二次創作小説(紙ほか)

エクストラターン23:激震、インフィニティ・ドロン・ゴー! ( No.315 )
日時: 2014/04/26 09:39
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)

 山札から捲られたのは、究極の無限を司る、皇だった。

「この俺様……《無限皇 ジャッキー》を召喚だあああ!!」

無限皇(インフィニティ・ビート) ジャッキー  ≡V≡  水/火文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。そのカードが進化ではないアウトレイジであれば、バトルゾーンに出す。
W・ブレイカー
相手の呪文を唱えるコストは無限のマナを必要とする。

 咆哮し、ヌンチャクを振り回す竜人。それは、究極の無法者。
 だが、連鎖する脅威はコレだけでは終わらないのである。

「ぐおおおああああ! 俺様で、《クロスファイア2nd》を破壊!!」

 前述したとおり、《ジャッキー》の効果はアウトレイジ版《バルガライザー》だ。
 つまり、山札の一番上を墓地において、それがアウトレイジの場合--------------

「ブルァァアァアア!! さあ、行くとするかあ!!」

 タダで、バトルゾーンに現れる。
 しかも、よりによって死の国の覇者。帝王の異名を持つ亡者、《不死帝》なのだから。

「ブルァァァアアアア、この俺様、《不死帝 ブルース》絢爛!」

不死帝(デッド・オア・アライブ) ブルース  ≡V≡  闇文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
W・ブレイカー
進化ではないデスパペットと進化ではないアウトレイジを、自分の墓地から召喚してもよい。
このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。


 表面の魂だけならば、アウトレイジそのもの。
 しかし、今は竜神王-------------否、そのバックに存在する敵の僕に過ぎない。
 しかも、山札からさらに3枚が墓地へ。同時に、ヌンチャクが振り回されて《クロスファイア2nd》の体も打ち砕かれた。

「ち、畜生がッ!!」

 ターンを終えるジャッキーとブルース。形式こそ、1対1のデュエマで変わりないが、ビクトリーカードである2体が揃ってしまった時点で、2体1となんら遜色ない。

「俺のターン……ドロー」

 引いたカードは、《ドラポン》だった。

『ヒナタ、もうダメっちゃ! あのお二方は、水文明と闇文明の文明代表……その時点で、勝ち目は無かったんっちゃ!』
「諦めるんじゃねえ!! 俺は、最後まで絶対諦めないッ!! たとえ、仲間1人居なくなったとしても、たった1人でも、俺は闘い続ける!!」

 しかし、この状況は《ドラポン》1体でどうにかできるものでもない。

「おだんは昔-------------スミスとか、他のアウトレイジと一緒に暴れまわってた時期があったんっちゃ」
「お前----------」
「ジャッキーさんになりたかった。ジャッキーさんのように、頂点に立ちたかった。じゃから、おだんは沢山傷つけた。数え切れないくらい、傷つけた」

 ドラポンの表情が暗くなる。

「結局、おだんはアウトレイジからも忌み嫌われる事になった」
 
 ドラポンは言った。

「そんとき、庇ってくれたのが、あの人じゃった」

 ***

「どーしたぁ? てめぇ、この間はよくもやってくれたなぁ!!」
「エグザイルだからって、チョーシこいてるんとちゃいますかぁ? ああ!!」

 大勢のアウトレイジが、怒りの形相で、詰め寄る。集中砲火を喰らって、ドラゴ・リボルバーはもう動けそうになかった。
 いや、もうこのまま死んだ方が良いのかもしれない。

「死ね」

 一体のアウトレイジが、右腕をマシンガンに変形させる。銃口が迫った。

 そのときだった。

 銃口を向けた手が動かない。掴まれているのだ。


「おいおい、これは何事だぁ?」


 そこにいたのは、ジャッキーだった。

「ジャ、ジャッキーさん!! そいつは、とんでもねえ暴れ者で……!」
「ああ、分かった分かった……んじゃ、どけ」

 前に進み出て、ドラゴ・リボルバーを見下ろす形になる。そして、襟首を掴んで引き寄せた。


「おらよッ!!」


 ジャッキーは鈍い音と共に、力いっぱい殴った。助けられるとは、毛頭思っていなかったが、ストレートに殴られるとも思っては居なかった。ドラゴ・リボルバーは激痛で、意識が離れそうになったが、ジャッキーの声だけはしっかりと聞いた。

