二次創作小説(紙ほか)

短編4:恐怖、学園七不思議!?(5) ( No.290 )
日時: 2014/03/18 22:42
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「ほーう、ほーう、ほーう? とうとう変体の領域に達してしまったか。《”ペド”タイル・セブ・クロウラー》」
「誰が《アルタイル・セブ・クロウラー》だ!! ……いや、違うんだ……これには色々訳があって……」
「問答無用よバカ野朗。アンタ、美学趣味ナルシストにペド属性追加して変態になるつもりなの《封魔”ペド”ラク》」
「誰が《封魔アドラク》だ!! てか何でもかんでもペドペドうるさいぞ!」

 思わずレンは怒鳴る。そんなペ○ドラーみたくペドペド言われたのではしつこくて仕方がないのだろう。
 あ、今そのネタはまずいか。

「いや、そうじゃなくてな……実はヨミに取り付かれた後、奴はどうやらロリコンという名のペドだったらしいが、どうやらそれが伝染ってしまったらしい」
「いや今回ペドペドうるさいよ。あ、俺もか」
「確かに僕は変体かもしれない。だが、それはロリコンという名の紳士なのであって」
「裏を返せば変体という名のロリコンね」

 ここで、ヒナタ達は今までの自分達の目的を話すことにした。
 学園の七不思議を調べていたら、クリーチャーに遭遇したこと。そして、そのクリーチャーの発生源を突き止めることだった。

「今までに現れたクリーチャーは、《オドル・ニードル》に《フォルテッシモ》……皆ドラゴンだな」
「唯、1つだけ気になるのは、この2体を両方共呼び出せるイザナイがオラクルクリーチャーには存在しねえことだ」
「いや……確かに呼び出せるクリーチャーはいないかもしれない。だが……」

 ”呪文”ならば、ある。この2体のクリーチャーを両方共呼び出せる呪文が。

「まさか……なら、何で……」
「何でもかんでもオラクルと結びつけるのは、はっきり言ってまずかったな。だが、以前。シントさん達は”ゼニス”のカードと戦い、カードを手に入れたといっていた」
「ん、んじゃあ、まさかっ!!」

 ***

 -----------我の名はガーリック。二度の死亡フラグを掻い潜り、とうとう短編への進出を果たしたオラクルクリーチャーだ。
 そして今、私は最凶のドラゴンを復活させようとしていた。”運命”の呪文の使用は、その通りプレリュードに過ぎなかったのだよ!
 ヨミ様亡き後。やつらが夏休みで遊びほうけている間、私はまず《運 命》の呪文を詠唱してドラゴン7匹を呼び出すことに成功したのだ!そして奴らには、この学園の七不思議として奴らを恐怖に貶めて貰うことにした! にも拘らず!

『ギャラが悪いので辞めます---《偽りの王 カンタービレ》』
『やってらんねーよバカ---《偽りの王 ヴォルトシュタイン》』
『紫電の劣化、劣化と、うるさいので、やめます(グスン)---《偽りの名 シデン・ラゴン》』
『アホ---《偽りの名 バルキリー・ラゴン》』
『モーツァルトの肖像画がこの学校にないので辞めるのであーる---《偽りの王 モーツァルト》』

「ふざけるなぁぁぁ!! お前ら我を何だと思ってるんだ! 何で!? 何でこうも次々に辞めていくんだ!!」
 
 かなりブルーになりながら、ガーリックは叫んだ。まさか、あの状態で生きて帰られるとは誰が思っただろうか。だが、しっかり《武者・ドラゴン》に斬られた傷は残っていた。


「まあ、そりゃ辞めてくだろーな」

 
 光が一気に差し込む。そこには、見覚えのある三人組----------------------ではなかった。
 というか、直接会うのは初めてである。
 だが、しっかりと知っている。
 暁ヒナタ含む(頭の)愉快な仲間達だ。

