二次創作小説(紙ほか)

ターン11:何者!?仮面のデュエリスト!! ( No.37 )
日時: 2013/06/20 07:23
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

「なんだお前?仮面を付けているとか、訳の分からない野郎だな!!」
「・・・・・・。」

 とある裏路地。黒い靄が立ちこめ、男子生徒の1人は、妙な焼き印が仮面を付けた謎の男にデッキを突き出された。つまり、デュエマを挑まれたのだ。

「だんまりかぁ!?だがな!!叩きのめしてやる!!とっととこの変な空間から出せ!!」
「貴様の切り札、狩らせてもらう・・・・・。」
「あ!?余計、意味不明だぜ!!あー、もう!!ぶっつぶしてやる!!」


 ターン12・男子生徒のターン。

「俺のターン!!《超速リベンジ・ドラゴン》を召喚!!さらに、呪文!《パワフル・ビーム》で《リベンジ・ドラゴン》を強化!!《リベンジ・ドラゴン》でW・ブレイク!!」
「S・トリガー。《フェアリー・ライフ》。」
「悠長にマナ加速かァ!?ターンエンド!!」
「無駄だ。このターンで絶望させてやろう。」

 冷徹に答える仮面の男。バトルゾーンには、何もない。

「私のターン。《戦慄のプレリュード》を唱える。神の力は偽りか真実か?その力をもって我に証明せよ!《神聖斬アシッド》!!」

神聖斬 アシッド  ≡V≡  無色 (7)
クリーチャー:オラクリオン 6000
ブロッカー
自分のターンの終わりに、タップしている自分のクリーチャーを2体まで破壊してもよい。そうした場合、そうした場合、自分の山札を見る。こうして破壊したクリーチャー1体につき、コスト7以下の無色クリーチャーを1体、自分の手札または山札からバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
相手のターン中に、相手がバトルゾーンにある自分のクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、このクリーチャーを攻撃してもよい)
W・ブレイカー

「ビ、ビクトリーカード!?」
「さらに、《転々のサトリ ラシャ》を2体召喚。効果で、ゼロ文明以外を全てタップする!!」
「あ!?」
「ターンの終わりに、《アシッド》の効果で《ラシャ》を2体破壊。そして、《爆裂右神 ストロークス》、《封魔左神 リバティーンズ》を召喚!!G・リンク!!」

 おぞましい覇気。同時に、巨大な影が現れる。

「うっ、うわあああああああああ!!!!!」

 男子生徒はそれを見て、ただ絶叫を上げるしかなかった。



「で、そいつのデッキのカードに焼き印が押され炭みたくボロボロになっていたと?美しくない話だ。」

 イスに腰掛けたレンがリョウに話の内容があっているか確認した。

「ああ、その生徒の怪我も重傷でね・・・・・。」

 鎧竜決闘学院1E。今朝、学院の男子生徒がとある裏路地で大怪我を負って倒れているのが見つかり、さらに周りに散らばっていたカードに妙な焼き印が押され灰色の炭のようにボロボロになっているという事件が起こった。瞬く間に学院新聞やクチコミを通してその話は広まった。

「おっはよぉー!!」
「ヒナタ。今朝のニュースは聞いたか?」

 レンが振り返って、ヒナタに話しかける。

「ああ!!この辺に、高級スイーツ店ができてその店の《ボルバルザーク・高級・パフェ》が旨いって話だろ!!今度の日曜に」
「違う、ちがーう!!《ボルバルザーク・高級・パフェ》!?どんなパフェだ!!想像できん!!ってそうじゃなくて、今朝の事件だよ!!」
「あ?事件?」

