二次創作小説(紙ほか)
- 短編4:恐怖、学園七不思議!?(2) ( No.283 )
- 日時: 2014/03/10 22:34
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「ねー、ドラポーン。今日のデートキャンセルになっちゃったけど、代わりにここを今日のデート場所にしない?」
「それはええアイディアっちゃ!」
後ろでリア獣共が騒いでいるのが聞こえる。スミスは最早空気と化していた。そして夜の学校とはいえ、どこにリア充が潜んでイチャイチャしているか分かったものではない。
「てわけで、リア充殲滅戦線と行こうか」
「いや、目的変わってるでしょアンタ」
「わりーわりー。ところで、色々調べたんだけど」
そういうとヒナタはやたら翳った顔で話し始めた。
***
-------------1つ目-------------教室から聞こえるラップ音。
体験者、当時の1−Eの生徒。Mさん(女子)の証言。夜、忘れ物をとりに帰ったら、ラップ音が聞こえてそのまま逃げ帰った。
***
「短ッ! 超短ッ! だけど、怖いかも……」
「ラップ音ってあれだろ? チェケラッチョ、チェケラッチョ、チェケチェケラッチョのあれだろ?」
「ベタすぎて最早突っ込む気すら起きなかったわ!! てかアレよね!? 今の地味に、私達の教室-----------------」
ちなみに、ラップ音とは音自体は、指を鳴らすような音、関節を鳴らす音、棒切れを折るような音、ドアをノックする音、足音、木造家屋がきしむ音など、人によって表現も異なるが、各ケースによっても異なるものである。
というわけで、呆れるほど入った自分達の教室に入るヒナタ達。忘れ物を取りに来たという建前で用務員さんから鍵を取りに行ったら怒られたので、ヒナタはこの時のために心得てきた技術、ピッキングを試みた。
「勉強に使いなさいよ、その頭!」
「うるせー、うるせー、でも別に何も聞こえないぜ」
というわけだ。ぶっちゃけ、でたらめだったのだろう。というわけで、針金を鍵穴に差し込もうとした時だった。
チェケチェケラ、チェーケチェケラ、オレサマ、イカサマ、大歓迎、デュエルで無敗の俺様無敵、誰が相手でも屈しない、チェケチェケラッ、チェーケチェケラッ、YO,YO,YO,YO,YO,YO……。
------------と、まんまその通りラップ音が流れてきた。確認するまでも無く。
ヒナタは針金を仕舞うと一歩下がった。
そして、コトハと顔を見合わせる。
そして------------------
『ほわちゃあああああああああああ!!!!』
ガッシャアアアンと音が響いて、ドロップキックを横開きの戸に噛ます2人。同時に、戸がぶっ壊れて倒れた。
そしてそこには-------------------クリーチャーだ。黒い龍だ。トゲに覆われた。《黒神龍 オドル・ニードル》がフンフンフンと軽妙なリズムでラップを刻んでいた。
「何でテメーがおるんじゃああああ!!!」
教団の力によるものではないだろう。ならば、原因究明のためにもここは1つ。
「決闘空間開放!!」
***
ヒナタとオドル・ニードルのデュエル。現在、オドル・ニードルの場には《エコ・アイニー》にブロッカー《ドリリング・イヤリング》の2体が居た。一方、ヒナタは《ドラポン》に《トップギア》。
シールドは、まだ互いに5枚だが-------------
「《ドラポン》でシールドブレイク! 効果で《コッコ・ルピア》を破壊!」
「ヨーヨー、てめえのクリーチャー、超貧弱。マジで凡庸、お蔵要。ブロック、ブロック、《イヤリング》!」
ラップがうざい。ラップに嫌悪を特別抱くヒナタではなかったが、目の前にいるのがクリーチャーでしかもデュエマの相手ならば尚更。
《イヤリング》がタップされて、シールドを《ドラポン》の攻撃から護る。しかし。同時に破壊されてしまった。
しかも、ヒナタにはまだ、この程度では動じない。
「交差する魂、それを受け継ぐ者-------------エグザイル! 新たな姿は勝利を呼ぶ! 《弐超拳銃 ドラゴ・リボルバー》!」
『デートの予定はパーになったが、てめーをぶっ飛ばして憂さ晴らしだ!』
さらに、《トップギア》でシールドを破るヒナタ。
とんだ迷惑者のオドル・ニードル。しかし、激情したのかしてないのか、お得意のラップで返す。
「とんだ迷惑、くそ害悪。1年E組は俺の聖域、クールなラッパー、俺は超粋、トリガー超動、俺様好調、《オドル・ニードル》召喚、チェケラっ!」
黒神龍オドル・ニードル P 闇文明 (6)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 5000
S・トリガー
バトルゾーンに出す時、このクリーチャーはタップして置く。
相手の攻撃クリーチャーは、可能であればこのクリーチャーを攻撃する。
このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、このクリーチャーと相手のクリーチャーを破壊する。
現れたのは、S・トリガーによって現れた黒い死龍。しかも、スレイヤーと逆スレイヤー持ちの困ったさんだ。タップして置かれる上に、相手は攻撃の時、こいつに対象を定められる。
「害悪なのは、てめーの能力だろうが!!」
『1年E組はてめーの墓場、俺はリア獣、これからデート、非リアのお前に用は無い』
ドラゴ・リボルバーも悪乗りして喧嘩を吹っかけた。
