二次創作小説(紙ほか)

 恋花火 プロローグ  ( No.20 )
日時: 2013/08/29 00:33
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: bh4a8POv)


 花火——それは美しくも一瞬で終わって、無くなってしまう儚いもの。


 だが、私の胸の中には一生輝く花火がある。


 それは終わりなどではなく、私と彼との始まりの花火。


 名付けるなら、そう、


 ——恋花火——

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.21 )
日時: 2013/08/29 03:25
名前: 海燐 (ID: mwz5SFMT)

初めまして!!現在、高尾及びアニメ高尾の中の人が好きすぎる海燐です!!
余談ですが私も黒バスは書いていて、現在高尾を相手にした恋愛話を本編で書いていますww
それくらい、好きなんですよwww

なので相手が高尾という事にめちゃくちゃテンションがあがってます!!
楽しみにしてます!!頑張って下さい!!

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.22 )
日時: 2013/08/29 08:32
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: xSFqyKL7)

海燐さん
初めまして!! コメントありがとうございます!!
私も高尾君好きですww

実は私、海燐さんの作品読んでいるんです!(コメントしたことはありませんが…)
本当にお上手で尊敬します!!

なるべく早く更新できるように頑張ります!!
海燐さんも頑張って下さい!!

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.23 )
日時: 2013/08/29 13:37
名前: 海燐 (ID: mwz5SFMT)

読んでいただいてるとは…!!
こちらこそありがとうございます!!!!
尊敬なんてされる者じゃないですよ…あ、私は呼び捨て&タメで構いませんよ?

更新いつでも待ってます!!
もちろん私も頑張ります!!

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.24 )
日時: 2013/08/29 20:49
名前: えり (ID: cASJvb5A)


 はじめまして緑茶さんー!!

 いつも見させていただいておりました
 高尾くんだと聞いて初コメしにきましたw

 黄瀬くんと高尾くんが大好きですww

 これからもがんばってください!応援してます!!

 あと、リクってどこですればいいですか?

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.25 )
日時: 2013/08/29 22:54
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: tOdZcpTQ)

海燐さん
私も呼び捨て&タメでOKですよ!!
よろしくお願いしますね!

えりさん
コメント&応援ありがとうございます!!
頑張ります!!
リクエストは>>17を参考にして下さい。
コピーが面倒なら、おおざっぱでOKですよ!!

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.26 )
日時: 2013/08/29 23:24
名前: えり (ID: cASJvb5A)



 わたしも呼び捨て&ためでいいですか?
 緑茶さんも呼び捨て&タメでお願いします!


 【夕日坂】

 【黄瀬くんお願いします><】

 【うちのオリキャラの水城悠(みずきゆう)でお願いします!
  性格は、明るくて優しいけど、少し怒りっぽくて
  いろんなことを我慢してためこんじゃう性格です
  一人称はあたしで、○○だよーとかよく言います】


 お願いします><

 恋花火 1  ( No.27 )
日時: 2013/08/30 00:22
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: tOdZcpTQ)


 ——とある夏の平日の昼休み——


「ねー真ちゃん。今度は土曜日の夕方から夏祭りがあるんだって! 部活も無いから行かね?」
「興味が無いのだよ」
「ヒドッ!! ねー、ひめちゃんはー?」
 私——小森姫夏は、視線を窓の外から隣の席の高尾君とその後ろの緑間君に移した。
 因みに『ひめちゃん』というのは私のあだ名で、姫夏の姫からきてるらしい。……姫って程可愛くないし、お嬢様でもないのだが……
「何の話?」
 あまり話を聞いていなかった私は聞き返した。
「今度の土曜ヒマだったら祭り行こうって話」
「お祭り? 面白そうだね!」
「だろ〜? でも真ちゃんは興味無いんだって」
「え〜。真ちゃんお祭りキライなの?」
「高尾と行くことに興味が無いのだよ。……と言うか、その呼び方やめるのだよ!!」
「「え〜……ケチ」」
「ケチとは何だ!? ケチとは!?」

