二次創作小説(紙ほか)

ターン59:智を司るゼニス ( No.191 )
日時: 2013/10/13 15:31
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

結果、ヒナタは天川の挑戦を受けることにした。現在、ヒナタの場には《蛙飛び フロッグ》に《無重力 ナイン》、《遥か寸前 ヴィブロ・ブレード》の3体。一方の天川の場には、《キング・エイサー》に《青銅の鎧》。シールドでは、ヒナタが5枚、天川が3枚とヒナタが上回っている。

遥か寸前(ハルカス・レンジ) ヴィブロ・ブレード C 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。

 ヒナタのデッキの新たなサポート要員、《ヴィブロ・ブレード》は《アクア・ハルカス》の力をアウトレイジが取り込んだ超獣である。

「へへん、どーですか!俺のデッキ、”オールレイジEX”は!」
「流石だ。マナから見ても、デッキの全てをアウトレイジで埋めたということがわかる。」

 天川の言うとおり、ヒナタのマナゾーンにはアウトレイジのカード以外は見当たらなかった。アウトレイジをデッキ全体で埋めることによって、様々な種族サポートが受けやすくなるのである。しかし、負けじと天川も行動に入る。

「僕のターン。《キング・ケーレ》召喚だよ!」


キング・ケーレ P 水文明 (5)
クリーチャー:リヴァイアサン/アンノイズ 3000
ブロッカー
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。

 現れたのは、巨大な怪獣・・・・・・否、海獣だ。それも名前以外、感情を持たないアンノイズである。効果で、クリーチャー1対を手札に戻せる上に、ブロッカーであるため、防御用カードとしてはかなり優秀である。

「効果で、《ナイン》をバウンス!」
「ちっ、やられた・・・・・・!」
「さらに、《キング・エイサー》で《フロッグ》へ攻撃だ!《フロッグ》も破壊だね。」


キング・エイサー UC 水文明 (4)
クリーチャー:リヴァイアサン/アンノイズ 3000
自分のアンノウンの召喚コストを1、ゼニスの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。

 僅差とは言え、破壊される《フロッグ》。一気に場のクリーチャーが削られてしまったヒナタ。
 リヴァイアサンは1体1体が強力なアーマード・ドラゴン並みの巨大種族。それらをいとも簡単に操る天川の実力が高いことも伺える。

「さーて、ターンエンドだ。」

 天川は余裕たっぷりの笑みでターンの終了を宣言した。それを見ていたコトハは、やはりヒナタが劣勢だと感じる。

(やはり、異名は伊達じゃなかったというわけね・・・・・。)

 しかし、ヒナタは諦めてはいない。カードを引き、笑みを浮かべた。

「まだだぜ!マナ爆誕4発動!大地よ、わが友に力を!《馬番の騎手 アリマ&キッカ》召喚だぜ!」

 マナから、クリーチャーが現れる。さらに、

「G・0で《無重力 ナイン》も召喚!」

 手札からもクリーチャーが現れた。ギミックが山盛りのデッキだ。G・0やマナ爆誕など、強力なカードが揃っていた。しかし、

「そろそろ本気を出そうかな?」

 と天川は不敵に言った。手札の1枚を指で弾く。メガネが光で反射し、奥の瞳がよく見えない。しかし------------------------------表情だけは笑っていた。

「電脳獣よ降臨せよ。我が全ての力を捧げる!現れよ、《大河海嶺・K・アトランティス》!」

大河海嶺・K(ケー)・アトランティス VR 水文明 (7)
クリーチャー:サイバー・コマンド/リヴァイアサン 6000
このクリーチャーはブロックされない。
W・ブレイカー
このクリーチャーが破壊された時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべて持ち主の手札に戻す。

 現れたのは、電脳と巨大な身体を併せ持つ海将。さらに、天川のメガネが光る。

「さて、《エメラル》を召喚してシールドと手札を交換だ。ターン終了だよ。」


エメラル C 水文明 (2)
クリーチャー:サイバーロード 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札を1枚、裏向きにしてシールドに加えてもよい。そうした場合、自分のシールドを1枚、手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
※殿堂入り

 《エメラル》は登場時に、自分の手札を1枚裏向きにしてシールドに加え、自分のシールドを1枚手札に加えるサイバーロード。一見、プラマイゼロだが、S・トリガーをシールドに仕込めるという強力なメリットが期待できるのである。故に、殿堂入りとなった強力なクリーチャーだ。

「まずいね・・・・・・!今ので仕込んだのが、除去カードかそれとも・・・・・・!いや、考えてる暇なんざねぇ!俺のターン、ドロー!」

 カードを引くヒナタ。シールドはまだ、全部残っている。一気に攻め込めればいい。

「《ナイン》を進化!《ダークナイト クリストファー》に!」
「ほーう。」

 アウトレイジの進化クリーチャー、《クリストファー》が現れてヒナタは猛攻を仕掛けに行く。

「いっけぇ!!《クリストファー》でW・ブレイク!」

 ここは、仕込まれていないシールドを狙いに行くヒナタ。しかし、

「ニンジャ・ストライク発動!《光牙忍ハヤブサマル》で《K・アトランティス》をブロッカー化!攻撃を阻止だ!」
「くっ、止められたかッ!!」

 悔しそうに舌を鳴らすヒナタ。《K・アトランティス》は《クリストファー》の攻撃を阻止したものの、破壊されてしまった。しかし、これが天川の狙いだった。

「《K・アトランティス》の効果発動!”裁きの激流:メイルシュトローム”!!」

 次の瞬間、ヒナタのクリーチャーが全て手札へ戻された。

「危ない危ない、結局は時間稼ぎだけどバウンスって、嫌いじゃないんだよね。」
「くそっ!」

 やむを得ず、ヒナタはターンを終了した。バウンスは、下手に使えば単なる時間稼ぎ。しかし、使い方次第によっては相手にテンポアドバンテージを取ることができるのである。

「さあ、ここからだ。」

 天川のターン。彼は大量に増えたマナをタップした。そして、再び不敵な笑みを浮かべた。

「天頂の声を聞け。零の審判に従い、制裁を下す!賢愚を司る「智」よ反逆者に裁きを与えん!《「智」の頂 レディオ・ローゼス》よ爆誕!」


「智」の頂 レディオ・ローゼス SR 無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 17000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、カードを5枚まで引き、その後、相手は自身の手札を5枚選んで捨てる。
T・ブレイカー
エターナル・Ω



 現れたのは、黒き龍のような怪物。そして多数の重火器を背負い、さらに脇にはビーム砲を構えたクリーチャーだ。
 
「まだだ!効果で、僕の手札を5枚補充する!」

 手札が一気に増えた天川。しかし、それだけではない。

「今度は君の手札を5枚、墓地へ落としてもらおうか!!」

 次の瞬間、ヒナタの手札が消えた。たった1体のクリーチャーで、10枚ものハンドアドバンテージの差を付けられてしまったのである。

「賢者の力(手札補充)と愚者の力(ハンデス)のコンボ。思い知ればいい!!」

 ヒナタの場には、何もない。しかし、天川の場には強大な存在、ゼニス。戦力差はかなり大きい。

「へっ、面白くなってきたぜ!」

 それにも関わらず、ヒナタは薄笑いを浮かべていたのであった。