二次創作小説(紙ほか)

ターン33:交流試合! ( No.99 )
日時: 2013/07/20 10:25
名前: タク ◆XaammrlXPk (ID: 0.DI8Vns)

「えーっと、このカードはは抜いて、これは入れて・・・・・・。《エマージェンシー・タイフーン》は抜こうか。呪文の比率を大きくしたくはないし・・・・・・でも、やっぱ入れた方が良いよな・・・・・・。」

 次の日の朝。HR前だが、暁ヒナタはデッキ改造をしていた。それを見て、クラスメートである茅山リョウはヒナタに声を掛ける。

「朝早くからデッキ改造なんて、どうしたの?」
「悪いか?とにかく、呪文が多少多い今の編成を見直して、クリーチャーの比率を出来る限り上げたいんだ。S・トリガーもクリーチャーにして・・・・・・あ、《インフェルノ・サイン》は便利だから入れておこう。」
「それは良いね!《ドルル・フィン》の効果で、山札から落とせるクリーチャーが多ければ、《クロスファイア》の召喚にも役立つ!」

 リョウは感心したように言った。

「んじゃあ、後はこれで決まりだな。ずっと封印していたカードだが、教団がはびこる今の状況なら致し方ねえ。」

 そう言って、あるカードを1枚、デッキに入れた。それは、黄金に輝く龍のカードだった。

「これで良し。」




「・・・・・・お前、それ本当か?」

 デュエマの最中だが、思わずヒナタは対戦相手に聞き返した。対戦相手---------如月コトハは頷く。

「本当よ!だって、昨日いきなりデュエマを仕掛けてきたと思ったら、急に仲間になりたいって・・・・・・。」



 昨晩。

「ちょっと、勝手なことを言わないでよ!」
「最近、教団の雲行きがだんだんおかしくなってきてね・・・・・・イズモ様が教団のトップについてからよ。次々に、デュエリストを倒していって、厄介なカードを封印していってる。何のためか知らないけど、最初は従ってたんだ。でも、だんだん、最初に私がやりたかったことは何か?って見直してみたら、こんなことをやってるのも、馬鹿馬鹿しくなって・・・・・・。」
「そ、そうだったんだ。で、でも!完全に信用した訳じゃないから!」




「と言うわけ。」
「一応、警戒は必要だな。友好的とはいえ、そいつは元は教団だ。オーロラは。」

 横から、黑鳥レンが口を挟む。明らかに、オーロラが仲間に入ったことに対し、不服そうだった。

「んじゃあ、《爆裂マーズ ギル・ヒドラ》召喚。」

 そう言って、カードをバトルゾーンへ置いた。どのみち今は、デュエマの最中だ。

爆裂マーズ・ギル・ヒドラ R 火文明 (6)
クリーチャー:フレイム・コマンド/エイリアン 6000
スペース・チャージ:闇(自分のマナゾーンに闇のカードが置かれた時、このクリーチャーのSC能力を使ってもよい)
SC−クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。
W・ブレイカー

「へへ、スペース・チャージ能力が超強力なんだ!《奪い去る者 ザビフライ》でシールドブレイク!」
「あちゃ、しくったなぁ・・・・・・なーんて、嘘に決まってるでしょ!S・トリガー、《ナチュラル・トラップ》!《ギルヒドラ》を除去!」

 早速、回収手段の芽を摘まれるヒナタ。が、ここからでも立て直すことは可能だ。

「アタシのターン!確かに、オーロラへの警戒は必要ね。《妖精のイザナイ オーロラ》召喚!」
「全然警戒してねーだろ!!何!?お前、俺に嘘付いたの!?デッキに入れた時点で、むしろ意気投合してるよね!」
「良いの?《スーパーゴーオン・ピッピー》でシールドブレイク!」
「ああっ!ちくしょォ!」

 シールドが割られ、声を上げるヒナタ。しかし-----------------

「S・トリガー発動!《インフェルノ・サイン》で《セブ・コアクマン》を召喚!」

セブ・コアクマン C 水文明 (4)
クリーチャー:サイバーロード/エイリアン 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せてもよい。その中から光と闇のカードをすべて自分の手札に加え、残りを墓地に置く。