 ——高校に入ってから四ヶ月。高尾君と緑間君と友達になってから、毎日が楽しく、忙しく過ぎていき、もう夏休み間近になった。
 基本高尾君と緑間君と一緒に行動しているからか、何度か女子に「付き合ってるの?」と聞かれた事があった。私は二人とも友達としては好きなんだけど……
 そんな事を考えていると、あっという間に昼休みが終わった。

        *

「じゃ、今度の土曜の五時半に神社前集合な!」
「りょーかい!」
 そんなこんなでバタバタと、高尾君と一緒に夏祭りに行くか計画が進んでいった。
 緑間君も誘ったのだか、他の人と一緒に行く予定があるらしい。……相手は聞いても教えてくれなかったが……

「あ、そうそう。どうせ祭りに行くなら浴衣で行こうぜ!!」
「ゆ、浴衣!?」
 祭りだから浴衣はOKだと思うが……少し恥ずかしい。
「ん? 浴衣持ってねーの?」
「持ってはいる、けど……」
「じゃ、決まり!! 俺も浴衣で行くから。なっ!」
「……うぅ」
 こうなったらもう断れない。
 いっそのこと「持ってない」とか言えばよかったと、後悔しても遅かった。

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.28 )
日時: 2013/08/30 00:35
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: tOdZcpTQ)

えりさん
呼び捨て&タメOKです。
次から呼び捨て&タメでいきますね!

リクエスト了解しました!!
「恋花火」が終わり次第始めるので遅くなると思います……すみませんm(__)m

私、実はえりさんの小説読んでいるんですよww
とても良い小説だと思います!!
だから尚更あのカワイイ悠ちゃんがキャラ崩壊してしまうのが恐いです(;つД`)
全力で頑張ります!!

 恋花火 2  ( No.29 )
日時: 2013/08/30 20:48
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: At2gp0lK)


 ——土曜日——

「ねぇ、本当の本当に大丈夫?」
「本当の本当に大丈夫よ。ちゃんと可愛くなったから」
 お母さんに着付けをしてもらい、私は白の生地に大小の花火が描かれている浴衣に赤い帯を巻いた姿になっていた。
「う〜ん……でもちょっと帯キツくない?」
「それくらいがちょうど良いのよ。我慢しなさい。……そろそろ時間でしょ? 楽しんで来なさい」
「はーい!」
 着付けをしてくれたお母さんに感謝しつつ、私は家を出た。


      *


 浴衣と下駄では動きにくいので、ゆっくり歩きながら神社前に着いた。
 周りは少し人が多かったが、すぐに高尾君を見付けた。待ち合わせ時間の五分前に着いたのに……いったい何分前から待ってくれたのだろうか?

 高尾君は群青色の浴衣にクリーム色の帯を巻いた姿だった。
 もっと明るい色が似合うと思っていたが、意外に暗い色も似合っている。普段とは全然違う雰囲気で、普通にカッコいい……って、何を考えているんだ私は!?

 一人でゴチャゴチャと考えていると、
「ひ〜めちゃん!!」
 高尾君の方から近づいてきた。
「浴衣似合ってるじゃん。カワイイよ♪」
「へっ!? あ、ありがとう。高尾君も似合ってるよ」
「サンキュー! さっ、行こうぜ!!」
 と、私でも右手を取って神社の中に向かって歩き始めた。

 私の心臓は張り裂けそうなスピードで鼓動を刻んでいる。
 これだけ意識してしまうのは、きっと服や雰囲気が普段とは違うせいだと思いながら、私は高尾君の後を追った。

 繋いだ手から心臓の鼓動が伝わってしまわない事を願いながら。

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.30 )
日時: 2013/08/30 20:59
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: At2gp0lK)


【お知らせ】
*参照200突破!!*

参照が200を突破しました!!
こんな私の作品を読んで下さる皆様、コメントをくれた海燐とえりに心から感謝します!!
本当にありがとうございましたm(__)m

学校が始まりますし、掛け持ちの方もそろそろ進めなくてはいけないので、更新が遅くなると思います……
あ、でも、今書いている『恋花火』とえりのリクエスト『夕日坂』はなるべく早く更新できるように頑張ります!!

