二次創作小説(紙ほか)
- ターン16:百万超邪VS破界の右手 ( No.55 )
- 日時: 2013/06/23 11:29
- 名前: タク ◆COeo3uVOjE (ID: 39RfU1Y2)
「う・・・・・・ぅ・・・・・・ここは・・・・・・。」
「目ェ覚めたか。」
「!!」
馴染みのある声を聞き、目を開くコトハ。次の瞬間、眩しいほどの朝日が目に飛び込み、思わず目をつむる。が、徐々に目も慣れてくる。
「ヒ・・・・・・ナ・・・・・・タ?」
声の主と思われる名前を呼んだ。
「よ、コトハ。今日は土曜日だからさ、朝早くから来てやったぜ。」
そこには、私服のヒナタ。赤いパーカーを羽織っている。
「《スタート・ダッシュ・バスター》は!?うっ!!」
「まだ無理するんじゃねえ。そして・・・・・・。」
がばっと起きあがり、自分の相棒の名前を叫んだコトハ。体がまだ痛む。しかし、ヒナタは首を横に振って、焼き印がつきボロボロになったカードを差し出した。
「・・・・・・嘘・・・・・・!!」
「すまねェ、俺がいたらこんなことには・・・・・・!!」
「最悪・・・・・・!!夢じゃなかった・・・・・・!!夢だったらどんなに良かったの!!」
コトハの目から一筋の涙。
「だけど、敵は討った。てめーを襲ったガラムと、昨日戦って倒した。」
「でも!!私の相棒は戻って来ない!!最悪の誕生日よ!!」
「バーロ、んなこたぁねーよ。」
「え?」
コトハは視界の横に、きらきらするものを捉える。
「これで埋め合わせになるかどーかは分からねえ。いや、おそらく、埋め合わせにはならないだろう。だけど、これを《スタート・ダッシュ・バスター》と同じぐらい大事にしてほしいんだ。遅れながら、俺からのプレゼントだ。」
思わずコトハはカードを手に取る。
「《ドラゴンフレンド・カチュア》・・・・・・ありがとね、ヒナタ。」
「良いって事よ!それに、他にもいーっぱいプレゼントは貰ってるぜ!よっぽど人望が厚いのな・・・・・・あれ?こんなカードあったっけ?」
目をこらすと、《高飛車姫プリン》のカード。
「あれ?ま、いーか!貰ってくれや!」
「え?ええ?」
「それじゃあ、俺はレンの所に行くよ、じゃーな!」
「あ、うん・・・・・・。」
扉を開けながら最後にヒナタは振り向いてこういった。
「遅れてわりーけど、誕生日、おめでとう。」
「ヒナタ・・・・・・!」
「んじゃーな。」
そう言って、外に出ようとするヒナタにコトハが呼びかける。
「ヒナタ!!アタシ、このカードをずっと大事にするから!!ぜーったい、大事にするから!!」
「そっか。ありがとな。」
「《ボルメテウス・ゼロ・ドラゴン》・・・・・・。」
手に持ったカードを見ながら、レンは呟いた。まだ体は痛む。
「・・・・・・僕は・・・・・・。」
『ヒュー、冴えねえ面をしてんなァ!!』
「だ、誰だ!!」
思わず辺りを見回す。しかし、何も見あたらない。が、正面を向いた瞬間、視界がブラックアウトした。
「お前・・・・・・!!誰だ!!」
『まぁ、あのイカれた”教団”の連中じゃねえって事は言っておくぜ。』
「きょう・・・・・・だん?」
『それじゃあ、俺の肉体の代わりとなって貰おうか!!』
「なっ!うわあああああああああああああああああああああああ!!」
「おーい、レン!!見舞いに来てやったぜ!あれ?いねぇ・・・・・・。」
「僕を呼んだか。」
「お、レン、もう歩けたのか。」
後ろからレンの声がしたため、思わず振り向くヒナタ。が、次の瞬間、怪しい靄に包み込まれた。
「な、何だこれは!!昨日と・・・・・・全く一緒!?」
「クカカ・・・・・・!!暁ヒナタァ・・・・・・!待っていたぜ!」
レンが薄気味悪い笑い声を上げる。
「てめぇ、レンじゃねーな!!”教団”の連中か!!」
「ちげーな!俺の名はスミス。この世界のジョーカーとなる、アウトレイジだ!!この間まで眠っていたんだが、ちと昨日の騒ぎで目が覚めちまってよ。で、あのガラムマサラを倒したんだ。どれ程の実力か見せて貰うぜ!!」
「レンから出て行け!!」
「おーおー、熱いねェ、ヤベそーゆーの苦手だわ、マジ寒いんだよね。じゃあ、デュエマスタートと行こうかァ!!」
ターン7。スミスのターン。
「俺のターン、呪文・《ボーン・おどり・チャージャー》で墓地を肥やし、マナ加速!ターンエンド!!」
「俺のターン!!《埋葬の守護者 ドルル・フィン》召喚!!」
ヒナタは昨日からデッキを徹夜で改造し、低コストクリーチャーを大幅に削減し、闇文明を追加することで、さらに墓地戦略と自壊に磨きをかけた。自壊を聞くと、真っ先に自滅を思い浮かべる人がいるが、それは違う。自壊は立派なデュエマの戦略なのだ。自身を破壊することで、効果を得るカードもデュエマには沢山存在する。
埋葬の守護者ドルル・フィン C 闇文明 (3)
クリーチャー:ガーディアン 6000
ブロッカー(相手クリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーをタップして、その攻撃を阻止してもよい。その後、その相手クリーチャーとバトルする)
このクリーチャーは攻撃することができない。
このクリーチャーがバトルに勝った時、破壊する。
このクリーチャーが破壊された時、自分の山札の上から5枚を墓地に置く。
「ターン終了だぜ!!」
「俺様のターン。《破界の右手 スミス》召喚!!」
破界の右手(ブレイキン・ライト) スミス C 無色 (5)