「お前もラップに便乗すなっ! ついでに今お前、全国の非リア(作者含む)に敵回したからね、ドラゴ・リボルバー!」
「俺様、激情、滅茶苦茶非情。テメーら全員叩きのめす。合コン行って彼女をGET、ついでにテメーらの命もGET、俺の手番、《ショパン》を召喚、意気揚々、俺常勝」
王龍ショパン P 自然文明 (8)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン 6000
バトルゾーンに自分のドラゴンがある時、このクリーチャーは「S・トリガー」を得る。
ガードマン
このクリーチャーは相手プレイヤーを攻撃できない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、このクリーチャーとバトルさせてもよい。
あからさまに怒らせたのか、コンボが完成してしまった。《オドル・ニードル》を殴りに行くクリーチャーを《ショパン》で返り討ちにする、というもの。少なくとも、攻撃2回からシールドは護れる。
「くっ、だけど大したことねーなぁ!!」
「《ショパン》の効果は華麗に発動、《トップギア》と《ショパン》を強制バトル、俺の役職結局パシリ、だけどラップは世界一」
次の瞬間、《トップギア》は《ショパン》に踏み潰された。
アメコミのようにペシャンコになった《トップギア》はすぐさま赤い光になって消える。
「ッ!」
「《オドル・ニードル》でアタック、チェケラ!」
シールドが破壊された。しかし--------------この程度のコンボでヒナタに勝とうなど、高が知れていたのだ。
「S・トリガー、《秘拳カツドン破》で《クロムウェル》と《オドル・ニードル》を強制バトル!」
「ガードマン発動、やっぱ快調、俺はルームセキュリティー、《ショパン》でガード、そっちだけ破壊」
確かに、パワー差で低い《クロムウェル》は破壊された。しかし。
「シールド・ゴー! 何もアウトレイジは、ドロン・ゴーだけ使うんじゃないんだぜ! 俺のターン、《全力艦長 イカリ》で《ニードル》をバウンス。んでもって--------------《イカリ》で《ショパン》に突撃、シールド・ゴー!」
《イカリ》は破壊されたが、そのままシールドへ。
「結局、お前はシールド増やし、負けるの怖い、チキンプレー」
「ヤレヤレ、そう思うんだったら、黙ってみてな!!」
ヒナタがシールドを増やしたのは、このためではない。《イカリ》のシールド・ゴー時の効果で、手札を増やすためでもあったのだ。
「《ドラゴ・リボルバー》でシールドをW・ブレイク。効果で、パワー6000の《ショパン》を倒す!」
『おらぁっ!! くらいやがれぇー!! さらに、《イカリ》の効果発動、味方の攻撃時に手札を増やしてくれる!!』
手札が1枚、ヒナタに入った。
「ぐああっ! 手札増えたのは俺とて同じ、しかも俺は2枚も増加、俺の勝率さらに増加、俺のターンに《ハカイシ・ハカイ》、墓地進化GVでチェケラッチョ!!」
超神龍ハカイシ・ハカイ P 闇文明 (6)
進化クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/ハンター 12000
墓地進化GV−ドラゴン・ゾンビを3体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。
T・ブレイカー
現れたのは、闇夜に屍を喰らって現れる死龍。進化クリーチャーだから召喚酔いせずに三打点を放つことができる、ドラゴン・ゾンビの切札だが、別に特殊な効果を持つわけではないので準バニラ同然である。
しかし、やはり三打点は脅威だ。
「《ハカイシ・ハカイ》で《リボルバー》を破壊、ついでにお前のメンタルも破壊、俺様勝利、絶好調!」
「はぁ?」
ヒナタは怪訝そうな顔でオドル・ニードルを見つめた。そしてその後、気だるそうにカードを投げた。
「交差する魂、それを受け継ぐもの--------エグザイル! 新たな姿は勝利を呼ぶ……ったく二回目だよコン畜生、《ドラゴ・リボルバー》を《ドラゴ・リボルバー》へドロン・ゴー!」
さっき、《イカリ》で手札に加えられたのは、まさしくそれだったのだ。
「ふぁ!?」
「大人しくシールドを割っておけば良かったものを、俺のターンだ。新世界の王者よ、ここに来臨せん!! アウトレイジMAX!! 《新世界シューマッハ》を召喚だぜ!」
互いに手札を全て捨てて、5枚引かせる手札交換カード。
「効果で、俺とお前の手札は全て墓地へ。そして5枚を引く-----------------来たぞ!」
相手は今までの戦略を崩されるが、それだけではない。ヒナタには、そんな小細工よりももっと深い意味があるのだ。
「俺の墓地には、クリーチャーが6体以上。G・ゼロでコイツを召喚! 百万超えの超パワー!!束縛する邪魔な輩をすべて!!焼き尽くせ!!《百万超邪 クロスファイア》を召喚!」
ヒナタの周りにクリーチャーが集まってくる。まるで、皆がヒナタを頼ってくるかのように。
「このターン、最初のドローと《シューマッハ》で5枚、合計6枚以上引いたため、こいつもG・ゼロで召喚だ! 無法者の鼓動を聞け。巻き上がる炎、渦巻く水流! マッハ億万の轟く速さを目にせよ! 《天災超邪 クロスファイア2nd》!」
「そんなアホな、こんなにクリーチャ--------」
「一斉攻撃、ダイレクトアタックだ!!」
そのまま、無法者達が飛び掛る。そして----------------オドル・ニードルをボコにしはじめた。
「……何だかなぁ」
その光景を見てヒナタは呟いたのだった。