二次創作小説(紙ほか)

ターン19:ダイチを司る者 ( No.61 )
日時: 2013/06/26 23:39
名前: タク ◆COeo3uVOjE (ID: 39RfU1Y2)

 朝。登校中に、暁ヒナタはふと人混みを見かける。人混みの中心では、2人の少年がデュエマをしているようだった。

「何だ?何の騒ぎだ?」

 そう言って、人混みを分けてはいる。片方の少年は、非常に背が高く、銀髪、そして女性的な顔立ちだった。(男性的な体型でなければ女と見間違えるところだった。)そして、その周りにはスーツを着た男性達と取り巻きと思われる生徒達。

「《希望の親衛隊 ラプソディ》召喚!!そして進化!《サイレント トパーズ》召喚!」

サイレンス(呪文たちの沈黙) トパーズ R 光文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
進化−自分のイニシエート1体の上に置く。
W・ブレイカー
誰も、自身のターン中、コスト4以上の呪文を唱えることはできない。

「いっけぇ!!W・ブレイクだ!!」
 
 割られるシールド。しかし、シールドをブレイクされ呪文を封じられたのにも関わらず、相手の銀髪の少年は余裕の笑みさえ浮かべている。

「それで、僕の動きを封じたつもりかい?でも、その効果はあくまでも、自分のターンのみだ。相手のターン、つまりS・トリガーには適応不可能だ!!S・トリガー発動!!《ホーガン・ブラスター》!」
「な、何!?」

ホーガン・ブラスター UC 水文明 (5)
呪文
S・トリガー
自分の山札をシャッフルし、上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。そのカードがクリーチャーであれば、バトルゾーンに出してもよい。呪文であれば、コストを支払わずに唱えてもよい。
※殿堂入り

「効果で、《獰猛なる大地》を唱えるよ!!《獰猛なる大地》の効果発動!僕は、ダイチ(マナ)からクリーチャーを一体、バトルゾーンへ!そして、君のダイチから《希望の戦士 ラプソディ》を選択し、バトルゾーンに出す。」


獰猛なる大地 R 自然文明 (8)
呪文
進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。相手のマナゾーンから進化ではないクリーチャーを1体選び、相手はそれをバトルゾーンに出す。その後、バトルゾーンから自分と相手のクリーチャーを1体ずつ選び、持ち主のマナゾーンに置く。
※殿堂入り

 互いのマナゾーンから、クリーチャーが現れる。

「そして僕はこのクリーチャーを出す!破壊こそ新たな命の糧なり。ダイチを司る龍《偽りの王 ヴィルヘルム》、爆誕」

偽りの王(コードキング) ヴィルヘルム SR 闇/火/自然文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーを1体破壊する。その後、カードを1枚相手のマナゾーンから選び、持ち主の墓地に置く。
相手のカードがどこからでも墓地に置かれた時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)

「そして、互いのバトルゾーンから1体ずつダイチへ!!僕は場の、《コッコ・ギルピア》をダイチへ置く!」
「あ、《トパーズ》が!!」

 大地はお互いに平等に牙をむく。まさに、このカードのフレーバーテキスト通りである。

「さらに、《ヴィルヘルム》の効果で、《ラプソディ》を破壊!」
「うっ!」
「そして、ダイチへカードをチャージ!!」

 つまり、たったの1ターンでバトルゾーン、マナゾーン、ともに銀髪の少年が上回ってしまったのである。

「僕のターン!!《偽りの王 ヴォルフガング》召喚!さらに、バトルゾーンの《メッサダンジリ・ドラゴン》の効果で、スピード・アタッカーに!《ヴォルフガング》でアタック!!」

 さらに、アタックする際にパワー6000以下を3体吹っ飛ばし、相手の場は全滅。さらにシールド0。

「くっ、シールド0枚!!」
「ザンネンだね。もう君の負けは決定的だ。違うかい?《ヴィルヘルム》でダイレクトアタック!!」
「ニンジャ・ストライク発動!!《光牙忍ハヤブサマル》召喚!!」

 救いの守り手。と、思われたが・・・・・・・。

「ニンジャ・ストライク発動!!《斬隠テンサイ・ジャニット》召喚!ザンネンだけど、ブロッカーには手札へリターンして貰うよ!」
「なっ、馬鹿な!!」
「《ヴィルヘルム》でダイレクトアタックだ!!!」
「う、うわああああ!!!!」

 銀髪の少年が高らかに直接攻撃を下すとともに、デュエマは幕を下ろした。

「かわいそうな弱い君に、教えてあげよう。デュエルで最も必要なもの、それはダイチだよ。まぁ、弱い奴には、カードを手に取る資格する無いけどね!!ハハハハハハ!!」
「うぅ・・・・・・。」