クリーチャー:アウトレイジ 11000
「・・・・・・プッ、なーはっはっはっ!!なんかと思えば、バニラ(特殊効果なし)かよ!!心配して損したぜ!!」
「果たして、どうかな?」
「あ?」
《スミス》はパワー11000。確かにコストの割に高パワーだが・・・・・・。
「微妙すぎるだろ・・・・・・。俺のターン!!《腐敗勇騎ドルマークス》召喚!!効果で《ドルル・フィン》を破壊し、マナから1枚墓地に送る!!さらに、《ドルル・フィン》の破壊時効果で、山札から5枚を墓地へ!!さあ、お前も同様に破壊しろ!!」
腐敗勇騎ドルマークス R 闇/火文明 (4)
クリーチャー:ヒューマノイド/ゴースト 4000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャー1体を破壊し、カードを1枚自分のマナゾーンから墓地に置く。その後、相手はバトルゾーンにある自身のクリーチャーを1体破壊し、自身のマナゾーンからカードを1枚選んで墓地に置く。
「《スミス》を破壊し、マナから《激竜王》を落とす。」
「へへん、どーでい!!さらに、G・0で《盗掘人形モールス》を召喚し、墓地から《クロスファイア》を回収!!墓地が減ったから、《クロスファイア》のG・0は発動できないけど、ターンエンド!!」
「ほほう、どうやらお前はバニラビートの恐ろしさというモノを、理解していないようだな・・・・・・!!俺のターン!!《砂場男》召喚!!」
砂場男 UC 闇文明 (5)
クリーチャー:ヘドリアン/ハンター 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードに能力が書かれていない自分のクリーチャーを2体まで、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
「復活せよ、《破界の右手 スミス》!!《激竜王》!!」
激竜王 R 火文明 (7)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター 25000
「はぁ!?あり得ねぇ!!パワー25000!?」
「フハハハハハハ!!ターンエンド!!」
まずい、これはかなりヤバイ状況だ。
「いくらなんでも、純粋なパワーで殴り倒されるのがオチか!!くそ・・・・・!!待てよ、《禍々しい取引 パルサー》召喚!!効果で俺の手札を消滅させる!!」
「ほーう、ついにやけになったか。その手札には、貴様の切り札があるのだろう?」
「まだだ、カードを2枚ドロー!!そして、《ドルマークス》でシールド・ブレイク!!ターンエンド!!」
「いい加減にあきらめろ!!クロスギア!!《パワード・スタリオン》をジェネレート!!そして、《スミス》にクロス!!」
パワード・スタリオン SR 自然文明 (3)
クロスギア
これをクロスしたクリーチャーのパワーは2倍になる。
これをクロスしたクリーチャーは、パワー6000以上の時、「W・ブレイカー」を得る。
これをクロスしたクリーチャーは、パワー15000以上の時、「T・ブレイカー」を得る。
「嘘だろ!?パワー2万超えが2体も!?」
「そして!!《スミス》でT・ブレイク!!」
割られる3枚のシールド。しかし、奇跡とはあきらめなければ起こるモノだ。
「S・トリガー発動!!お前の時間は終わりだ!!アウトレイジMAX!!《終末の時計 ザ・クロック》召喚!!ここで、ターンをスキップし、俺のターンに!!」
「くッ、何だと!!」
「俺のターン!!G・0発動!!《百万超邪》クロスファイア召喚!!さらに、《インフェルノ・サイン》でもう1体の《クロスファイア》を復活させる!!」
《クロスファイア》が2体場に並ぶ。
「お、おいおい、ジョークだろ?こんなのが2体も出たら、俺はこのターンで、」
「うるせぇ!!《クロスファイア》2体で、残りのシールドを全部ブレイク!!《盗掘人形モールス》でトドメだぁー!!」
「う、うわああああ!!」
憑依していたスミスは、レンの体から離れ、同時に靄も消え去った。
「うぐぐ・・・・・・!この俺様が負けてしまうなんて・・・・・・!よし、お前!!気に入った!!」
「はぁ?」
「こいつは、お前のライバルなんだろ?」
「あ、ああ・・・・・・ライバル(本人談)だな。」
すると、スミスはとんでもないことを口走る。
「俺が、こいつのデッキに入る!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁ?!」
「そしたら、またお前と勝負できる!!」
「ま、まあいいか・・・・・・。」
「それじゃーなぁ!!」
すると、スミスはカードに戻り、レンのデッキに入った。《ボルメテウス》の枠を埋めるように。
「・・・・・・レンにはとりあえず、説明しておこう・・・・・・。」
そのころ。1人の男が、学院ナンバーワンを狙っていた。学院の屋上の上で、高らかに宣言する。
「くくく・・・・・・!!この、マーフォークの使い手、大海原ヒロシが、いずれは学院ナンバーワンになってくれるわ!!わーはっはっはっ!!」
そう言って、高笑いする。が、下から用務員さんが、
「こらぁー!!屋上に上っちゃいかん!!」
「す、すみません・・・・・・。」
もっとも、狙っているだけだったが。そして、ストーリーに関係ないから、今後登場しないが。
「う、うそーん!!」
つまり、この下りは、読者サービスのオマケということだが。
「ひ、ひどすぎる・・・・・・。」