二次創作小説(紙ほか)

短編2:恋の裏技 【中編】 ( No.185 )
日時: 2013/10/09 20:03
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「じゃあ、作戦を考えよう。まず、目的はコトハとオーロラを無事に家へ帰すこと、そしてあのオタク軍団を追っ払うこと。」
 
 ドラポンがボコにされたあと、とりあえずオタク軍団を追っ払うための作戦を考えることにした。

「でも、作戦って一体何なのよ。」

 コトハが、ため息をつきながら言う。

「へっ、簡単じゃねえか!まず、作戦その1!」


”作戦1:デコイフォルクス作戦ッ!!”

「な、何っちゃ!?何かすごいモンを名前から感じる作戦っちゃな!」

 ドラポンは、作戦名を聞いただけなのに感嘆した。ヒナタは、作戦を語りだす。

「まず手順1。ドラポンを縛る。手順2、ドラポンを外に吊るす。手順3、ドラポンがおとり(デコイ)になっている間に逃げるんだよォ!!」
「いっぺん死ねっちゃぁ!!」

 ドラポンは銃身でヒナタの頭を殴った。

「ふざけんなっちゃ!おだんが《焔の下の力持ち ワーゲン》でおんしゃーらが《大焔団 フォルクス》かボケェ!!なんならお前がデコイになれっちゃぁ!!」
「嫌だよ!お前がボコになるのはいつものことだよ!だからお前がやるんだよ!!」

 取っ組み合いの喧嘩を始めるヒナタとドラポン。

「アンタら、やめなさいよ!!」

 というコトハの一声で、2人は喧嘩をやめた。

「仕方ねえ、作戦2!」


”作戦2:ゾロスター作戦ッ!!”

「今度はまともそうね!」

 オーロラが感嘆の声を上げる。

「まあ、聞けよ。手順1!ドラポンの手足と羽を縛る!手順2!道端に晒しておく!手順3!その間に俺たちは逃げるんだよォ!!」
「おおぉー!完璧じゃない!」
「すごいね!これでOKだね!」

 コトハとオーロラが拍手した。ドラポンはその光景を笑顔で見つめてる--------------------

「んなわけあるかっちゃ!100回死ねえ!!」

 わけがなかった。ドラポンの爆裂拳が炸裂する。今度は銃身で何回もヒナタを殴り始めた。

「痛い痛い痛い!!いや、これはな!オーロラのためなんだよ!わかる!?」
「さっきと趣旨は同じやろーがい!!言葉変えただけやろーが!!結局おだんはオラクリオンの生贄かっちゃ!!」
「ああ、そーだよ!!これが最善だよ!!悪いかコラァ!!」
「悪いわボケェ!!」

 言い争いが収まると、ドラポンはため息をついた。

「もうええわ!作戦3はおだんが考えたっちゃ!」

”作戦3:ヒナタを壁にする作戦ッ!”

 突っ込む間も与えず、ドラポンが喋り始めた。

「手順1、ヒナタがオタクを止める。手順2、ヒナタがKOされる。手順3、その間に逃げるんだよぉー!!」
「ざっけんなよボケェ!!作戦見て1000分の1秒で作戦内容分かったわ!」
「お返しじゃぁ!やられたら、やり返す。1000倍返しっちゃ!」





「さて。こんなんやっとっても、全く意味ないな。」

 ドラポンがつぶやいた。他の面々も、頷く。

「こうなったら、時間かけるしかねえな。」

 ヒナタがふと言った。

「時間?」

 コトハが首を傾げる。ヒナタが続けた。

「ああ、そして連中にオーロラを諦めさせる!」
「どーすんのよ。」

 コトハが聞いた。ヒナタは高らかに宣言した。

”作戦4!!チキチキ偽カップル作戦ッ!!”

「はぁ?」
「よーするに、連中にはオーロラと誰かが付き合ってるように見せかけるんだよ。」
「へっ!?」

 オーロラは思わず叫んだ。

「相手は万一のために、同じクリーチャーのドラポンだな!」
「お、おだんがっ!?」

 ドラポンも目を丸くした。すると、ヒナタがウインクする。まるで、
「オーロラと距離縮めるチャンスだぞ!」とでも言いたげだった。

「わ、分かったっちゃ!」
「オーロラもいいか?」

 ヒナタが尋ねる。

「う・・・・・・いいよ!でも、あくまでも作戦よ!さ・く・せ・ん!」
「分かってるっつーの。んじゃ、作戦決行は明日から!一旦、オーロラはカードに戻って、コトハのデッキに入れ。」
「わかった。」

 そう言って、オーロラはカードとなり、コトハのデッキに入った。ヒナタは一応念のため、コトハの家まで送っていったが、何も起きなかった。





 その夜のこと。10時ほどだが、オーロラが寝ているのを確認して、コトハは電話をかけた。相手はヒナタだった。すぐにヒナタが出てくる。

「もしもし?」
『ああ、コトハか。』

 いつもの軽い調子の声が帰ってくる。

「今ドラポンは?」
『ああ、寝てるぜ。』
「じゃあ言うけど、どーゆー意図があるわけ?今回の作戦。」

 ヒナタは、へへっと笑うと、すぐに返した。

『あいつらをくっつけるためだよ。』
「アンタねえ、ドラポンは確かにオーロラに一途よ?でも、オーロラに関してははっきり言って、アタシでも分からないわ。だって、底が見えないっていうか、何ていうか・・・・・・この間もドラポンをイジって面白がってたし。」
『さーね、ただオーロラがドラポンに意地悪すんのは、あいつの気ィ引きてぇだけなんじゃねーの?』

 淡々と返す答えるヒナタ。だが、心理を読むという技術には長けているように思えた。もう1つ質問をぶつけてみる。

「だけど、よくドラポンも懲りないわね・・・・・・。」
『知るかよ、大体そんぐれーじゃあ諦めないんじゃね?んじゃ俺宿題残ってるから、じゃーな。』

 プツッ、ツーツーツー・・・・・・。

 電話が切られた。はぁ、とコトハはため息をつく。

「やっぱ男って馬鹿ね。」

 そう呟きながら、少し微笑んだ。




 そして、作戦決行の日が来た-------------------------------。