これからもよろしくお願いしますm(__)m

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.31 )
日時: 2013/08/30 22:11
名前: えり (ID: cASJvb5A)



 読んでくれてたの!?
 それはありがとうww
 
 そんな事言われると照れますー!!

 悠もきっと照れますー(笑)
「あたしがかわいいっ!?
 こんなブサイクのどこがぁ!?
 でも、そのー、ありがとう、ございます…」
 とか絶対言うってwww

 これからもわたしと悠たちをよろしくです!


 祝!!200突破!!
 おめでとーっ!≧U≦

 これからも更新ファイトー!

 

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.32 )
日時: 2013/08/30 22:19
名前: 名無しさん@アラスカ州 (ID: SFUeWmbv)

二次創作でタイトルにオリジナルだなんて文章いれて、ちょいと意味がわかりませんね……。おこがましいとは思わんかね。

Re: 【黒バス短編集】恋花火【オリジナル】  ( No.33 )
日時: 2013/08/30 23:03
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: At2gp0lK)

えり
ありがとう!! 頑張ります!!

名無しさん@アラスカ州さん
コメントありがとうございますm(__)m
【オリジナル】と言うのは、今まで【黒バス短編集】〜〜【ボカロ】と言う題名でやっていたので、「ボカロではありません」と言う意味で付けたのですが…(^^;
確かにそうでしたね……すみません。直しておきます。ご指摘ありがとうございましたm(__)m

 恋花火 3  ( No.34 )
日時: 2013/08/31 21:39
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: At2gp0lK)


「ひめちゃん、次あっち!!」
「はいはい」
 私は特にどこに行くか決めていなかったので、高尾君についていったのだか……私と同い年のはずなのに、まるで弟みたいだ。
「今、ガキみたいって思ったでしょ?」
「い、いや、そんな事思ってないよ」
「いーや思ったね。だいたい祭りではしゃがないひめちゃんの方が変なの!」
「……これでもはしゃいでるよ?」
「ウソ!?」
 そんな雑談をしながら楽しく屋台を巡った。


         *


 ——数時間後——

 屋台巡りが楽しくてはしゃいでしまったのが原因なの、いつの間にか靴擦れ(下駄だが)を起こしてしまった。
 始めはまだ我慢できたが、それも難しくなってきた。
 これからどうしようか考えていると、
「ひめちゃん、こっち」
 と、高尾君が少し屋台から離れた場所にあるベンチに連れていった。

「? どうしたの? こんな所に来て……」
「とりあえず座って」
 言われた通りに座ると、高尾君は私の足元へしゃがみこみ左足の下駄を脱がせた。
「っ!!」
「血がにじんでる。……やっぱり我慢してたか……」
「え? 何で……」
「鷹の目なめんなよ。足引きずってることくらいすぐ分かったての」
 高尾君は下駄を私の足にそっと戻し、隣に座った。
「悪かったな……ムリさせて」
「ムリなんかしてないよ! はしゃぎすぎた私が悪いんだから、高尾君はちっとも悪くなんか」
「だったら!!」
 高尾君は私の目を真っ直ぐ見ながら、今まで聞いたことないくらいの真剣な声で言った。
「だったら今度からちゃんと言って。我慢なんかしないで。お願いだから」
「……うん。ごめんね、心配かけて」
「分かればよし! ちょっと近くのコンビニ行って絆創膏買ってくる」
 いつもの調子に戻った高尾君がベンチから立ち上がりながら言った。
「え、悪いよ」
「いーから、いーから。その足じゃ歩けないでしょ? 絆創膏あるだけでも変わると思うし……それとも、ここからひめちゃんをおんぶして送って行こうか?」
「…………絆創膏買って来て下さいお願いします」
「よし! 十分くらいで帰るから、大人しくしてろよ!」
 そう言いながら高尾君はコンビニへ向かっていった。

 ……大人しくしてろって、私はペットか何かなのだろうか……

Re: 【黒バス短編集】恋花火  ( No.35 )
日時: 2013/09/01 13:08
名前: 海燐 (ID: mwz5SFMT)

TMHSK(高尾マジハイスペック彼氏)ィィィィィィ!!!
ホント、タカオリズムがとまらない!!!!

