二次創作小説(紙ほか)
- コラボ短編:last smile (4) ( No.322 )
- 日時: 2014/05/14 21:37
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: sEySjxoq)
「更に呪文、《一極両得ボッカン&ドックン》で《スパイス・クィーンズ》を破壊。そして《ブラッドレイン》でシールドブレイクです」
1枚目のシールドが叩き割られた。しかし、それでもシャンツァイは動じない。
それどころか-------------。
「S・トリガー発動、《アクア・サーファー》! 《デスメタル・パンク》をバウンス!」
「っ……ですが、ウルトラ・ドロン・ゴー発動です。 《デスメタル・パンク》をもう一度召喚です」
『シオちゃんは、俺様が護る!! 貴様ら逆徒に触れさせはせぬわ!!』
---------保険を掛けておいて良かったです。
ウルトラ・ドロン・ゴー最大の利点はどんな除去にも対応できることだ。マナに送られようが、手札に戻されようが、ドロン・ゴーすることができるのである。つまり、エグザイルの弱点を突いたのだ。
しかし、もう1つの弱点は解決されていなかった。
シャンツァイのターン。ここで、いよいよ神が現れる。
「《霊騎左神ロラパルーザ》召喚。効果により、《デスメタル・パンク》をタップ、さらに次のターンはアンタップできないのだ!」
「ッ-------------!」
エグザイルは唯一なる存在。故に、こうして止められてしまうと、逆に邪魔になってしまうことがある。
そう、同名の後続のエグザイルを呼びにくくなってしまう。
「そして、《アクア・サーファー》で《ブラッドレイン》を攻撃して破壊」
「うっ」
思わず呻き声を上げるシオ。たったの1ターンで、場は最早半壊している。
「ターンエンドだ」
慈愛とは程遠いシャンツァイの声が暗い空間に響いた。
その後も、展開は続いていく。召喚された《サイバー・N・ワールド》を《デスメタル・パンク》のパワー無限マイナス効果で破壊するも、《スパイラル・ゲート》でバウンスされてしまう。
数多くの足止めなどで既にシオは疲弊し切っていた。
そして、魔の8ターン目。シオのシールドは5枚。一方のシャンツァイのシールドは2枚。手番は後攻のシャンツァイ。
現在、シオの場には《デスメタル・パンク》。しかし、タップ状態だ。
一方、シャンツァイはリンク状態の《ロラパルーザ》と《神滅右神グラストンベリー》。しかし、パワーが低い上に次のシオのターンで破壊されてしまう。
しかも、ゴッド・ノヴァOMGはリンクしても打点はなかなか増えないことが多いのも手伝って、シャンツァイは不利に見える。
しかし。
「我が世の春が来たあああ!! 我がターン、《破戒のインガ シャンツァイ》を召喚!!」
今度はガン○ムである。全く懲りないパロディ野郎だが、はっきり言って今度は二打点の大型クリーチャーが本当に出てしまった。
破戒のインガ シャンツァイ R 光/闇文明 (8)
クリーチャー:オラクル/デーモン・コマンド/エンジェル・コマンド 6500+
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーを召喚する時、自分の手札から好きな枚数のゴッドを相手に見せる。このようにして見せたゴッド1体につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただしコストは2より少なくならない。
バトル中、自分のオラクルとゴッドのパワーは+3000される。
W・ブレイカー
オラクルの階級のうち、”インガ”に属するものの特長。それは”神”を直接補助する、というものだ。
まさしく、シャンツァイもその1体。
「な、なんですか、これは」
「フハハハ! 能力発動! 《シャンツァイ》が居れば、我がオラクルとゴッドのバトル時のパワーは+3000! さあ、《ロラパルーザ&グラストンベリー》で攻撃し、《デスメタルパンク》を破壊だあああ!!」
パワー10000対8000。どちらが勝つかは明確である。
「ッ……あ、手札がもう無いです……」
「クカカ、ターンエンドだ」
「負けられない、負けられないのに……」
カードを引くシオ。引いたカードは------------------。
「……《ブータン・ジャクソン》を召喚、ターンエンドです。まだ、諦めないです」