 銀髪の少年が、相手の少年を罵倒する。

「これを機に、僕に抗うことは止めることだね!素直に僕の言いなりになっていれば良い物を・・・・・・。」
「待てよ!!」
「あ?」

 ヤジの注目が、ヒナタに集まる。

「君は誰だい?勝手に入って来ないでくれたまえ。」
「るせェ!!言いなりとか、カードを手に取る資格がないとか・・・・・・デュエマは相手を傷つけるためにあるモノじゃない!何でそんなことを言った!」

 銀髪の少年に怒鳴るヒナタ。しかし、銀髪の少年はあざ笑うように言った。

「簡単だね。弱い奴を弱いといって何が悪いんだい?」
「ふざけるな!!そんなの間違っている!!デュエマに要らないカードなんか無いように、デュエリストの1人1人も可能性だ!」
「淘汰されてこその弱者・・・・・・じゃないかな?それに、君はデュエマに於いて、要らないカードはないといったが・・・・・・それは本当かな?たとえば、相当初期のカード。あんなもの、今では使い物になりやしない。それに、残念なスペックのカードだって、実際には存在する。君は現実を本当に見ているのかな?」
「くっ・・・・・・!」

 悔しいが、この少年の言っていることは確かに正論だ。

「僕のパパは、カード会社の重鎮だ。このくらい、知るのは簡単だね。」
「ぐッ・・・・・・!」
「僕はジェイコフさ。覚えておいて損はない人間だと思うよ。じゃーね、ジャパンの熱血ボーイ!ハハハハハハハハ!!」

 高笑いしながら、使用人&取り巻きとともに校門へジェイコフと名乗る少年は去っていった。


 昼休み。ヒナタとレンはデュエマしていた。

「ジェイコフ・クライニュー。父親はカード会社の重鎮で、しかも大金持ち。潔癖で、掃除等の汚れる作業が大嫌い。学校には使用人の運転する高級車で来ている。と、学院の情報屋とか言う奴が言っていた。ついでに言うと、中等部2年でお前は目上にタメ口を利いいた事になる。っていうわけで、《スミス》で攻撃!《破界秘伝ナッシング・ゼロ》をアタック・チャンスで唱える!!効果で、Q・ブレイカーに!」

破界秘伝ナッシング・ゼロ R 無色 (7)
呪文
アタック・チャンス−無色クリーチャー
自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。こうして見せた無色カード1枚につき、このターン、バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体はシールドをさらに1枚ブレイクする。見せたカードはすべて、好きな順序で山札の上か下のどちらかに戻す。

 喋りながら、ヒナタに猛攻を仕掛けるレン。

「まぁ、でもあんな奴は、俺は好きではないな!俺は生憎、相互主義者難でね。無礼者にまで敬語を使う気にはならないんだ!《ドルル・フィン》でブロック!破壊時効果で、山札から5枚を墓地に!」
「よし、《真実の名 修羅丸》でW・ブレイク!さらに、効果でこのクリーチャーを召喚する!神の預言者、オラクル光臨!《告別のカノン 弥勒》召喚!」

 現れたのは、オラクルのカード。

「ハハ!なんかそれ使ったら、教団の連中が出てきそうだな!」
「馬鹿め、同じゴッド・ノヴァでも、オラクルのカードでも普通に売られているカードではなく、教団の連中が使っているモノが問題なのだ。恐らくあれには何らかの仕掛けがあるはずだ。」

告別のカノン 弥勒 P 無色 (7)
クリーチャー:オラクル 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見て、その中から1枚選ぶ。相手はそれを自身の山札の一番下に置く。
W・ブレイカー

「効果で、お前の手札を見て・・・・・・よし、クロスファイアをデッキボトムへ!ターンエンド!!」

「へへん、俺だって新切り札持ってるモンね!俺のターン!激しく唸り、突風の如く相手を追い落とせ!!《疾封怒闘 キューブリック》!火のマナが3つ以上あるから、スピード・アタッカーに!」

疾封怒闘(スパイラルアクセル) キューブリック P 水/火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
自分のマナゾーンに火のカードが3枚以上あれば、このクリーチャーは「スピードアタッカー」を得る。
W・ブレイカー
このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれた時、自分のマナゾーンに水のカードが3枚以上あれば、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。

「W・ブレイク!!そして、」

 キーンコーンカーンコーン!!

「昼休み終わったぁー!!」
「ちゅ、中途半端すぎるっ!!」

 慌ててデッキを片付ける、2人。もうすぐ、5時間目の授業だ。



 そのころ、2-Aの教室では。

「ジェイコフさん。どうしたんですか?」
「ふふ・・・・・・、朝の1年、名前は分かるかい?」
「えっと、暁ヒナタとか言う奴です。」
「そうか・・・・・・楽しみだね。彼にデュエマに於いて強さとは、どういうことか、教えてやるのがね。」

 不敵な笑みを浮かべるジェイコフ。次回、急展開!!