二次創作小説(紙ほか)

ターン29:新たなる敵、そして0・メモリーとは!? ( No.85 )
日時: 2013/07/13 10:52
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 39RfU1Y2)

「下らぬ争いだ、日蓮。」
「イ、イズモ様・・・・・・!」

 空間の上空には、幼い子供の姿。しかし、服装は王を連想させ、そして妙な椅子に座っている。

「そ、それは・・・・・・!」
「フン、我等教団が開発した、0・メモリーによって超神化した龍、《神聖竜 ナイトメア・フリーズ》だ。全ては、”ヨミ”様復活の時までの下準備だが、これだけでもう十分な気がするのは、僕だけだろうか?さて、ご託を並べるのはそれまでにして、撤収だ日蓮。」

 イズモと呼ばれた少年は、そう言った。

「し、しかし、まだアカダシが・・・・・・!」
「あんなヤツ、放っておけ。」

 イズモは冷たくそう言う。日蓮は、それを聞いて影のように消え去った。

「さて、初めまして・・・・・・だね、暁ヒナタ君。」
「アンタも教団か。」

 ヒナタは、警戒しながら言った。

「この世には、沢山の”次元”が存在する。俗にパラレルワールドと言われる世界だ。例えば、誰かが1つの次元では、何かを実行したなら、別の次元でそれを実行しなかった次元も同時に誕生するんだ。例えば、君が存在しない次元も存在するんだよ。僕らは次元を移動する力を持つんだ。」
「次元・・・・・・だと!?」
「だけど、共通するのは、あるモノが存在しない世界に、それと同じモノは存在できない。だから、僕たち教団は次元を移動できてもデュエル・マスターズが存在しない次元に生きることは出来ない。実は僕らは、以前、この世界と同じく、デュエマが存在する世界を支配しようとした。だけど、ある種族に阻止され、封印された。」

 イズモは忌々しそうに言った。

「アウトレイジと5人のデュエリスト・・・・・・にね!」
(そいつはザマーだな。)
「だから、今度は別の次元を拠点に制圧する事にした、それがこの次元だ。何故この次元を選んだのか。それは、他の次元には存在しない、あるモノがあるからだ。」
「あるモノ・・・・・・!?」

 ヒナタは、話の内容を全部は飲み込めなかったが、1つだけ確信した。奴らは前にいた世界で、アウトレイジと5人の決闘者に計画を阻止された。だから次元を移動し、ここに来た。

「なーるほど、何なら自分らがやばくなる前に、前の次元からとっとと移動すれば良かったじゃないか。」
「次元移動の能力は、”次元移動装置”の大量のエネルギーが必要だ。あと少しの所で、まさかやられるとは思っていなかったよ。だが、僕らは復活した。そして、この次元を拠点にすることにしたんだ。0・メモリーがあるこの次元にね!」
「それが気になっていたんだ!0・メモリーって何だ!」

 ヒナタは問い質した。イズモは拒む素振りも見せず、答える。

「まあ、言うなればクリーチャーを強化する物質・・・・・・だね。まあ、教団の中には教団の目的に興味が無くて、そればかり追ってるヤツもいるけど、別に教団の目的を強制している訳じゃないからね。さて、0・メモリーは、オーロラが探してくれたお陰で手に入ったよ。」
「教団の目的は何だ!答えろ!」
「そこまで教えるわけがないだろう?それじゃあ、僕はもう行くよ。じゃあね!暁ヒナタ君!」

 そう言うと、イズモも消え去った。



 ターン12:封李のターン。

「俺のターン!《武闘龍 カツドン》を召喚だ!」

 現れたのは、赤くて丸っこく、ヌンチャクを持った龍。

武闘(カンフー)龍(ドラゴン) カツドン UC 火文明 (6)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 2000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+3000
このクリーチャーは、タップされていないクリーチャーを攻撃できる。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。

 スピードアタッカー、パワーアタッカー、アンタップキラー(アンタップ状態の敵を攻撃できる能力の俗称。)の3つの能力はシナジーしており、事実上、パワー5000以下を破壊できる効果と考えても良い。が、この能力の本質は、このクリーチャーのもう1つの能力を誘発させることが出来ることだ。

「すっげぇ!ホントに実体化しやがった!よし、《カツドン》で《ストーム・クロウラー》を攻撃!!」

 2体のパワーは同じだ。当然、相打ちだが・・・・・・。

「ドロン・ゴー発動!!《武闘将軍 カツキング》召喚!!」

 現れたのは、まさしく将軍と呼べる貫禄を持った、紅き龍。人型をしており、黄金の鎧は、将軍の名に恥じないとばかりに、龍の体を守っている。

武闘(カンフー)将軍 カツキング  ≡V≡  火文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 11000+
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのターン、このクリーチャーはタップされていないクリーチャーを攻撃できる。
∞パワーアタッカー(攻撃中、このクリーチャーのパワーは無限大になる)
このクリーチャーがバトルに勝った時、シールドを1枚ブレイクする。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。

『ウガガガ・・・・・・ニックキ、エグザイル・・・・・・!!』
「よし、《カツキング》で《戦攻のイザナイ アカダシ》破壊!《無法秘伝 悪・即・斬》をアタックチャンスで唱えて、アンタップ!さらに、バトルで勝ったから、お前のシールドをブレイク!《カツキング》でトドメだ!!」
『ウッ、ウガアアアアアアアアアア!!』

 アカダシは絶叫を上げると、光陣と共に消滅した。

「何とか、勝ったな・・・・・・。」

 封李は安堵の息をついた。



「しかし、一体何だったんだ、アイツは・・・・・・!」
「そうやな。」

 ヒナタはそう呟く。ドラポンも同意見のようだった。黒い靄もいつの間にか晴れていた。

「よっ、暁ヒナタって言ったな。」
「!」

 ヒナタは思わず振り向いた。

「俺の名は、零皇咲 封李。鎧龍学院、4年生だ。」
「せ、先輩!?」
「そう固くなるな。俺は後輩に敬語で呼ばせるのは、嫌いでな。」
「そ、そうなんだ・・・・・・。」

 ヒナタは封李の笑みを見て、思わず安心した。

「アイツら、教団とか言ったな。何が目的なんだ?」
「俺にもさっぱり・・・・・・。」
「まあ、良い。また、学院で会おうや。じゃあな!!」

 そう言って、封李は去っていった。

「教団。お前らが何を企もうが、俺達が絶対阻止してやる!」

 ヒナタは、顔を上げて、そう言った。