二次創作小説(紙ほか)
- エクストラターン10:決死の特攻 ( No.268 )
- 日時: 2014/03/02 12:21
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
***
(《ドラポン》がヒナタ君の元に居ない今、僕が竜神王を倒すしかないんだ!!)
階段を駆け上がり、屋上に辿りついたリョウ。そしてついに、敵を一点に見据えた。
(居た!)
醜悪な外見の竜神王が、こちらに目を向けた。ゴポゴポとゴルニッヒの口から泡が立つ。しかし、恐れず足を踏み込んだ。
「竜神王だな!!」
「ゴポッ……おでの事を呼んだだべがぁ?」
濁った様な声。滑舌が悪いうえに低い不気味な声が響く。脳に直接訴えかけてくるということは、テレパシー等の類か。
「容赦しないぞ、決闘空間開放ッ!」
***
「大変だ! 海戸中央病院の屋上で、リョウがゴルニッヒ一体に対して決闘空間を開放した!!」
テツヤがパソコンに向かって叫ぶ。
「はぁ!? 何考えてやがるんだアイツは!!」
あらゆる参考書籍を漁っていたフジは怒鳴った。顔は、緊張で引きつってさえも居た。
「大変ですよぉ!!」
今度はコトハだ。
「今度、新しいパックのE1第三章、『ガイアール・ビクトリー』が発売されるそうです!!」
「バカたれがぁ!! 海戸(ウチ)は街全域のデュエリストを対象に、ワザワザ二年後発売予定のパックが超先行発売されてるんだぞ!? 一般発売のそれに今更目を輝かせてどーする!?」
海戸ニュータウンは、現在世界のデュエマ事情の一切を取り仕切っている、【世界決闘連盟】によって2年後のパック-----------つまり、E3のパックが先行発売されているのだ。
その目的は、直接デュエリスト達の手に渡すことで効果の強弱を確かめる為-------------そして、何より鎧竜の生徒の質を更に高めるため。 デュエマの世界大会が行われるようになった今日、世界の国々はまるで五輪の如く決闘者をこの世界大会に送り込んだのだ。
何故ならば、現代のこの世では、”デュエマのステータス”=”知能のステータス”とまで位置づけられるようになったからだ。
だからこそ、日本は主催国としても勝とうとした。
開発中のカードを先行発売することで、公式戦にはそのカードが使用できなくても、より多彩な戦略を考えられるデュエリストを育成しようとしたのだ。
しかし、そんなことは今どうだっていい。
まずは、リョウの安否だ。
「おだん、ヒナタのトコに行ってくるっちゃ!!」
ドラポンが真っ先に窓から飛び立っていった。
***
ゴルニッヒとリョウのデュエル。現在、リョウのシールドは1枚。事前に《プライマル・スクリーム》で墓地にカードを落としている。一方のゴルニッヒはシールド3枚。
リョウの場には《凄い守護 ヴェルネライト》に《焔の下の力持ち ワーゲン》。一方のゴルニッヒの場には《電脳封魔メルゲイナー》に《腐敗電脳ディス・メルニア》の2体だ。そして、シールドには要塞化された《裁きの城 キングオブ・ラグーン》があった。
「展開力では、まだ負けていない! 《アレキサンドライト》を召喚! 効果で《パラノーマル》をシールド・ゴー!」
次の瞬間、ゴルニッヒを囲んでいたクリーチャーが吹っ飛んだ。
「んがぁ?」
「《パラノーマル》の効果で、お前のクリーチャーのパワーを−3000だ! 皆破壊したよ!」
凄惨なる牙(タスク・プロデュース) パラノーマル R 闇文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 7000
W・ブレイカー
シールド・ゴー
このカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは-3000される。
「ターンエンド」
下手に殴っても仕方が無い。この手のデッキは、一気にシールドを増やして息切れしたところを掻っ攫うのが一番である。
「おでのターン、《ラグーン》の効果で、《ヤミノサザン》を捨でで、《奇怪の竜神王 ツメイ・ゴルニッヒ》を手札に加えるべええ!! そして、おでをバトルゾーンに召喚だべぇー!!」
『んばあああああああ!!』
口から飛まつを下品に撒き散らし、奇怪の竜神王は召喚された。
「ターンエンドだべぇー!!」
結局何もしなかったが、怪しい。
「僕のターン、ドロー!」
リョウが引いたのは、《守護大帝 ストーンゴルド》だった。
「来たぞ、《ヴェルネライト》を《ストーンゴルド》へ進化!! 効果で墓地から《守護すぎる守護 鋼鉄》をシールド・ゴー!」
守護すぎる守護(ウルトラ・ディフェンス) 鋼鉄 R 光文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
シールド・ゴー
このカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「シールド・セイバー」を得る。
現れたのは、シールド・ゴーと、自身がシールドゾーンで表向きで存在する限り自分のクリーチャー全てにシールド・セイバーを付加する能力を持つアウトレイジ。
しかも、「守護すぎる守護」の二つ名は伊達ではなく、ブロッカーとシールド・ゴーにシールド・セイバー付加と、守りに関する能力を三つも併せ持っている。
シールド・セイバーを得たシールド・ゴークリーチャーはかなり厄介な存在であり、相手は破壊以外の手段でシールド・ゴー持ちを除去しない限りシールドを減らすことは困難となる。
「《ストーンゴルド》と《アレキサンドライト》で残りのシールドをブレイク!!」
しかし。
「S・トリガー発動……!! 《アクア・サーファー》で《アレキサンドライト》をバウンスだべぇ!! そして、《オラクルDJ》でクリーチャーを全員タップするべえ!!」
オラクルDJ(ドリーム・ジュエル) P 光文明 (5)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。
ターンの終わりに、バトルゾーンにある自分のゴッドをすべてアンタップする。
「ッ!!」
「まだだべぇ!! おでのターン、《冥府の覇者ガジラビュート》を召喚して《鋼鉄》をシールドから墓地へ送るべえ!!」
シールド・セイバーで防げるのはブレイクのみなので、《冥府の覇者ガジラビュート》のような効果を防ぐ事はできない。
しかし、途端に《ガジラビュート》は破壊された。
と、そのときだ。
「更に墓地進化で《死神竜凰ドルゲドス》を召喚!おででシールドをブレイクだべえ!! マナのカードを3つタップすれば、ドラゴン・ブレス:レベル3で墓地のカードを3枚戻せば単色のカードを破壊だべえ!!」
単色のカード-------------つまり、シールドに残った《パラノーマル》が狙われた。
破壊され、砕かれる。
「《ドルゲドス》でダイレクトアタックだべええ!!」
一閃、それがリョウを貫いた。
同時に、奇怪の竜神王の拳が迫る。
己が拳で粛清をしようというのか------------------------。
ただただ、リョウはそれを受けるしかなかった。