「おい、これでもう満足だろ? とっとと帰れや」

「ひっ! は、はい!」

 慄いた様子で、他のアウトレイジは帰っていったのが分かった。
 しばらくして、ドラゴ・リボルバーは寝かされていることに気付き、起き上がったが、まだ体が痛む。

「悪かったなぁ? だが、こうでもしねえとテメーは連中に殺されていただろうよ。最も、悪いのはテメーみたいだしな」
「……何で」

 虫の息だったが、辛うじて息は保てた。


「俺なんか、死んでもよかったのに!!」


 自棄になって叫んだ。
 自分は、数え切れない罪を犯した。
 だから、償おうと思った。
 自分の死を持って。

 だが、無限皇は言った。

「おい、虫ケラ。てめーに腐ってても良いから魂があるんなら、刻み込んどけ」

 静かに、威厳のある声でジャッキーは言った。


「生きろ。それが嫌なら、生きる事自体がてめーに課せられた罰だ。」


 その声を聞いたところで、ドラゴ・リボルバーの意識は途絶えたのだった。


 ***
 

「それが、今のおだんを作っちょる。あの人の偉大さも、よく知っちょる! じゃから、おだんは……あの人に勝つことは出来ないっちゃ!!」

「それがどうしたってんだ!!」

 ビリビリ、と電撃のようなものがドラポンを動かす。
 一喝。
 ヒナタの顔は、真剣そのものだった。


「ちょっと間違ったぐれえでなんだ!! いつまでもうじうじしてんじゃねえ!! 憧れってのはな……憧れてたまんまじゃあ、何時までもまやかしに過ぎねえんだよ!!」
「まや……かし?」
「追いつくんじゃねえ、超えるんだ!!」

 
 その声を聞いたところで、ドラポンは体の中から大きな力が沸きあがってくるのを感じた。
 何時の日か感じた頭痛。それは、まさにこの覚醒のためだったとすれば。


「目ェ、冷めた……絶対に勝たんといけなかったんっちゃ!!」


 ドラポンは、確かにそう叫ぶ。


「行くぞ、ドラポン!!」


 カードが変わっていく。まるで、生まれ変わるかのように。

 今、ここで無法者は再誕する。


 新たなる、無限の力を持って!!



「俺のターン、こいつを召喚するぜ!! 《超絶 ドラポンBANG!!》、来い!!」



 焼け付く炎と共に、地獄から這い上がる最強の無法者、エグザイル。
 その姿は、全身に武装された中世のガンマンのような装備、加えて弐丁拳銃が目に焼きつく。

 そして何より、羽のような炎が背中から生えていることだった。


ツインバレット ドラポンBANG(バーン)!! 火文明(5)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出たとき、全てのプレイヤーのマナを2枚墓地に置く。
自分の他の《バレット》とあるクリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。
インフィニティ・ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊されたとき、山札から《バレット》とあるコスト8以下のエグザイル・クリーチャーを一枚選んでバトルゾーンに出す。
自分の《バレット》とある他のエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。


「行くぞ、ドラポン! 《ドラポンBANG!!》が場に出たとき、互いのプレイヤーはマナを2枚墓地に置くぜ!」
「おらあっ、行くっちゃ!」

 弾丸が、互いのマナゾーンのカードを貫く。ヒナタのマナゾーンから墓地には、《ドンドン吸い込むナウ》と《トップギア》が落ちた。

「さあ、スピードアタッカーのこいつでシールドブレイクだ!!」

 割られるシールド、しかし虚しくもそこから現れるのはシールド・トリガー。

「S・トリガー、《スーパー炎獄スクラッパー》で雑魚共を全て破壊」

 今ので、残りのアタッカーが殲滅させられた。止むを得ず、ターンを終了するヒナタ。
 ここで、ジャッキーとブルースのターン。《ブルース》の効果により、墓地からクリーチャーが召喚できるようになっている。
 しかも、G・ゼロも召喚。

「ブルァァァァァアアア!! 墓地から、G・ゼロで《クロスファイア》、コストを下げて《5000GT》召喚だ!! 貴様の手札はゼロ、ドロン・ゴーはありえねえ!!」

 同時に焼き尽くされる《ドラポンBANG!!》。ヒナタの手札はない。しかし、これでよかったのだ。

「《ドラポンBANG!!》は特殊なドロン・ゴーを持っている! それは、手札からのドロン・ゴーが出来ない代わりに、山札からドロン・ゴーが出来る、インフィニティ・ドロン・ゴーだ!!」
「なっ!?」
「来い、山札から《超絶弾 リボルバー・サンブレイズ》を召喚だ!!」