「効果で、3枚のうち《盗掘人形モールス》を加えて、《百万超邪 クロスファイア》、《アクア・サーファー》を墓地に落とす!」

 通常、このクリーチャーは光・闇文明中心のデッキにドローソースとして投入される。しかし、ヒナタは別に手札補充のためにこのクリーチャーを入れたわけではない。闇文明のカードは確かに入れてあるが、それ以上に”墓地肥やし要員”として、力を発揮するのだ。

「まさか・・・・・・!ターン終了よ!」

 つまり、

「俺のターン!G・0で《盗掘人形モールス》召喚!そして、効果で《クロスファイア》を回収!そして、《百万超邪 クロスファイア》召喚!いっけぇ!!W・ブレイク!《ザビフライ》でトドメだぜ!!」
「そ、そんな・・・・・・。」

 このように、《クロスファイア》の召喚を助ける結果となる。しかも、墓地回収要員の闇文明を同時に手札へ調達できるというコンボも可能なのだ。

「なははー!俺の勝ちだぜ!」
「惜っしいなぁ・・・・・・!後ちょっとだったのに・・・・・・。」

 コトハは悔しがりながら、デッキを片付けた。




「今日は異学年交流試合の日だ。本日のD・リーグはいつもと違い、S・ポイントの増減はなく、そしてランダムで中等部2年、中等部3年、高等部1年の人間と闘う。なお、高等部2年、3年はあまりにもお前らと実力が離れすぎているという理由で、今日は闘わない。ちなみに、これは成績に関係してくるので手は抜かない良いように。」
「えぇー!!?」

 朝のHR。ヒナタはうとうとしながら、先生の話を聞いていた。教室からは大声が上がる。

(交流試合・・・・・・んじゃ、封李さんと闘るかも・・・・・・まさかね・・・・・・。)




 D・リーグ異学年交流試合。ヒナタ達1年は対戦相手が公表され、指定の対戦テーブルへと向かっていた。

「第一回戦の相手は・・・・・・”星目テツヤ”さんか・・・・・・。どっかで聞いたことあるような・・・・・・。」

 そうこうしているうちに、指定された場所に着いたヒナタ。対戦相手の顔をふと見る。整った顔立ちにストレートな黒髪。そして、彼は鋭い眼光をヒナタへ向けた。

「俺は中等部3年、星目テツヤ。暁。お前のことは知ってる、相当腕が立つようだな・・・・・・!」
「!」
「久々に良い相手とやり合えるぜ・・・・・・!!」

 むき出しの闘争心がとても怖い。ヒナタは、思わず1歩引き下がった。

「シントさんと知り合いですか。」
「はぁ?あんなクズ野郎。誰が知るか。」

 テツヤは軽く言い放った。が、その言葉はヒナタの逆鱗に触れる。

「アンタ今、何て言った!」
「だから言ったんだよ。”無頼シントはクズ野郎”ってな!」

 テツヤの表情はヒナタの怒りの表情を見て、おののくどころか、むしろ楽しんでいるように見る。が、ヒナタの怒りは本気だ。

「シントさんは、俺がデュエマを始めるきっかけだった!あの人のデュエマを見て、俺はデュエマを始めようって思ったんだ!それをバカにするヤツは、例えアンタみたいな先輩だろうが、許さねえ!!」
「ほーう、勇ましいねェ。あんなヤツのデュエマを見て、デュエマ始めるバカが居たとか、正直信じられないがな・・・・・・調子乗ってんじゃねェよテメェ!!」

 急にそれまでの、表情が一転。荒々しい顔に変わるテツヤ。ヒナタは、一瞬びくついたが、今度は引き下がらなかった。

「後輩は、後輩らしく、大人しく引き下がってろ!納得いかないなら、デュエマで勝負つけな!!」

 そう言って、デッキを取り出すテツヤ。ヒナタも同じく、デッキを取り出す。

「俺の夢をバカにした、アンタが本当のクズ野郎だ。ぶっつぶしてやる!」
「覚悟しろ。この知将、”ハイドロ・ブレイン”の異名、伊達じゃないと言うこと、思い知らせてやろう!」




