二次創作小説(紙ほか)

ターン87:エックス・リボルバー ( No.240 )
日時: 2013/11/04 18:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「くそっ、クリーチャーが全滅・・・・・・!!どうしたらいいんだ!!」
「まだまだ行くぜ・・・・・・!!《カツマスター》でT・ブレイク!!」
「ぐ、ぐああっ!!」

 シールドが3枚、一気に叩き壊された。しかし、

「S・トリガー発動!《グローバル・ナビゲーション》で《ハリケーン》をマナへ!!」

 ------------------さらに

「《規格外 T.G.V》を回収だぜ!」
『その調子っちゃ!ヒナタ!』

 調子はいい。だが、

「くっ。だが、《カツマスター》はいる。ターンエンドだ。」

 その通りだ。まだ敵の場には《カツマスター》がいる。直接、突破口になったわけではない。ここは、ゴリ押しでも有利になっておかねば!

「俺のターン!《T.G.V》召喚!!スリリング・スリー:アウトレイジで、山札から3枚をめくるぜ!!」

 出てきたのは、《ドラポン》と《シンカイタイフーン》、《父なる大地》の3枚。このうち、アウトレイジは1枚。

「よし、これで行けるぜ!《T.G.V》でW・ブレイク!!」

 残りのシールドを叩き割ることはできた。幸い、S・トリガーも発動する気配は無い。が、

「俺のターン。教えてやれよ、お前の実力!《暴剣坊 アラシ》召喚だ!」
「なっ!!何で、《アラシ》が・・・・・・!」
「こいつは、自分の意志で俺のデッキに入った。文句あっか?」

 何てことだ。圧倒的戦況、そしてカードの裏切り。ここまで来れば、流石のヒナタと言えど、精神的に持たないだろう。

「そ、そんな・・・・・・!!」
「終わったな。《アラシ》の効果で、山札から3枚を墓地に置く。その中から、《ハリケーン》を回収だ!!んでもって、エグザイルを回収したから、こいつはスピードアタッカーを得る!」

 真っ先に、《アラシ》の剣がヒナタのシールドを叩き切る。さらに、

「アタック・チャンス発動!《カツトンファー》で《アラシ》を破壊し、ドロン・ゴーだ!!行け、《暴剣王邪 ハリケーン》!」

暴剣(クロス)王邪(ファイア) ハリケーン P 水/火文明 (9)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを2体まで選び、タップする。そのクリーチャーは、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。
T・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《暴剣》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《暴剣》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。

 再び現れた《ハリケーン》。しかし、次の瞬間。《ハリケーン》の杖から光が発せられて、《T.G.V》はタップされる。

「くっ、くそっ!!このまま、負けるのか!?」

 ------------------俺が守るんだ、俺じゃないと、ダメなんだ-----------------------!!



 ヒナタには幼馴染がいた。檜山ナナカという少女だ。彼女にデュエマを教えてもらったことで、すべてが始まった。

(お前がいたからだよな!お前が居たから、今の俺はいるんだ!)

 いじめられがちだったヒナタを守ってくれたのも、彼女だ。

(おめーには、ホント、大事なものを貰ってばっかりだったな・・・・・・!)

 だが、そんな日々はある日、打ち砕かれた。



 
 小学校6年の夏---------------------------。

『ね、ヒナタ!今日、花火大会あるよね?その公園で、1時からイベントがあるんだって!』
「わりー、ナナ。俺、今日はデュエマの大会あるから行けねーわ。あ、でも、そのあとの花火大会には行けるかも。」




 そして、デュエルロードから帰った後・・・・・・・。

「ヒナタ、大変よ!ナナカちゃんが、花火大会の会場に行く途中に、トラックに撥ねられて・・・・・・!!」
「ナ、ナナが!?」

 

 -------------------その後、ナナカは享年12歳で、この世を去った---------------------------。

 俺がデュエマの大会に行ったばかりに!!一度は、ヒナタはデュエマを止めた。だけど、ある日気づいた。

 それは、彼女への裏切りだと。彼女に何ができたかなんて、関係ない。だが、彼女はデュエマをしてる俺が輝いてるって言ってた。だから、今度はあいつの分まで、俺が強くなって----------------


(あ、そうだ。俺、あいつのことをずっと、過去形で捉えてた。)

 過去の彼女に、何ができたかなんて関係ない。今、彼女に何ができるか。今、守るべき仲間に何ができるか。それが、よっぽど重要だ。
 そして、今。何をするべきか。それは-----------------------

「今、俺ができる最善の策は、他でもねえ!!諦めずに、カードを引くことだ!!」

 割られたシールドが光の粒子となって、集積する。S・トリガーである。

「S・トリガー発動!《無法のレイジクリスタル》で、《カツマスター》をバウンス!!」
「ば、馬鹿な!この、この土壇場で・・・・・・!」
「そして、《ホルモン》を破壊だ!!」

 暗闇に灯る、僅かな光。今は、1手1手ごとにくるカードに、全てを--------------全身全霊を込めるだけ!!

「俺のターン!」

 きた。《ヒラメキ・プログラム》だ。

「呪文、《ヒラメキ・プログラム》で《T.G.V》を破壊!」
『ヒナタ!今なら、”リュウセイ”の力を取り込んだ、おだんの力が使えるっちゃ!!』
「しゃあ!!頼むぜ、ドラポン!コスト6の《T.G.V》から-------------------------------」

 流れる、流星の如き反撃。

「流れる流星の弾幕で、あらゆる敵をぶち抜け!脳天に風穴を吹き開けろ!!《未知なる弾丸 リュウセイ》召喚だぜ!!」

未知なる弾丸(エックス・リボルバー) リュウセイ SR 闇/火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを6枚自分のマナゾーンから選び、残りを墓地に置く。その後、相手はカードを6枚自身のマナゾーンから選び、残りを墓地に置く。
相手は、自身のマナゾーンにカードを置く時、タップして置く。
W・ブレイカー


 現れたのは、新たなる《ドラゴ・リボルバー》。《リュウセイ・カイザー》をベースに、アウトレイジの、過去の強力なクリーチャーを自身に取り込む能力で、変化したのだ。容姿のベースは、”リュウセイ”そのものだが、精神のベースは《ドラゴ・リボルバー》だ。

「効果により、各プレイヤーはマナを6枚選択して、それ以外を全て墓地へ!」
「くっ、まあ良い・・・・・・!俺にはまだ、シールドが・・・・・・!」
「どこからでも墓地に落ちたとき、《キューブリック》の効果が発動!《ハリケーン》をバウンスだぜ!」

 しまった。封李のマナは6枚。次のターン、重量級クリーチャーは召喚できない。しかも、巨大クリーチャーで攻めていくタイプの封李のデッキに、軽量のスピードアタッカーはいない!

「《リュウセイ》で最後のシールドをブレイク!!」
「だが、俺にもまだ、運があったぜ!S・トリガー、《火焔タイガーグレンオー》召喚!こいつで、次のターン、トドメを刺す!!」
「出来るもんなら、やってみろ。」

 ヒナタは言いのけた。封李はカチンと来たのか、

「いっけええ!!!俺のターン、《タイガーグレンオー》でダイレクトアタック!」
「ニンジャ・ストライク発動!《ハヤブサマル》でブロック!!」

 しまった。ヒナタの余裕はこれだったのか。しかし、尽くせるあらゆる手段は尽くした。悔いはない。

「俺のターン!《リュウセイ》でダイレクトアタック!!」