「デュエマ・スタート!!」」
現在、互いのシールドはコトハが4枚、シオが2枚という状況だ。場は、コトハがタップ状態の《無頼勇騎タイガ》と《青銅の鎧》、そしてシオが《一撃奪取ブラッドレイン》、《死神獣ヤミノストライク》だ。そして、シオのターン。
「やはり、先輩のデッキはビート中心ですね。」
「あら?ビートはあまり好みじゃないようね。」
「ご察しのとおりです!呪文、《デッドリー・ラブ》で《ヤミノストライク》を破壊し、《タイガ》を破壊!そして、《ヤミノストライク》の破壊時効果で《殲滅の英雄ハンニバルZ》を召喚!」
殲滅の英雄(カリスマ)ハンニバルZ(ゼータ) VR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 7000
E・ソウル
地獄返霊4(このクリーチャーが攻撃する時、またはその返霊能力を使った時、自分の墓地からカードを4枚、好きな順序で山札の一番下に置いてもよい。そうした場合、このクリーチャーの返霊能力を使う)
返霊−相手のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー
現れたのは、悪魔のカリスマ。龍に跨り、威圧する悪魔だ。
「さらに、《ブラッドレイン》で《青銅の鎧》と相打ちに破壊です。」
「やるじゃない!」
「そちらが数を増やして攻めて来るなら、返り討ちにするまでです。」
だが、コトハはさらに攻め手を増やそうとする。
「アタシのターン!《妖精のイザナイ オーロラ》召喚よ!」
『OK!コトハ、そのままドンドンやっちゃって!』
オーロラが、カードごしに叫ぶ。
「分かってるって、オーロラ!さらに、呪文《ドンドン打つべしナウ》を唱えるわ!」
オーロラが現れる。さらに、
ドンドン打つべしナウ UC 自然文明 (1)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体、タップする。次の自分のターンのはじめまで、相手のクリーチャーが攻撃するたび、そのクリーチャーは可能であればこのようにしてタップしたクリーチャーを攻撃する。このようにしてタップしたクリーチャーが水または闇のクリーチャーであれば、カードを1枚引いてもよい。
「効果でオーロラをタップ!そして、光臨発動!山札から《守護炎龍レヴィア・ターン》を出して、効果で《ダイヤモンド・ブリザード》を《オーロラ》から進化!」
これによって、召喚酔いのタイムラグを解消したのだ。
ダイヤモンド・ブリザード VR 自然文明 (3)
進化クリーチャー:スノーフェアリー 5000
進化−自分のスノーフェアリー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、スノーフェアリーをすべて、自分の墓地とマナゾーンから手札に戻す。
妖精が進化し、新たなる力を得る。次の瞬間、コトハの手札が一気に増えた。
「効果で墓地とマナのスノーフェアリーは、全てアタシの手札に入ったわ!」
「それで、ビートダウンの弱点である手札枯渇を補ったわけですか。ですが、それで私が動じると思いましたか?私のターン。」
シオは手札を引くと、ため息をついた。
「これでどうでしょうか?《豚魔槍 ブータン》召喚。そして呪文。《デッドリー・ラブ》で《ブータン》を破壊し、ドロン・ゴーです。」
『ブー!ドロン・ゴーだブー!』
次の瞬間、カードが入れ替わる。手札から、さらに強大な存在が現れるのだ。
「魔槍の王。生者を貫き、地獄の国家に君臨です——召喚《地獄魔槍 ブリティッシュ》」
『ブリーヒッヒッヒッヒィ!!これで勝利は確定だブリィー!!』
《ブリティッシュ》となったブータンが高笑いを上げる。確かに、カードのイラストは格好良いのだが、語尾で全部台無しである。さらに、
「手札を破壊し、こちらは手札を補充です。さらに《ハンニバル》でW・ブレイク!!効果で、地獄返霊4発動!墓地を4枚、山札に戻して《ブリザード》を破壊!」
(月夜野さんが新しいカードを中心にしたデッキにしてるなんて・・・・・・。)
シールドが割られ、焦り出すコトハ。
「ダメ・・・・・・早く何とかしないと・・・・・・。アタシのターン
!」
ドローをする。そして、来た。目当てのカードが。
「・・・・・・来た!!《冒険妖精ポレゴン》召喚!さらに、進化!妖精のフルパワーを見せてあげなさい!大いなる壁となり、大いなる大地の剣となれ!《ダイヤモンド・フォール》、降臨せよ!」
ダイヤモンド・フォール R 自然文明 (6)
進化クリーチャー:スノーフェアリー 5000+
進化−自分のスノーフェアリー1体の上に置く。
自分のシールドが3枚または4枚の時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべてのパワーは+2000される。自分のシールドが2枚以下の時、バトルゾーンにある自分のクリーチャーすべてのパワーは+4000される。
バトルゾーンにある自分の、パワー6000以上のクリーチャーはすべて、「W・ブレイカー」を得る。
「そ、それがどうしたんですか?仮にそんなクリーチャーを出したところで、次のターンもう一度《ハンニバル》で・・・・・・。」
「それが、できないのよね。呪文、《お清めトラップ》!」
「!!」
それを聞いて、シオは動揺した。しかし、顔には出さないでいる。この呪文の効果で、シオは自分の墓地を山札に戻さなければならないのだ。
お清めトラップ R 自然文明 (3)
呪文
自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
相手の墓地からカードを1枚以上選んでもよい。そうした場合、相手はこれを自身の山札に加えてシャッフルする。
「これは予想していませんでしたね・・・・・・。」
「墓地がなければ、《ハンニバル》の効果も使えない。どう?完璧な筋書きでしょう?さらに、《ドンドン打つべしナウ》で《フォール》をタップし、ターンエンド!これがコンボ、”スノーウォール”!効果でパワーが上がっている《ダイヤモンド・フォール》を前に、誰も手出しはできないわ!」
一気に状況はコトハに転がった。が、
「私のターン。ならば、これを見ても顔色一つ先輩は変えられずに居られるですか?《ハンニバル》を進化--------------魔界の神。死者を導き、絶望の冥土に降臨です——進化《悪魔神ドルバロム》」
「へっ!?」
次の瞬間、コトハのマナとバトルゾーンのカードが消えた。
「う、嘘・・・・・・!!」
「《ドルバロム》で残りのシールドをすべてブレイク!!」
トリガーこそ出たものの、火力呪文で大型クリーチャーが焼けるはずも無く。
「《ブリティッシュ》でダイレクトアタック!!」
「うぅ・・・・・・。アタシの負けかぁ・・・・・・。」
コトハは項垂れて、ため息をつく。
「そんなことはないですよ。先輩も強かったですし。」
「月夜野さん・・・・・・。ねえ、今度からシオちゃんって呼んでいい?」
「構いませんよ。それより、もう一度デュエマしませんか?」
「ええ、もちろん!!」
喧嘩がきっかけで(相方同士の)仲良くなれることもある。そう痛感したコトハであった。
「というか、あたしたち忘れられてない?」
「知るかブー!!」
結局、謝罪の件はどうなったのか。
「理不尽すぎるっちゃぁ・・・・・・。折角のデートが・・・・・・。」
「ドラポン・・・・・・返す言葉もねぇよ・・・・・・。」
ドラポンは、包帯を巻いた体で、おんおん泣いていたのであった。それを見て慰めるヒナタはもっと大変だっただろうが。