 きょとんとした顔で答えるヒナタ。ダメだコイツ、何も知らないのかと呆れるレンとリョウ。

「お前はな!!何も知らないのか!!」



「いっそげー!!遅刻しちゃう!!」

 コトハは、走って鎧竜決闘学院に向かっていた。

「アタシとしたことが、寝坊するなんて・・・・・・。しかも、今日はアタシの誕生日なのに!!最悪ッ!!」

 コトハがため息をつきながら走る。しかし、その走り方はお世辞にも上手いとは言えなかった。彼女は運動音痴なのである。その時だった。黒い靄がコトハを包み込む。

「な、何!?何なのよ!!」
「如月コトハちゃーん☆」
「だ、誰!?アタシのことを知っているの!?」

 目の前に広がる、デュエル・テーブル。その奥には妙な焼き印が押された仮面を付けた男。そして急に喋り立てる。

「フフフ・・・・・・。僕は何だって知って居るんだー!君がどういう人間なのか。例えば、小学生の頃のテストは殆ど100点というように勉強は得意だけど、体育は全然ダメで跳び箱も6段までしか跳べないんだよねー☆」

 無邪気な声だが、全て大当たり。コトハは顔中を赤面させ言い返す。

「違うわ!!5段よ!!」
「あれれー?ボロが出ちゃったねー!ま、いっか!僕には関係ないなーい☆あと、炭酸ジュースが全然飲めないんだよね☆」
「う、うるさいわね!!アンタは何者!?一体何が目的なの!!」

 仮面の男はデッキを突き出す。

「君の都合なんか、僕には関係ないなーい!それよりさ、デュエマしようよ☆君の切り札を狩るためにね!!」
「もう良い!!デュエマでも何でも、やってやるわ!!」
(何こいつ・・・・・・狩るとか意味不明・・・・・・!)


 
 チャイムが鳴った。しかし、コトハはまだ来ない。今朝の事件の一通りを説明し終えたレンはある異変に気付いた。

「コトハ遅いな。おかしい、いつも定刻よりも前に登校して来るのに。」
「残念だなァ。今日はアイツの誕生日だろ。」

 ヒナタは1枚のカードを照明にかざした。フォイルが輝く。

「これをプレゼントしてやろうと思ったのに。」
「は!?お前、それをどうやって手に入れたんだ!!」
「そーですよ!どうやって!!」

 レンとリョウは、驚いた顔でヒナタに聞く。

「どうやってって、今までに溜めたS・ポイントを半分くらい使ったんだよ。S・ポイントは大体、1ポイントで100円相当だからな。大変だったぜ。やっぱ高いよ、シングルカード(ばら売りされたカード。)のスーパーレアは。」
「仲間思いなんだね、ヒナタくんって・・・・・・。」
「何故、僕たちに相談しなかった?一緒に買うことも出来たのに。」
「わりーわりー。」

 その時、女子生徒達が慌てて教室に入ってくる。

「大変よ!!コトハちゃんが!!」
「は?コトハが遅刻?確かにびっくりだけど、もう分かり切ったこと・・・・・・。」
「違うのよ!!とにかく来て!!もう外出許可は貰ってるから!!」



「マジかよ・・・・・・。」

 近くの大型病院の病室。そこでヒナタとレン、リョウは絶句した。そのベッドには確かに如月コトハが眠っていた。包帯を頭に巻き、所々に傷がある。

「今朝の事件と全く同じ状況で倒れていたらしいわ。」
「誰がッ!!誰がこんな事を!!」

 女子生徒は首を横に振った。

「警察も調べているけど、手がかりになりそうなのは、焼き印の付いたカード。ボロボロで使い物にならなくなってしまっているけど。」
「今朝と全く同じだ・・・・・・。同一犯か?」

 レンが冷静に推理する。

「ふざけるな!!誰だろうが、関係ない!!そいつを叩きのめすまでだ!!許さねえ、ぜってーに許さねえぞ!!」

 拳に血管を浮き上がらせ、怒りの炎を瞳に滾らせるヒナタ。だがヒナタは知らなかった。悲劇の連鎖はまだ終わっていなかったことを・・・・・・