二次創作小説(紙ほか)

ターン20:ライバル ( No.65 )
日時: 2013/06/29 22:49
名前: タク ◆COeo3uVOjE (ID: 39RfU1Y2)

「しかし、ヒナタの奴、だいぶ強くなったな・・・・・・。僕は、あのままだと負けていたぞ・・・・・・。」

 昼休み。校舎を散策するレン。向かうは、図書室だ。すると、肩に誰かぶつかった。

「いっ、す、すみませ・・・・・・ジェイコフ・クライニュー!?」
「やぁ、僕の名前を知っているとは、光栄だね。」

 ぶつかった相手は、ジェイコフだった。ジェイコフの周りには、取り巻きの2人がいる。

「おいこらァ!!ジェイコフさんにぶつかるたぁ、どいういうこったこらァ!!」
「おうおう、ジェイコフさんが怪我したらどーしてくれんだこらァ!」
(チンピラばっか!!)

 と言いかけるレン。すんでの所で、喉に言葉をとどめる。

「まぁ、落ち着きなよ、君たち。まあ、デュエルルームに来てくれよ。」
「?」

 

 ジェイコフに付いていき、辿り着いた先はD・ルーム。ジェイコフが取り巻きに呼びかける。

「あー、そうそう。これ、あげるから、ちょっと自販機で”うぉ〜い紅茶!”を買ってきてくれないかい?ホラ。」

 ジェイコフが、取り巻きの2人に、カードと小銭を差し出す。見れば、スーパーレアの《聖竜ボルシャック・ウルフェウス》のカード。それを見れば、デュエリストの血が騒がないわけも無く・・・・・・。

「行く行く、行ってくるぅー!!」
「おい、俺が貰う!!」
「俺だ!!」
「先に買ってきた方に、上げるよ。それと、アレも配っておいてくれ。」
「「おう、いってきまーす!!」

 ジェイコフの言葉を聞いて、2人とも走り去っていった。

「さてと。どうやら、その様子だと、余り僕のことを良いようには思っていないようだね?」
「ふん、朝のことはヒナタから聞きましたよ。」
「そうか。ザンネンだね。生憎、僕は僕を認めない人間を許さない----------------!!」

「デュエマで勝負しろと言うことですか。」
「イエス!D・フィールド、オープン!!デュエマスタートと行こうか!!」

 デッキケースを取り出す、ジェイコフ。



 ターン6。レンのターン。

「僕のターン!!呪文、《戦慄のプレリュード》を唱える!束縛を破界し、自由を手に入れろ!!我がこの世界のジョーカーとなる!!《破界の右手 スミス》召喚!!ターン終了!」
「3ターン目に、パワー11000のクリーチャー。まぁ、君をトランプに例えるなら、ジョーカー。異端児と言ったところだね。だけど、ジャパンにはこんな諺がある。」

 そう言って、ジェイコフはカードを引き、マナを支払い呪文を唱える。

「”出る杭は打たれる”。はみ出し者は引っ込んでな!呪文、《どんどん吸い込むなう》!!効果で、《偽りの王 ヴィルヘルム》を手札に!」
「なっ!!」
「そして、バウンス!!」

 《スミス》が手札に戻る。

「簡単だね。君の戦法を攻略するのは。」
「う、うるさい!!僕のターン!《ノウメン》召喚!ターンエンド!」

 すると、手札の《スミス》が囁く。《スミス》は意志を持った、アウトレイジのカード。持ち主との意思の疎通が可能なのだ。が、

『おいおい、ザマねーな!こんなんじゃあ猿にも勝てないぜ、潔癖ボーイ!』
「う、うるさい!!だいたい、貴様は僕のカードだ!僕の悪口を言うな!」
『誰が、てめーを主と認めた。俺は、暁ヒナタを倒したいから、てめーのデッキの中に入ったんだ。俺を倒したのは、暁ヒナタだ。』

 まあ、ごもっともである。

「くっ・・・・・・!」
「さて、僕のターン。《フェアリー・ミラクル》!僕のダイチに、2枚のカードをチャージ!ぶつぶつ言ってないで、集中したら?ターン終了。」

 見れば、ジェイコフのマナは6枚。しかし、その前に決めてしまわんとばかりに、ゼロビートの使い手、レンはクリーチャーを召喚する。

「僕のターン!《墓地の守護者 メガギョロン》召喚!効果で、《戦慄のプレリュード》を回収!さらに、《ノウメン》でシールドブレイク!」
『おい、俺を召喚しろ!!何で、俺を出さない!』
「五月蠅い、黙れ!!そして、《ノウメン》でシールド・ブレイク!」

 《ノウメン》によって、シールドが破られるジェイコフ。しかし、

「S・トリガー、発動!《ホーガン・ブラスター》!!効果でこのクリーチャーを召喚する!!」

 おぞましい殺気。現れたのは・・・・・・・!

「なッ!!こ、こいつは・・・・・・!!」
「ふふふ・・・・・・、ははははははは!!!」




「ま、負けた・・・・・・。」
「ザンネン、大したこと無かったね。やっぱ、”美しき零(ビューティフル・ゼロ)”の異名も、過去の話かな?だいたい--------------。」

 ジェイコフが、次の言葉を紡ごうとしたときだった。

「ゼロ文明だけでデッキを組むなんて、無謀すぎるとでも言いたげか?」

 デッキを手にとった、ヒナタの姿。

「ヒナタ!!」
「暁ヒナタ、やっぱ出てきたね。おおかた、友達の敵討ちかい?」
「友達?ちょっと、ちげーな。」
「あ?」

 ジェイコフが眉間にしわを寄せる。ヒナタが

「こいつはな、俺のライバルだ!!互いに競い合い、互いを高め合う!俺の学院で最初のライバルだ!!そいつを馬鹿にするのは許さないし、弱いとも言わせない!!」
「あくまでも、刃向かうのかい?まぁ良い。ここで、決着を付けよう。ただし、」

 見ると、沢山の生徒が席に座っている。

「沢山のギャラリーの中でね!!」
「やっぱり、あの広告で俺と生徒をおびき出し、ここに連れてくるのが目的だったか。」

 取り巻き達が配っていた広告には、”昼休み、デュエル・ルームでジェイコフ・クライニューVS暁ヒナタのデュエマが開始。来た人には、もれなくSRをプレゼント。”と書いてあった。どういうことかと、ヒナタはデュエル・ルームに向かったのである。

「------------------って書いてあった。で、SRは釣りなのか?」
「まさか。ちゃんと、良いカードを配っているよ。僕は詐欺師じゃないからね。もちろん、ちゃんと強いカードをチョイスさせて貰っているよ。」
「詐欺じゃないなら、いいや。ここで、決着を付けようぜ!!」
「ああ!!強さとは、何なのか君に教えてあげるよ!!」

 ヒナタVSジェイコフのデュエマが勃発!!次回、超決戦!!