二次創作小説(紙ほか)

コラボ短編:last smile (15) ( No.349 )
日時: 2014/12/07 13:04
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: oLjmDXls)

 ***

「……む、シャンツァイと胡椒の気配が消えた」

 決闘の最中、ヨミは呟いた。どうやら、ヤツが連れていた2体のオラクルは死んだらしい。
 ----------レン、コトハ、やってくれたか!
 ヒナタは息を切らしている中、うっすら笑顔を浮かべる。
 しかし、状況はとても笑えたものではなかった。
 ヒナタの場には《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》1体のみ。
 対してヨミの場は----------

「《堕天右神カウントダウン》、《羅刹左神オズフェスト》、そして------------《超神類 イズモ》」

 この3体が揃っていた。しかし、攻撃はされておらず、ヒナタのシールドは5枚だった。
 ヨミのシールドも5枚だった。

『どうするっちゃ、ヒナタ!』
「俺に聞いたって知らねぇな。今はヤツのターンだ」

 ふん、と息を漏らしたヨミはすぅっとカードを動かす。

「3体のゴッドのリンクを”解除”」

 次の瞬間、オラクルの紋章が消えて3柱の繋がりが解かれた。
 そして、狂気に歪んだヨミの顔が浮かんだ。

「そして、超無限”神”化!!」

 そして、3体の体が融合し、1つの巨大な神となった。
 シルエットから解ったが、巨大な羽を持つ神---------


「崇めよ、そして称えよ! 一世一代、絶対神の光臨! 今こそ、断罪のとき、《断罪の神類王 バッドエンド・ヨミ》ッ!!」


 現れたのは、強大なる神だった。
 元のヨミの姿に、さらに背中に巨大な羽根が生えている。
 そして、神々しき羽衣に身を包んでいた。
 何よりも目を引くのは、巨大な口だった。
 そう、腰から下が龍となっているのだ。

「真実と偽りの混沌神、それがこの我だ!! 貴様はたった1人でこの我に挑むつもりか、暁ヒナタ!!」
「ああ、挑むつもりだ! 俺は1人じゃねえ、隣に、背中に、そして今此処にいなくても、心で確かに繋がっている仲間がいる!!」

 強がって言うヒナタ。
 しかし、ヨミはふん、と鼻で笑った。

「ならば、そこで黙って見ているが良い。まず、我で攻撃! ワールド・ブレイク!!」

 ヒナタのシールドが全て、吹き飛んだ。
 破片がシャワーとなって襲い掛かる。
 S・トリガーが発動し《ジャジャーン・カイザー》と《火焔タイガー・グレンオー》が現れた。

「く、くそっ---------!」
「メテオバーンG(ゴッド)発動。我が進化元の《オズフェスト》と《カウントダウン》、そして《超神類 イズモ》を墓地に。そして、この3体がゴッド・ノヴァOMGのため、バトルゾーンに出す!」

 現れた3柱が腰の龍から吐き出され、現れる。
 そして、《カウントダウン》と《オズフェスト》がすぐさまヨミの両腕となった。

「我が3体でリンクをしているとき、貴様のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。ターンエンド!」



断罪の神類王 バッドエンド・ヨミ  ≡V≡ 光/闇文明  (10)
進化クリーチャー:ゴッド・ノヴァOMG/オラクリオン 18000
超無限神化--自分のゴッドのリンクを好きなだけはずす。その後、自分のゴッド・ノヴァ1体以上の上に置く。
ワールド・ブレイカー
中央ゴッド・リンク
このクリーチャーが3体でリンクしているとき、相手クリーチャーは攻撃もブロックもできない。
メテオバーンG--このクリーチャーが攻撃するとき、進化元を2枚まで墓地に置いても良い。こうして墓地においたクリーチャーがゴッド・ノヴァOMGの場合、バトルゾーンに出す。
エターナル・Ω



 シールド0枚。しかも、クリーチャーの行動は完全に封じられている。
 絶望的だった。
 もう、次のドローに賭けるしかないが、今のヒナタのデッキに神を完全に破壊できるカードなど無い。

「万事休すか……!」
『ヒ、ヒナタ---------!!』

 叫ぶドラポン。
 がくり、と頭をもたれた。
 勝てるわけが無い。こんな滅茶苦茶なヤツに。
 仮にヨミを除去できたとして、再び新たな神が現れるのみだ。

「くそったれ!! 俺は何も出来なかった!! シオの転校が決まったときも、そして今も!! 自分のことばっかで他の事になんか目も無かった!!」
『ばっ、何を言っとるんっちゃ!!』
「俺じゃ、こいつに--------勝てないって言うのかよ!!」

「貴様は何を言っているんだ?」

 声がした。それも後ろから。
 見れば、レンの姿があった。

「何で、お前が--------」

 その言葉は続かなかった。ヒナタは自分の顔が振れたのがわかった。
 じん、と痛みが頭にまで伝わってくる。
 殴られたのだ。自分は。

「気付いたら、此処にいた。とっとと元の空間に帰れると思ったのだが----------」
「そういうこと」

 後にコトハも続く。

「アンタ、何言ってんの。1人だけでこんな化け物に勝てるわけが無いじゃない」

 倒れたヒナタに手を差し伸べる。
 ぐっ、と確かにその手を掴んだ。

「シオは言っていた。僕達は確かに誰かに歩幅を合わせるような器用な真似はできないかもしれない」
「だけど、あんたがもしも躓いたとき、無理矢理でも引っ張り上げることならできる!」
『あたしたちが付いてるよ!』

 レンも、コトハも、オーロラも、ヒナタとドラポンの瞳を真っ直ぐ見ていた。

「お前ら---------!」
『ヒナタ、忘れちゃいけんことがあるっちゃ、シオもお前を絶対信じとる!! スミスだって、此処でおんしが勝たんと成仏できんっちゃ。あいつのために此処は1発、あのクソヤローの脳天に風穴ブチ開けてやるっちゃ!!』

 ヒナタはもう、迷わなかった。敵の方に真っ直ぐに目を合わせる。

「ふん、全員まとめて消し飛ばしてやろうと思って呼び寄せたのだがな」
「言ってろ! 俺はこのターンで逆転してやるぜ!!」
「無駄だ!! 貴様では我には勝てない!!」

 この、鉄壁の神の壁の前に、とヨミは続ける。
 
「どーだかな!! 壁が分厚いなら、こっちもぶっとい武器で無理矢理でもこじ開けるだけだ!!」

 迷わず、カードを引いた。そして----------

「俺の切札、来たぜ!!」

 にぃっ、と笑って見せた。神を前に満面の笑顔で。

「ヒナタ、貴様のそのカードには神話の力が眠っている! これなら逆転ができるはずだ!」
「アンタならできるって、信じてるよ!」

 2人が背中を押した。
 次の瞬間、ヒナタはサングラスを目に掛けた。
 そして、叫ぶ。

「俺のターン、バトルゾーンにいる火の3体を進化元に!!」

 そして、マナゾーンにある10枚のカードがタップされた。


「無限の光と熱で全てを燃せ。数多の希望を背負い、今昇天する!! 
---------進化GV、《無限太陽 サンシャイン・ヘリオス》!!」