二次創作小説(紙ほか)

短編4:恐怖、学園七不思議!?(6) ( No.294 )
日時: 2014/03/24 11:19
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

 レンとガーリックのデュエル。というわけで、《ボルシャック・大和・ドラゴン》の戦刃がレンのシールドを切り裂く。
 2枚。それが飛び散ってレンの頬を切り裂いた。一筋の赤いラインがつぅっと流れる。

「やるな。だが……貴様はやはり弱い。所詮、ザコだ」

 そう言うと、すぅっと手札を動かす。

「S・トリガー、《プライマル・スクリーム》で山札から4枚を墓地へ。さーて……来たぞ、《悪魔龍王デストロンリー》を手札へ」
「はっ、何を考えているのやら」
「なら教えてやる。そして、割目させる。僕のターン、《インフェルノ・サイン》でコスト7以下のクリーチャーを、復活(リボーン)させる!」

 直後足元が隆起し、どざあっという音と同時に獣のような姿をした死神が現れる。
 《死神の邪蹄ベル・ヘル・デ・ガウル》だ。
 今回、レンは連デモと呼ばれるデッキを使用している。《ガウル》の効果でデーモン・コマンドを連鎖させていくのだ。

「ターンエンド」

 何も、しない。というかできない。今のところは。しかし。容赦なく、ガーリックは総攻撃を仕掛ける。

「行け! 《神龍のイザナイ ガーリック》召喚、さらに《トット・ピピッチ》を召喚! これで、我はスピードアタッカーに! 《大和・ドラゴン》でW・ブレイク、《コッコ・ルピア》で最後のシールドをブレイク」

 シールドが全て吹っ飛んだ。
 もう、後は無い。
 しかし、まさしくレンが狙っていたのはこれだ。奴の性格は見て分かった。とにかく攻撃したがる。だが。デュエマにおいて、シールドブレイクとは己を勝利に近づけるか、あるいは----------------相手を逆転させるチャンスを与えるかの駆け引きなのだ。

「S・トリガー、《地獄門デス・ゲート》で《ガーリック》を破壊。そして、《死神獣ヤミノストライク》を召喚だ」

 現れたのは、死神の力を得た魔獣。 

「ついでに《ガウル》の効果で、山札をシャッフルし……トップデックが進化ではない悪魔ならば出せる。《魔刻の斬将オルゼキア》よ、来い」

魔刻の斬将オルゼキア SR 闇文明 (7)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、相手は自身のクリーチャーを2体選び、破壊する。
W・ブレイカー

 現れたのは、剣を携えた悪魔。味方を斬り、敵をさらに破壊する凶悪な効果を持つ。

「無に帰せよ! 《ヤミノストライク》を破壊し、《コッコ・ルピア》と《ボルシャック・大和・ドラゴン》を破壊!」
「だ、だが打点が足りない上に、召喚酔いが……」
「そうだな。それでは、《ガウル》の効果を2度使うとしよう」

 再び、山札が捲られて現れたのは《暗黒導師ブラック・ルシファー》、そして再三山札がシャッフルされてトップデックから現れたのは《知識の破壊者 デストルツィオーネ》だった。

「《ブラック・ルシファー》の効果で、5枚を墓地に。墓地のデーモン・コマンドは、今落ちたものを含めて3枚。よって、パワープラス3000。さらに、《デストルツィオーネ》の効果で貴様の手札を全て破壊」
「なっ!?」

 折角手札に蓄えていたスピードアタッカー獣は、あえなく墓地へ。そして、場には凶悪な眼差しを浮かべた黒き悪魔の姿。

「このターンでは、決められない。しかし、貴様はどうだ。次ぎのターン、何も出来ないだろうな」
「く、ぐぐぐ……!!」

 自分のターンになり、手札を引くガーリック。しかし、皮肉にも手札に来たのは《真滅右神ジーザス・メリーチェーン》だった。仕方なく召喚した。が、何も出来ない。
 そのまま、項垂れてターンを終える。

「さて、祝いの時間だ貴様ら。新たな冥界の住人に、歓迎をしてやれ!《デストルツィオーネ》でT・ブレイク!」

 黒き魔獣に跨る悪魔が、槍を振りかざしてシールドを砕く。

「ぐっ! S・トリガー、《ナチュラル・トラップ》で《ブラック・ルシファー》をマナゾーンへ! 《地獄万力》で《ガウル》を破壊!」
「それでは《オルゼキア》でW・ブレイク」
「く、くそっ! S・トリガー、《フェアリー・ライフ》でマナを加速!」
「それだけか? ならば--------------」

 勝つ道は完全に見えた。これを閉ざす手は無い。

「《死神の邪剣デスライオス》でダイレクトアタック」

 闇の剣が、今度こそガーリックを切り裂いた。今度はしっかりと捉える。コレを喰らえば二度と、生きて帰れない。

「あ、がっ……!」

 真っ二つに裂けた断面から、瘴気が吹き出てくる。そしてガーリックは今度こそ------------消滅した。

「闇で一時的に魂を覆った仮初の体だったか。まあいい……残すはベートーベンのみか」

 ***

 一方、ヒナタはベートーベンとのデュエルを繰り広げていた。ベートーベンは、大量のマナ加速をしており、早めに自身を出そうとしているのだろうか。場には《黒神龍オドル・ニードル》が1体。シールドは3枚。
 逆にヒナタは、クリーチャーを並べていたのだった。場には《鬼切丸》に《ライラ・ラッタ》という”一見”速攻の編成だったが、マナゾーンにドラゴンが置かれている辺り違うだろう。マナの色は珍しく赤単色だった。シールドはまだ5枚ある。

「俺のターン、《ギャノバズガ・ドラゴン》召喚!」

ギャノバズガ・ドラゴン P 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 4000+
自分の火のクリーチャーがバトルする時、そのバトルの終わりまで、そのクリーチャーのパワーは+3000される。

 現れたのは、背中に砲台を背負ったドラゴン。デュエマ初期を思わせるような地味なパンプアップ能力だが、強制バトルによる擬似火力の範囲を広げられる点は評価できる。
 その上、このデッキではそれ以上のメリットがあるのだ。

「《ライラ・ラッタ》でシールドブレイク!」
「S・トリガー、《スーパー炎獄スクラッパー》で《鬼切丸》を破壊」

 とにかく、ターンを終える。敵の狙いは、もう分かりきっている。《ベートーベン》を素早く出すことだろう。

「我がターン。呪文、《運 命》!!」

 ジャジャジャーン、という聞きなれた交響曲5番のメロディと共に呪文が詠唱される。ベートーベンの手札は3枚。ここで、嫌な予感が頭をよぎる。

「効果で、手札を--------引かない。さあ、我が手札を3枚選べ。もっとも、選ばせるつもりなど毛頭無いがな!」
「やっぱりそうか!! くそっ、仕方が無い!3枚全部選ぶぜ!」

 《運 命》の手札を引く効果は、あくまでも5枚まで。つまり、引かないという選択も出来る。このとき、自分の手札が3枚で、尚且つ全てドラゴンの場合--------------


「全て踏み倒せる!! 現れよ、《王龍ショパン》、《偽りの王 フォルテッシモ》、そして《「戦慄」の頂 ベートーベン》!!」