二次創作小説(紙ほか)

エクストラターン2:竜神王 ( No.254 )
日時: 2014/02/16 20:11
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「バカな……何なんだこの龍は!!」

 レンは思わず叫んだ。竜の姿は、デュエル・マスターズのクリーチャーとしては異質で、東洋のものに近かった。漆黒の鎧に全身を包み、額には宝玉が埋め込まれている。見れば、龍は白目をむいており不気味だった。
 紫色の体で、牙が口から突き出ており、蛇といった容姿だ。
 その巨大な体に誰かが乗っているのが見えた。

「ハハハハハハハハ!」

 現れたのは、鬼のような風貌の男だった。紅いマントを羽織っている。そして、鉄器面を顔に被っており黒い肌に金色の目が特徴的だった。

「お前は……!」
「俺様の名は最強のオラクリオン、《神聖鬼 デトロイト・テクノ》様だ! 俺様が来たのは、貴様らポンコツアウトレイジを滅すためだ! この、《ムシュフシュ》でな!」
「はぁ? 《ムシュフシュ》? 何抜かしてんだハゲ」
「ハゲ!? 仮にもオラクリオンの俺様にハゲって言った!? 確かにアニメでは噛ませだったよ!? だけど、俺は現にこうして」
「メタ発言するなバカ。それよか、何だそいつは」
「ハハハ、こいつはな……」

 そういうと、龍の頭を足蹴にして見せた。

「竜神王だッ!!」
「はぁ?」
「フハハ……! 龍でありながら、神の力を受け継ぐ最強の力を持った王だ!! 我ら、真・オラクル教団の最大の戦力よ! 洗脳するには手間がかかったがな! さあ、行け! 《ムシュフシュ》よ!!」

 次の瞬間、鎖が解き放たれた音がした。ジャリジャリとした金属音が響き渡る。そして-----------デトロイト・テクノの体にとぐろを巻いた。

「はっ!?」

「今まで、散々コケにしてくれたな、オラクルめ……!」

 グギギギと音が響いた。デトロイトの体にヒビが入る音がした。

「い、痛たたたたた!! なぜだ!? 洗脳は!?」
「演技に決まっているだろう!!」

 シュルル……と長い舌を巻く音がした。デトロイトの体がムシュフシュの口に近づいていくのが分かった。

「ぐ、ぐぎゃあああああああ!!」

 ポイッと放り込まれ、後には何も残らなかった。やはり、噛ませ役には変わりなかったようだった。

「我々を愚弄するからこうなるのだ……!!」
「く、食っちまった……!!」

 ムシュフシュは、レン達の方を向くと、その禍々しい目を向けた。


「此処に宣言する。わが名は《毒牙の竜神王 サーペント・ムシュフシュ》。我ら竜神王は貴様ら人間に宣戦布告をする、とな」

 そして、瞬きする間に回りに居たオラクリオン達が全滅したのが見えた。

 ***

 アシッドとヒナタのデュエル。現在、互いのシールドは5枚。まだまだ此処からだ。

「いっくぜぇ……。 《アクア・エヴォリューター》を進化! 現れよ、超電脳のスーパーヒーロー! 《超閃機ジャバジャック》!」

超閃機ジャバジャック SR 水文明 (4)
進化クリーチャー:リキッド・ピープル閃 6000
進化—自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを4枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を2枚、好きな順序で山札の一番下に置く。
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2枚ブレイクする) 

 《海底鬼面城》を要塞化させているおかげで、このターンだけで最初のドローを含んで2枚引いている。
 そして現れたのは、ヒーローのような姿をした水棲人。正義を司る電脳の使者は、より”操作”に特化させた能力を開花させた。
 つまり、《ジャバジャック》の効果はカードを4枚引いて2枚を山札の一番下に置くというもの。
 水の進化クリーチャーのコストを下げる《エヴォリューター》を進化元にすることで、早3ターン目に打点2の中型クリーチャーを召喚できた。

「手札を4枚ゲット、そして2枚を山札の一番下へ。《ジャバジャック》でW・ブレイク!」

 大量に引きまくって、もう手札の心配はない。

「ターンエンドだ」
『我輩のターン、《ライフプラン・チャージャー》を使うのであーる。そして、《神聖斬 アシッド》を我輩の手札に加えるのであーる。そして、チャージャー効果でマナへ送るであーる。ターンエンドであーる』

 まだ形成を整えているだけのアシッド。しかし、構わずヒナタは攻めにかかる。

「攻めなきゃ勝てねえよ。俺のターン! 《鬼面城》の効果でもう一枚引いて、《ニンプウ・タイフーン》を使うぜ。そして、手札4枚全部を俺の山札の下へ、そして持っていた手札よりも一枚多く引く」

 来た。新たなる鼓動が。ほら、無法者の新たな鼓動が聞こえる。
 友人の進化した切札が。

「行くぞ、ナナ!! このターン、合計6枚引いたからグラビティ・ゼロ発動!」

 今は亡き幼馴染の名を呼びカードの一枚が光り輝く。

「無法者の鼓動を聞け。巻き上がる炎、渦巻く水流! マッハ億万の轟く速さを目にせよ! 《天災超邪 クロスファイア2nd》!!」

天災超邪(ビリオネア) クロスファイア 2nd(セカンド) R 水/火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
G・ゼロ - このターン、カードを6枚以上引いていて、自分の 《天災超邪 クロスファイア 2nd》がバトルゾーンになければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
スピードアタッカー
W・ブレイカー

 一気に攻める。《2nd》は最初のドローを含めて6枚以上引いたターン、グラビティ・ゼロでタダ召喚が可能となるのだ。

「《クロスファイア2nd》でW・ブレイク!!」

 シールドが二枚割られる。しかし。

『S・トリガー発動であーる! 《フェアリー・ライフ》でマナを加速するであーる』
「まだまだぁー!! 《ジャバジャック》でW・ブレイクだ!」

 シールドが叩き割られる。しかし、アシッドのマナは既に4。そして、次のターンに5となる。

『我輩のターンであーる! 《戦慄のプレリュード》を使って、《神聖斬 アシッド》を召喚であーる!』

 まずい。アンタッチャブル持ちのブロッカーが現れる。しかし、他にクリーチャーが居ない以上……。

「俺のターン、《アクア・エヴォリューター》を召喚して進化! 《金属器の精霊 カーリ・ガネージャー》へ」

 ここで、勝負がほぼ決まった。

「《ガネージャー》で最後のシールドをブレ……」

 次の瞬間だった。アシッドに何かが突き刺さる。しっかりと貫通したのが見えた。


 ------消えろ、邪悪なオラクルの糞犬め

『ア、ガガガ……!!』

 次の瞬間、アシッドの体が爆ぜて消えた。
 その跡には、龍の影があった。
 しかし、唯の龍のものではない。

「な、何だよお前……!!」

 次の瞬間、龍は激しい咆哮を上げた。
 まるで、心をえぐられるかのような衝撃に身を焼かれた。


「我が名は《処刑の竜神王 サンロマン・ガルグイユ》。世界の頂点に立つものなり!! 」