『ブー! そうだ、シオちゃんにはブータンたちがいるブー!』
---------そうです。まだ、勝負は分からないです。
そうだ。自分のシールドは、まだ1枚も割られていない。デュエマは最後まで何が起こるかわからないのだ。
背後から、何かを感じた。自分のクリーチャーが、青い霊のようなものになっている。シオの背中を押すように。
「《ドルバロム》、《ガル・ヴォルフ》、《ブラッドレイン》、《ブラックルシファー》……勝てるです。私には仲間がいるです」
希望だ。暗い闇を照らす、希望の光。皮肉なことに、闇文明の使い手がそれに照らされることになったが、問題ない。
----------いける。先輩達のために、私は----------
「果たして、どうかな?」
嘲笑うかのように、シャンツァイは彼女の逆転の可能性を否定する。
「我がターン、《「黒幕」》を召喚」
「-----------え?」
希望をさえぎる闇。
まず、シオの手札が全て吹っ飛んだ。
「し、しまったです------------」
確実に、ウルトラ・ドロン・ゴーの可能性を潰しにかかってくる。
しかし、それだけではない。《「黒幕」》が2柱の神とリンクを始めた瞬間、奇妙な瘴気が漂い始めた。
「トライ・ゴッドリンク」
この瞬間、全てのシールドが叩き割られた。
「黒幕」 SR 闇文明 (9)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ OMG/オラクル 12000+
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手は自身の手札をすべて捨てる。
T・ブレイカー
中央G・リンク(このクリーチャーまたは自分の他のゴッドをバトルゾーンに出す時、自分の好きな数のゴッドからカードを1枚ずつリンクを外してもよい。その後、このクリーチャーを、「右G・リンク」または「左G・リンク」を持つゴッドにリンクしてもよい)
このクリーチャーがカード3枚でリンクした時、このクリーチャーは各プレイヤーのシールドをすべてブレイクする。
これが、《「黒幕」》の能力である。トライ・ゴッドリンクした瞬間、敵味方関係なく、全てのシールドをブレイクするのだ。
唖然としている彼女。しかし、無慈悲にもシールドはガラスのように次々と割られていく。
「で、でも、S・トリガー発動ですっ。《デーモン・ハンド》に《地獄門デス・ゲート》で《シャンツァイ》と神を破壊」
「《グラストンベリー》を墓地に置く。そして、リンクした神は召喚酔いしない。さあ、遺言はあるか?」
「っ----------これ以上、先輩達を-------皆を傷つけるのはやめてください--------」
「虚しいな、雑魚が。リンクした《「黒幕」》でダイレクトアタック」
リンクした神が迫る。
しかし。
刹那。
黒いオーラがシオを護る。
「---------ブータン!」
『シオちゃんはっ、シオちゃんは死んでもブータンが護るんだブー!!』
身体のパーツが、ドット状にどんどんはじけ飛んでいくブータン。神の攻撃は神々しく、そして容赦なく続く。
黄色のレーザーによって、身体の各部を次々に焼ききられていく。
「ブータンッ! もういいです、やめてください、貴方が死んだら、私は、私は--------------」
『-----------短い間だったけど、楽しかったブー』
これが最後だった。
『ごめん、て皆には伝えてブー』
「馬鹿言わないでくださいです、ブータン!! 最後だなんて、そんなの私が許すとでも思ったんですか」
必死の懇願が届かないことは分かっている。
だが、居なくなって欲しくはなかった。
『アイ・ラブ・ブー、シオちゃん』
最後に、砕け散った身体が再構築され、ドロン・ゴーした。ブータン、否デスメタル・パンクはレーザーを受け止める。
しかし、体中に《「黒幕」》の放った蛇が喰らい付いた。
特大のレーザーを放たないとばかりに、神が腕を振り上げた。
そのときだ。
「最期まで一緒です、ブータン」
巨大な、デスメタル・パンクの足元に、シオの小さな身体が見えた。デスメタル・パンクは一瞬驚いたようだったが、最期の力を振り絞り、最後の咆哮を上げた。
***
3月23日。それは、誇り高き闇文明を司る愛の騎士が神の前に散った日である。
だが悲劇はまだ続く。
最早、支配欲と復讐心の塊である神人類によって。
