二次創作小説(紙ほか)

ターン88:最終決戦! ( No.241 )
日時: 2013/11/04 19:30
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

 決闘空間が崩れ、元の場所へ戻っていた。校長が、ヒナタへ1枚のカードを渡す。

「おめでとう、ヒナタ君。君に、《ガイアール・カイザー》を授けマショウ。」
「あ、ありがとうございます!!」
「やったな、ヒナタ。やっぱ、お前つよ・・・・・・おい、お前の触ったところから!」

 次の瞬間、ヒナタが触れた部位から、《ガイアール・カイザー》の姿が変わっていく。

「《勝利皇帝 Guy-R》・・・・・・!やはり、伝説は本当でしタカ。守りたいという、強い意志が、《Guy-R》を目覚めさせたのでショウ。では、地上に戻りまショウ!」
「はいっ!!」





 トーナメント会場。そこは、最早廃墟と化していた。しかし、その中央に、一際目立つ存在が。

「レン・・・・・・!?いや、違う・・・・・・てめーがヨミか!!」

 神のオーラに、敏感になっているのか。正解だと、言わんばかりに彼は頷いた。右の口が裂けている。背筋に凍るようなものが走った。

「その通りだ。目的は唯一つ。全世界への、クリーチャー進撃。」
「黙れ!!俺と勝負しろ!!」
「慌てるな。余は、2人の側室を迎えることとなった。如月コトハと、妖精のイザナイ、オーロラだ。」

 次の瞬間、拳が伸びていた。ヨミの左頬(正確に言えばレン)に、ヒナタの拳が炸裂する。

「ざっけんじゃねえ!!2人は、どこにやった!!」
「ぐ、がはっ!!ふっ、良いだろう・・・・・・彼女らは、披露宴の為に、天空要塞、ヴァルハラ・ゴッドに招待した。今から、招待してやろう。貴様らを、オラクル全員の見世物にしてくれるわ!!」

 そう言うと、ヨミは右手を振り上げる。次の瞬間、ヒナタは、体が上に押し上げられるような感覚を覚えた。急上昇。

「う、うわああああああああああああああああああああああああ!!」

 ヒナタは、只々絶叫するしかなかった。






「・・・・・・ここは・・・・・・!」

「ヒナタ!起きて!」

 揺すり起こされる。何者かに。気付けば、牢屋の中。暗い暗い、じめじめとした。見上げれば、コトハの顔。

「コトハ!!」
「良かったぁ・・・・・・!起きないから、心配したんだよ?」

 しかし、この中からどう、脱出しろと。

「やばいっちゃ!特殊な結界で出られんっちゃ!!」
「何だとォ!?」

 ヒナタは声を上げる。嵌められたのだ。あの、ヨミに。

「クッソオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 大声を上げる。しかし、それは無情にも木霊するだけだった。

「このままじゃ・・・・・・このままじゃ!!誰も守れねえよ!また、あんときみたいに・・・・・・!!」

 
「気負う必要なんか無いわ。」
 

 え?

 ヒナタは、コトハを見上げる。

「だって、アタシ達は信じてるんだよ?ヒナタになら、ヨミの野望を阻止できるって。レンも助けられるはずだよ!」
「そーだよ!あたしも、信じてるよ!」

 オーロラも、口々に言う。ヒナタを励ますように。

「コトハ・・・・・・。」

 その言葉で、元気が出た。カードを握り締める。

「こいつなら。《Guy-R》になら、なんとかできるかもしれねえ!っと、その前に・・・・・・。」

 ヒナタは、デッキを組み始めた。最終決戦に備え。そして、鉄格子の前に立ち、目を閉じる。そして、強く祈った。仲間たちの顔が、浮かぶ。次の瞬間、1つの光弾が牢屋を突き破った。

「や、やったぞ!!」

「コラ!そこ、何をしているか!!」

 しまった。守衛に見つかったか。しかし、コトハは、ヒナタを突き飛ばす。

「早く、ヒナタ!!アタシに構わず!!ヨミは言ってた!人類滅亡が目的だって!!ヴァルハラ・ゴッドにある要塞砲で、世界を消し炭にしてやるって部下と話してた!!」
「分かった!!ぜってー、生きて帰ってくる!!」

 オーロラも、ドラポンに向かって叫ぶ。

「絶対、生きて帰ってこないと、許さないんだから!!」
「誰に向かって、ゆーとるんじゃ!おだんは、エグザイル・クリーチャーのドラポンっちゃ!絶対、絶対帰ってくる!おんしゃーらを助けに帰ってくる!!」

 こうして、ヒナタとドラポン、2人の最後の戦いが始まった。






「来たか。」

 ヨミは、悪びれた様子もみせず、ヒナタに言った。ヒナタとドラポンの身体状況は、お世辞にも良いとは言えず、肩で息をしている。迫るクリーチャーを、全て倒してきたからだ。しかし、それでも腹から叫んでみせた。

「ヨミ!!人類消滅が目的って、ホントなのか!!」
「話が早いことだ。私が人類を消したい理由はただ一つ。クリーチャーの楽園を想像すること。その為に、人間は不必要!!」
「共存って考えは無いのか!!」
「人間は、不要。それだけでは、不満か?」

 これ以上の問答は無用。とばかりに、2人ともデッキを用意する。同時に、ヨミが

「アレを用意しろ。」

 と部下に囁いた。すると、2枚のカードがヨミのデッキに入り込む。

「ふふふ・・・・・・!これで、完璧だ。行くぞ。」

「「デュエマ・スタート!!」」





 その頃、地上では大量のクリーチャーによって、全世界が危機に瀕していた。
 X国、首脳官邸。X国の大統領、ブッチーニは、全世界を映し出すモニターを見て、ため息をつく。

「くっ、これほどの怪物が、世界を・・・・・・!!やはり、戦争しかないのか・・・・・・!大量破壊兵器を使うしか・・・・・・!」
「大統領!!武闘から、テレビ電話です!」

 急いで、その画面に向かう大統領。そこには、フジの姿が移されていた。
 
『久しいですね。大統領。』
「うむ。」
『兵器を使う必要はありませんよ。』

 ------------------------もうじき、ださいグラサンの少年が、世界を救うんですから。