二次創作小説(紙ほか)
- エクストラターン7:ケリを付けろ ( No.265 )
- 日時: 2014/02/22 15:54
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「こいつッ……!」
バラモンは、悔しそうに見上げるようにして目前の夷敵をにらみつけた。
憎きエグザイル。遠き昔、イズモによって一度は手に入れたはずの《ブリティッシュ》の力は、もう手の届かない場所にあるというのか。
神(シェン)豚(トン)槍(ギヌス) ブリティッシュROCK(ロック) R 無色 (7)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX/オラクル 6000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。その後、自分の墓地にあるカードの枚数よりコストが小さい相手のクリーチャーを1体、破壊する。
W・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《神》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《神》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「足掻くなよ? 《ブリティッシュ》でW・ブレイク。そしてアタックチャンス・《トンギヌスの槍》!!」
トンギヌスの槍 R 無色 (6)
呪文
アタック・チャンス−名前に《神(シェン)》を持つクリーチャー(自分の名前に《神(シェン)》を持つクリーチャーが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
相手のカードを1枚、バトルゾーン、マナゾーン、またはシールドゾーンから選ぶ。バトルゾーンに自分の 《神聖牙 UK パンク》があれば、かわりにそれぞれのゾーンから1枚ずつ選ぶ。相手はその選んだカードを自身の山札の一番下に好きな順序で置く。
アタック・チャンス呪文、《トンギヌスの槍》。それは、ゼロ文明が得意とするデッキバウンスを行うもの。手にすれば世界を手に入れるこの槍の威力は、半端では無い。
《ブリティッシュ》が振りかぶって、槍を一気に投げる。
それは《バラモン》の体を貫いた。
同時に、バラモンのシールドを吹っ飛ばす。
「とは言ったものの、このターンでは決められないな。ターン終了」
「ぐっ、くそォ……私は、オラクルのマントラ教皇、バラモン様だぞォ!! この程度で負けてたまるものかァー!! 私のターン、貴様の出番だ!」
何が出てくるか、全く読めない。しかし、バラモンのマナは光、火、そして闇。まさかとは思ったが、悪寒がする。
光と闇が含まれた9マナがタップされた。
そして瞬間、魔法陣が現れた。
「《カリーナ》を進化元に、最終鬼畜兵器《破獄のマントラ ゾロ・ア・スター》よ、現れよ!!」
破獄のマントラ ゾロ・ア・スター SR 光/闇文明 (9)
進化クリーチャー:オラクリオン/オラクル 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化ー自分のオラクル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーはバトルゾーンにある自身の、ゴッド、オラクリオン、オラクル以外のクリーチャーをすべて、好きな順序で山札の一番下に置く。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
「オイ待て、最終鬼畜……なんて!?」
「《ゾロ・ア・スター》の効果で、オラクル、オラクリオン、ゴッド・ノヴァ以外に対し、デッキバウンスを行う!!」
現れたのは、最早人でも神でもない存在と成ってしまった策士、《ゾロスター》。
それは、同類以外の存在さえも許さない。純粋なる破壊の権化。
『ワ…タシコソガ……カミダ…』
次の瞬間、場の《ゾロ・ア・スター》以外のカードが全て吹っ飛んだ。
「な、何が起こった!?」
「簡単な話だ……! こいつは、神以外の存在を許さない。これで、貴様の場は更地に……」
「そいつぁ、良かった……悪いが、貴様の目は節穴以下か!」
居た。
確かに、そこに居た。
「《ブリティッシュROCK》!! しまった、奴はオラクル……だが、私のシールドはまだ残っている!! それにこのターン、貴様のシールドを全て吹っ飛ばした後、《シラヌイ》と《ダイダラ》のいづれかでダイレクトアタックすれば勝てる!」
「確かにな」
「《ゾロ・ア・スター》でT・ブレイク!!」
全て、割られた。残りの3枚のシールド全部が。しかし、それでも尚レンは笑っていた。
そう、勝利を確信したように。
「お前に、それだけの時間が残されていれば良いがな……! S・トリガー《クリスタル・メモリー》で山札から《スミス・デコード》を回収。そして、《終末の時計 ザ・クロック》を召喚して、ターンを強制終了させる!」
「くっ、ば、馬鹿な!!」
「僕のターン。《戦慄のプレリュード》で《スミス・デコード》をマナ進化させる」
再び現れたスミス。強力な腕を開放し、今にも食いかからない勢いだ。
「《スミス・デコード》での攻撃時能力で、マナから呪文を回収する。そして、《黄泉秘伝 トリプル・ゼロ》を《スミス・デコード》の効果で唱える。フッ、またシールド・手札・マナが増えた。最後のシールドをブレイク!!」
もうバラモンには自分を護るべきものが存在しない。ただただ、自分の運命を受け入れるしかない。破滅という名の戦慄と共に。
「ケリを付けろ--《神豚槍 ブリティッシュROCK》でダイレクトアタック!!」
ああ、そうだ。
骨一つ残すんじゃないぞ。
どうせ殺られるなら、せめて楽に葬ってくれ……。
しかし、容赦なく迫る槍は苦痛をバラモンに与えた。
嗚呼、やはり死ぬのは辛い……。
***
「ふっ、私が負けるとはな……!!」
呟くと同時に体が光の粒子となって消えていくバラモン。
「これで、お終いだ。貴様の迷惑な置き土産のせいで、僕たちはもっと苦労しそうだがな」
「……そのようだな。貴様らに、竜神王を止めることが出来るか?」
「止めてやるさ」
「なら、精々死なないよう気をつけろ」
レンの言葉を聞いて苦笑いして返したバラモンの体は、その後消えてなくなった。空間の消滅と同時に。
シオとコトハが駆け寄ってくる。
「大丈夫でしたか、先輩」
「何とか倒した。それより、コレ返して置く」
ヒュッとカードが投げられると、シオの手に渡った。《ブータン》のカードはしっかりと元のカラーに戻ったのが分かった。
「ありがとうな。こいつが居なければ勝てなかった」
「礼には及ばないです」
「とにかく、武闘先輩のところに行こう、飛んだ時間を食っちゃったけどね」