ツインバレットトリガー リボルバー・サンブレイズ 火文明(8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 9000
W・ブレイカー
自分のシールドが0枚になったとき、墓地からコスト4以下のクリーチャーをバトルゾーンに出す。
自分の他の《バレット》とあるクリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。
インフィニティ・ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊されたとき、山札から《バレット》とあるエグザイル・クリーチャーを一枚選んでバトルゾーンに出す。
自分の《バレット》とある他のエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。

 
 現れたのは、骨が体へ露出して鎧のようになった竜銃士。しかし、火文明の魂は忘れては居ない。

「はっ、今ドロン・ゴーしたところで何になる!! この軍勢は止められぬ! さあ行け、《5000GT》でT・ブレイク!!」

 シールドが0枚になった。しかし、ヒナタが狙っていたのはまさしくこれだ。

「《リボルバー・サンブレイズ》の効果発動!! 俺のシールドが0枚になったとき、俺は墓地からコスト4以下の好きなクリーチャーをバトルゾーンに出せる!! 《5000GT》が封じられるのは、あくまでも召喚だけだ!」

 《5000GT》が強いのは、S・トリガーも召喚に含まれるからである。しかし、これは召喚ではない。
 バトルゾーンに出す、という行為自体は制限されないのだ。

「時間よとまれ、《終末の時計 ザ・クロック》召喚だ!」

 時間は加速する。暗がりの夜があけるほどに。そして、夜の先にあるのは暁。
 明るい朝日が照らす!!

「俺のターン、《火炎特攻弾》で《サンブレイズ》を破壊、進化インフィニティ・ドロン・ゴー発動だ!!」

 日は昇った。遂に、新しい朝が来たのだ。
 《ザ・クロック》を進化元に、新たなる太陽が昇った。


「此処に集え、灼熱と激震の究極のアウトレイジ、全銀河を揺るがせ!! 新たなる姿は勝利を呼ぶ! 《絶望への反逆 ガトリング・エヴォルバー》、昇天し咆哮せよ!!」


バレット望への(ロック)反逆チェスティング ガトリング・エヴォルバー 火文明(12)
進化エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 17000
進化-自分のエグザイルではないアウトレイジMAX一体の上に置く。
T・ブレイカー
メテオバーン - このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、火か水のコスト6以下の呪文を1枚、コストを支払わず自分のマナゾーンから唱える。
自分の他の《バレット》とあるクリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。
インフィニティ・ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊されたとき、山札から《バレット》とあるエグザイル・クリーチャーを一枚選んでバトルゾーンに出す。
自分の《バレット》とある他のエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことは出来ない。

 
 かつて、オリジンによって時空のハザマへと封じられたナイトが、新たな姿を得て帰還したかのように、新たな姿を得て現れた。
 両脇にはガトリング砲、4本に増えた腕には魔銃が装備されている。そして、かの邪神のような神々しい光を放っている。しかし、その本質は無法の力。
 そう、これを花にたとえるならば、花言葉は”究極”。


「《ガトリング・エヴォルバー》が攻撃するとき、メテオバーンで墓地から火か水のコスト6以下の呪文を唱えることが出来るんだ!! 呪文、《ドンドン吸い込むナウ》で《クロスファイア》をサーチして《ブルース》をバウンスだ!!」
「馬鹿め!! 貴様の場数は足りんぞ! 次のターンで、お終いだ!!」
「いや、次のターンはお前に来ない! アタック・チャンス発動!! 《反逆秘伝 ワン・フォー・オール》で俺はもう一度クリーチャーの召喚が行えるんだ!!」

 次々に展開していくカード。そこには、カードゲームさえも超えた”何か”があった。

反逆秘伝 ワン・フォー・オール 火文明(10)
呪文
アタック・チャンス−《絶望への反逆 ガトリング・エヴォルバー》(自分の《絶望への反逆 ガトリング・エヴォルバー》が攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
墓地から、無限の数だけコスト7以下のアウトレイジをバトルゾーンに出す。

 さらに、叩き割られるシールド。ジャッキーとブルースを護るものはもうない。
 墓地から、無法者達が次々に現れる。
 そこに、追撃と言わんばかりに激流と勺炎の無法者が炎をまとって現れる。


「《クロスファイア2nd》召喚!!」


 最後に現れ、咆哮するのはやはり彼だった。そして、無法の炎が迫る。


「--------------《クロスファイア2nd》でダイレクトアタック!!」