「さーて、教団の残党・ガーリック……だっけか。てめーが何をたくらんでいるか知らないが、ここでてめーはお終いだ! 言っておくが、かの有名な名前の同じ魔族同様次元のハザマに放り込んでやるぜ」
「うるさーい!! 我は、何度も修羅場を乗り越えてきたんだ! お前らに邪魔されてたまるか!!」
 
 ガーリックが潜んでいたのは、屋上の小部屋だった。その背後には、白い枠のカード……ゼロ文明のカードが。


「だが、貴様らの恐怖のエネルギーで、このお方は復活する! 出でよ、《「戦慄」の頂 ベートーベン》ッ!!」


 その瞬間、カードが光る。そして、ジャジャジャーン、という音とともにカードが実体化した。そして---------------小屋の屋根を突き破り、バラバラと音を立てる。
 そこには、白き鎧に身を包んだ王龍の姿。ヒューマノイド、鬼丸の兄である修羅丸がアンノウンの策略によってゼニスへと姿を変えられたものであるが、今回は単にガーリックの魔術で意志を得て実体化したものと見られる。

「おい、小屋が崩れるぞ!」

 レンが叫んだ。慌てて、屋上の外へと駆け出す。ベートーベンの肩にはガーリックの姿が。

「なはははは!! これでお仕舞いにしてやる!」
「ちっ、まずいな……とっとと決闘空間を開いて奴を倒さなければ、被害が出るぞ!」
「たりめーだ、バカ! 俺がベートーベンを倒す! 雑魚は任せたぞ」

 ヒナタはダッシュして、ベートーベンにデッキを向けた。

「それに------------最近作った、このデッキを試すチャンスだからな!」
 
 そう言うと、二段状のデッキケースから別の束を取り出す。それは、構築中なのかスリーブさえも付いていなかったが、これを試すというのか。

「ならば、僕も新しいデッキを使うとしよう。美学とは、無色のみにあらず!」

 レンも同じように紙束を取り出した。


『決闘空間開放!!』

 
 2人が叫ぶと同時に、黒い靄が辺り全体に広がった。そして、彼らは皆空間に飲み込まれる。取り残されたコトハは、祈るように呟く。

「頼むわよ……負けたら承知しないから!」

 ***

 レンとガーリックのデュエル。レンのマナゾーンは、闇と自然。今までのデッキとは明らかに違う。

「貴様、ゼロ文明の使い手では無かったのか?」
「言っただろ。貴様如きに僕の本気を出すまでも無い、とな」
「舐めるな! 我がターン、ゲヒャハハハハハ!! 《コッコ・ルピア》召喚!」

 怒ったように叫ぶと、火の鳥を繰り出すガーリック。コスト軽減クリーチャー。次のターンにコスト6が出てくるので厄介この上ない。
 シールドは互いにまだ5枚。レンの場には何もいなかった。

「さあ、僕のターンだ。《死神の邪剣デスライオス》召喚。効果発動……はしない、ターンエンド」

死神の邪剣デスライオス UC 闇文明 (4)
クリーチャー:デーモン・コマンド 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、名前に《死神》とある自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、相手は自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。

 マナゾーンのカードを見ても、デーモン・コマンドデッキというのは見て取れた。しかし、この手の種族はどれも重量級が揃っている為、序盤を凌ぐのが非常に難しい。
 そのため、こういったデーモン・コマンドの中でもコストの低い部類のクリーチャーは重宝される。

「粋がっているのも今のうちだあああ!! 我がターン、《ボルシャック・大和・ドラゴン》来い!」

ボルシャック・大和(やまと)・ドラゴン SR 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
スピードアタッカー
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000される。
W・ブレイカー
《ボルメテウス・武者・ドラゴン》の能力によって、相手のパワー6000以下のクリーチャーを1体破壊する時、かわりに相手のパワー12000以下のクリーチャーを1体破壊する。

 現れたのは、新たなる武者の力を得たボルシャック。
 スピードアタッカーの上に墓地の火のカード(呪文も含む)で攻撃中はパワーアップ。並みのブロッカーでは止められないのである。
 その戦刃がレンに向かう----------------