二次創作小説(紙ほか)

告白予行練習〜another story プロローグ ( No.10 )
日時: 2013/08/11 20:14
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: qvpAEkAG)


 高鳴る心臓の音


 徐々に上がる体温


 君を想うこの気持ち


 すべて伝わってしまえばいいのに——

告白予行練習〜another story〜 1 ( No.11 )
日時: 2013/08/11 20:38
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: qvpAEkAG)


「すっ、好きです!!」

 俺——黄瀬涼太は今、告白を受けている。
 自慢ではないが、学業の傍らモデルをやっているためか、女子からの告白はよく受けていた。
 普段は断っていたが、今は状況が違う。
 なぜなら、今告白しているのは、俺が高校に入ってからずっと片想いをしている相手——

 ——本宮鈴なのだから。

Re: 【黒バス短編集】告白予行練習〜another story〜 ( No.12 )
日時: 2013/08/11 23:23
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: qvpAEkAG)

【お知らせ】
*参照100突破!!*

参照100突破しました!! 更新遅いのにも関わらず、ここまで読んで下さった皆さまに感謝です!!m(__)m

前のあとがきに書きましたが、参照が100を越えたのでリクエストを募集したいと思います。
今書いている「告白予行練習〜another story〜」が書き終わり次第募集しますので、ぜひご参加下さいm(__)m

これからもよろしくお願いします!!

以上、作者でした!

告白予行練習〜another story〜 2 ( No.13 )
日時: 2013/08/12 14:04
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: qvpAEkAG)


 本命の女子に告白された驚きで固まっていると、
「……な〜んてね!」
 という明るい声が聞こえてきた。
「——へっ?」
 予想外のセリフにマヌケな声が出てしまった。
「どっ、どういうことなんスか!?」
 と改めて聞いてみる。
「今のは告白予行練習!! 黄瀬君、女子から結構告白されていると思って練習台になってもらったんだけど……って、黄瀬君?」
 『告白予行練習』の後からの言葉は頭に入らなかった。

 予行練習という事は、本命の人がいるという事で。


 俺を練習台にしたという事は、その本命は俺ではない訳で。


 この恋は俺の片想いで終わる事を一瞬で理解してしまった。

 失恋したと分かった瞬間、色々な感情が表に出そうになり、どんな顔をしたらいいか分からなくなった。

「あの……黄瀬君?」
「そんな事言ったら、俺本気になるっスよ?」
「えっ!? えっと……だから練習だって!!」
 自分の表情を誤魔化すために言ったイジワル。

 これで少しでも俺の事を気にしてくれるといいなと願いながら。

告白予行練習〜another story〜 3 ( No.14 )
日時: 2013/08/13 15:37
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: cs0PNWSr)


 学校からの帰り道——

 俺は鈴っちと寄り道をしながら帰って来た。
 さりげなく告白する日を聞いた所、どうやら明日の放課後らしい。
「明日……か……」
 自分の部屋で一人ポツリと呟いた。

 鈴っちが好きな男とはどんなヤツなんだろう。
 全く想像がつかない。
 この際、本人に聞いてしまおうか?
 ……でも知りたくない……

 色々な感情がごちゃ混ぜになり、もやもやしながらベッドにダイブした。
 疲れて眠いはずなのに、なかなか寝ることが出来なかった。


 「好き」という言葉が例え偽りでも、一瞬でも、俺に向けられていることが嬉しかったというのは、誰にも言えない俺だけの秘密だ。

告白予行練習〜another story〜 4 ( No.15 )
日時: 2013/08/14 20:56
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: IQBg8KOO)


 翌日の放課後——

 HR(ホームルーム)が終わった後、部活が無い俺は教室を出て帰ろうと準備をする。すると、
「あの、黄瀬君?」
 鈴っちに声を掛けられた。
「どうかしたんスか、鈴っち?」
「帰るところ悪いんだけど、練習もう一回良い?」
 練習とは告白練習のことだろう。
「もちろんいいっスよ」

 この練習が終わったら、鈴っちは本命の男の所へ行くのだろう。
 こんな事なら自分から告白しておけばよかったなんて後悔しつつ、鈴っちの告白練習に付き合った。
「好きです!!」
「もっと気持ちを込めて!」
「ん〜……好きです!!」

     *

「それじゃ頑張って下さいっスね!! 応援してるっス!!」

 今の俺には鈴っちの幸せを願うことしか出来ないから。


 その幸せにきっと俺は必要ないから。


 邪魔者は早く退散しようと思った。だが——

「待って!!」
 後ろから鈴っちに腕を捕まれた。
「ん? どうかしたんスか?」
 鈴っちは何かを決意したような強い眼差しで俺を見て、驚くべき言葉を発した。

「黄瀬君……ウソつきでごめんなさい。ずっと前から好きでしたっ……付き合って下さい!!」

 夢じゃないかと思った。

 あるいは奇跡か。

 昨日『告白予行練習』と言われてからこの瞬間まで諦めていたのに、まさかここで俺の恋が叶うなんて……

 (あんなに練習したのに、声震えてるじゃないスか)

 そんな所もカワイイと思いながら、俺は余裕なフリをして返事をする。


「こちらこそ!!」