 ターン5。テツヤのターン。

「俺のターン。《霊王機エル・カイオウ》召喚だ。ターン終了!」

 早速ブロッカーを繰り出す、テツヤ。しかも、《エル・カイオウ》はグレートメカオーとアーク・セラフィムという、強力なサポートを受けられる種族を2つも持つ。

(あの人のデッキが、どっちの種族デッキか、いやそれともヘヴンズ・ゲートデッキか・・・・・・!?読めない、まだこの時点では、あれこれ詮索しない方が良いな。)

「俺のターン!《奪い去る者ザビフライ》召喚。ターン終了だ!」
「へぇ、流石だ。その程度なんだからな!俺のターン。《弾丸透魂スケルハンター》召喚!」
(グレートメカオー使いか。)

弾丸透魂スケルハンター R 水文明 (3)
クリーチャー:グレートメカオー 1000
このクリーチャーは攻撃されない。
このクリーチャーはブロックされない。
このクリーチャーはクリーチャーを攻撃できない。

「って、攻撃もブロックもされないクリーチャー!?」
「ああ。こっちはブロッカーで止めている間に、こいつで暴れ回れるんだよ!ターン終了だ!」

 現れたのは、厄介なグレートメカオー。間違いない。星目テツヤはグレート・メカオーの使い手だ。

「くっ、俺のターン!《埋葬の守護者 ドルル・フィン》を召喚!《ザビフライ》でシールドに攻撃!」
「受けよう。俺のターン。《ペトリアル・フレーム》をジェネレート!ターン終了だ。」

ペトリアル・フレーム R 光文明 (3)
クロスギア
相手がバトルゾーンのクリーチャーを1体選ぶ時、これをクロスしてあるクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、これをクロスしてあるクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)

 クロスギア。クリーチャーに装備する装具。クリーチャーにクロス(装備)するには、バトルゾーンに出す(ジェネレート)と装備(クロス)で2度コストを支払わなければならない。

「ヤツを破壊しないと!まずは、クリーチャーで突破する!《双拳銃 ドラポン》召喚!ここは、ターン終了!」
『ヒナタ!おだんらの実力、見せちゃろうや!』
「おう!」

 意気込む、2人。しかし、

「ほぅ、クズデュエリストにクズクリーチャー、お似合いだぜ・・・・・・!!俺のターン、《救急機装レスキュー・スペース》を召喚!」

救急(けっぱれ)機装レスキュー・スペース P 水文明 (4)
クリーチャー:グレートメカオー/アンノイズ 2000
自分のグレートメカオーの召喚コストを最大2少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。

 テツヤによって現れたのは、コスト軽減のクリーチャー。しかも、グレートメカオーは元々、軽量中量クリーチャーが揃っている種族。

「やべェ、大量展開するつもりか!」
「ああ、そうともさ。そして、《スケルハンター》でシールドをブレイク!」
「ああっ!シールドが!」

 シールドが割られるヒナタ。

「さらに、ブロックされなかった場合、バイオ・K発動!《奇術ロボ・ジェントルマン》を墓地に送り2枚ドロー!」
「て、手札がまだ切れてない・・・・・・!!」
「ふん、ターンエンドだ。」

 あざ笑うように、ターンを終了するテツヤ。恐らく、まだヒナタで遊んでいるような状態なのだろう。

「俺のターン!《腐敗勇騎ドルマークス》召喚!効果で《ドラポン》を破壊し、《弐超拳銃 ドラゴ・リボルバー》にドロン・ゴーだぜ!ターンエンド!」
「無駄だ!俺のターン、《エル・カイオウ》進化!」

 そう言うと、テツヤはカードを重ねた。現れるのは進化クリーチャー。それも、機械王の中の機械王。

「戦慄せよ!潜伏せよ!制圧せよ!無敵の巨兵、ここに現れん!《無敵巨兵グランダイバーX》召喚!!」
「で、出てきたな!!」

 進化クリーチャー登場によって、形勢が傾くこの闘い。勝つのは一体!?