二次創作小説(紙ほか)
- エクストラターン11:デッド・オア・デッド ( No.280 )
- 日時: 2014/03/08 05:43
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
何だ、この感覚は。自分が痛みを感じる前に、拳がねじ込まれていくのが分かる。そして、自分の体のあらゆる組織が分解されていくのが分かる。
この時、リョウは直感した。
------------これが「死」か。
と。
もう、何も怖くなかった。
***
「くそっ、リョウのヤツどこに行った!?」
急いで非常階段を駆け上がるヒナタ。勅勘だったが、何故か屋上に上がってた。ゴルニッヒに挑みにいたのならば、そこしかない。
次の瞬間、ヒナタの目に飛び込んできたのは--------------------------------血だった。
「ッ!?」
一瞬、自分の目を疑った。だが、その先には変わり果てた友人の姿------------------まさに、リョウの姿があった。
目は閉じ、腹部から大量に出血している。
「嘘だろ?」
何故、自分が付いていながらこんなことが起こったのか。だが、まだ彼が死んだわけではないと思い直し、すぐに駆け寄る。
良かった、僅かに息はしている。
と、その時だった。巨大な手が伸びてリョウの体を掴む。
その腕の先には---------------醜悪な外見の龍神王。
「ゴル……ニッヒ?」
「んばぁ……いだたきまぁーす」
***
「嘘ッ!! リョウ!?」
コトハは画面を凝視するように見つめた。友人が今、最大の危機に瀕していた。
しかし、フジは迷わず叫ぶ。
「お前らぁー!! 見るなァー!!」
***
ひょいっとリョウの体が宙を舞って、ゴルニッヒの大きな口の中へと消えていった。バクン、と大きな口が閉じて真っ赤な鮮血が歯と歯のすきまから吹き出る。
ありえない。
人知を逸した光景に、ヒナタは呆気に取られていた。
ここでヒナタは理解した。
理解こそしたくなかったが。
茅山リョウは死んだのだと。
実感の無い怒りが、こみ上げてくる。
全てに対しての悲しみ、怒り、それらが混ざった混沌とした感情をヒナタの心を覆い尽くした。
「竜神王ォォォォォォォッー!!!!!!!」
ならばこの感情は何処に向ければいいのか。
答えは簡単だ。
友を葬った、クソ野郎だ。
「ヒナタァー!!」
直後、ドラポンが飛んでくるのが見えた。多分、彼はこのことを知らないだろう。
「ドラポン、デッキに入れ」
静かに、だが怒気の篭った声でヒナタは言った。
許さない。
許してたまるものか。
この龍が友人にやったことをそのまま返してやる。
楽には絶対死なせてたまるものか。
涙より先に、怒りが出てくる。
まだ、実感が無いせいか、ヒナタは自分でも引くほど冷静だった。
「竜神王、ぶっ殺してやるよ」
「んばぁ? 挑んできたのはその人間だ、おでが自分から手ェ出した訳じゃないべぇ。それにしても、人間って旨いべぇ」
「んなことは、どうでも良いってんだ!!」
サングラスを掛ける。全てが彎曲した感情に任される。それでも、ヒナタは目の前に居る竜神王を倒さなければならないのだ。
「引っ込んでろ、オメーは」
次の瞬間。ヒョイッと影が降りた。
零皇崎封李だ。背後にはカツドンの姿。彼の能力で飛んできたのか。
ヒナタは振るう怒りを封李に向けて怒鳴る。
最早。正気ではない。
「邪魔すんじゃねえよ!! こいつは俺が倒------------------」
「俺が俺が言ってるうちは、まだ甘ちゃんだって、知らないのか?」
封李は掴みかかるヒナタに冷たい眼差しを向ける。
「俺はそういう甘ちゃんがだいッ嫌いなんだよ!!」
刹那。ヒナタは怒りで我を忘れ、自分が何をされたのかも分からなかった。
しかし。
封李の拳が自分の頬をしっかりと捉え、体が回転しコンクリートの地面へ叩きつけられたことは瞬間、自分のババロアヘッドでも分かった。
しかし。それまで、全く何が起こったかわからないまま-----------------------ヒナタは意識を闇に落とした。
***
「安心しな。ババロアブレインの後輩の代わりに、俺がお前をぶちのめしてやるよ竜神王」
『んばぁ……お腹がすいたべぇー!! 《奇怪の竜神王 ツメイ・ゴルニッヒ》を召喚だべぇー!!』
封李の前に立ち塞がるのは、奇怪の竜神王。しかし。彼はそれに動じることは無い。
「俺のターン! 《超法 カツドンGO!》を召喚!!」
超(ビクト)法(レイジ) カツドンGO(ゴー)! UC 火文明 (5)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 4000
相手がバトルゾーンにクリーチャーを出した時、このクリーチャーがタップされていれば、その2体をバトルさせる。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《超法》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《超法》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
現れたのは、カツドンのレイジクリスタルを得た新たなる姿。無法の超越者となる日はまだ遠い。
効果により、自身がタップされているときに相手がクリーチャーを出すと強制バトルで自身を破壊してドロン・ゴーが出来るのである。
『それがどうしたべぇ! おでのターン、G・ゼロで《護身のインガ イヌハッカ》召喚だべぇー!!』
護神のインガ イヌハッカ C 光/闇文明 (3)
クリーチャー:オラクル 5500
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
G・ゼロ−バトルゾーンに自分のゴッドがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
このクリーチャーはバトルに勝っても、バトルの後、破壊される。
『さらに、ゴルニッヒで攻撃だべ!!』
奇怪の竜神王 ツメイ・ゴルニッヒ 水文明 (4)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ゴッド 4000+
G・リンク《漆黒の竜神王 アングバッド・アンカラゴン》の左横、《毒牙の竜神王 サーペント・ムシュフシュ》の上側。
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、手札を全て捨てても良い。そうした場合、墓地からコスト3以下のゴッドをバトルゾーンに出す。
竜神王の吐息(ドラゴン・ブレス)-《裁きの都 キングオブ・ラグーン》が要塞化されているとき、以下のD効果を使ってもよい。
Dレベル3:このクリーチャーが攻撃するとき、マナゾーンのカードを3枚タップし、墓地のカードを3枚山札の一番下に好きな順で置いてもよい。そうした場合、バトルゾーン以外の単色カードを1枚破壊する。
毒々しい悪臭と同時に、紫色の炎がシールドを焼く。そして、放たれた息からは封李のマナゾーンにあった《ナチュラル・トラップ》を破壊した。
「ちっ、バトルゾーン以外の単色カードをアタックトリガーで焼く能力……!?」
しかし、封李には勝機があった。瞳は今、自身で満ちている。だが、同時に後輩を殺された怒りも混ざっていた。