あ、ちなみに上のアルファベットのあれはpixivのネタで
タカオリズムは黒バスのラジオでたっつん(高尾の中の人)が言ってたワードです。
黒バスの第2クールのEDカタルリズム歌ってるのって高尾の声の人のバンドだからww

いやいや、このあとの展開がどうなるのか楽しみでしょうがない!!!
緑茶、頑張って!!!

Re: 【黒バス短編集】恋花火  ( No.36 )
日時: 2013/09/01 16:52
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: ylDPAVSi)

海燐
ありがとう!! 
今後もニヤニヤする展開を考えているよ! グフフ(。-∀-)
更新頑張るね!

 恋花火 4  ( No.37 )
日時: 2013/09/04 00:12
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: Ueli3f5k)


 ……何分くらいたっただろうか。バッグから携帯を取りだそうと探っていると、
「ねぇ、そこの君♪」
 少し上から声がした。
 声がする方を見上げると、同い年くらいの男子たちが私の前に立っていた。
「……何か?」
「一人? だったら俺たちと一緒に祭り回ろうぜ」
「いえ、連れを待っているので」
「いいじゃん別に。携帯で連絡しとけば。なっ!」

 ……しつこい。それに馴れ馴れしい……

「……失礼します」
 足が痛むが、そんな事は構っていられない。今はコイツらから離れたかった。高尾君には後で連絡すれば——

「ちょっと待ちなよ」
 と、一人の男が歩き出した私の右手を掴んだ。
「……まだ何か?」
 今まで出したことの無いくらいの低い声で言う。
「少しくらい良いじゃん」
 強い力で引っ張られる。男女の力の差が出てしまい振りほどけない。
「いやっ……離して!!」
 無理に振りほどこうとして、バランスを崩して——何かにぶつかった。

 そしてそれは——その人は私の首に腕を優しく回しながら言った。


「コイツ俺の女なんで。手ぇ出さないでもらいます?」


「ちっ、男連れかよ……オイ、行こうぜ」
「お、おう」
 そそくさと男たちは帰って行ったがその人——高尾君は腕を外す気配がなくそのままだった。
「あ、あの、高尾君。あんなウソまでついて、助けてくれてありがとう」
 とりあえずお礼を言うと、やっと腕を外して、
「……別に。あーやって言った方が手っ取り早いし。……それよりもう一回ベンチに座って。絆創膏貼るから」
 と、もう一度ベンチに連れて行った。


        *


「……これでよし。少しはマシになっただろ」
「うん。これならちゃんと歩けると思う。本当にありがとう」
「どういたしまして。……あ、これから打ち上げ花火があるらしいから見に行こうぜ!」
「分かった。行こ!!」
 絆創膏を張って少しはまともになったが、やはり痛むので歩くのは遅くなる。
 だが、高尾君はゆっくりと歩調を合わせ、歩いてくれた。

 ……思い返せば、今日は本当に色々な事があった。
 高尾君と一緒にお祭りに来て、たくさん話して、心配かけて、助けてもらって……
 いつの間にか私の頭の中は高尾君で一杯になっていた。中学まで男友達は普通にいたが、こんな特別な気持ちになった事はなかった。

 ——もしかすると、これが異性として好きになるということなのかも知れない——

 ……きっと私は高尾君が好きなんだ。友達ではなく、異性として。

 ふと気付いてしまった気持ちが、顔に出てもバレないように少し下を見ながら高尾君に続いた。

 

Re: 【黒バス短編集】恋花火  ( No.38 )
日時: 2013/09/15 19:50
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: YrPoXloI)


【お知らせ】
*参照300突破!!*

参照が300を突破しました!! ……放置してすみませんm(__)m
放置していたのにも関わらず、読んで下さった皆さま! 本当にありがとうございました!! 更新遅いですが、どうか見捨てないで下さい( ;∀;)


*今日は時間があるので、更新しようと思います!!*

 恋花火 5  ( No.39 )
日時: 2013/09/15 21:31
名前: 緑茶 ◆hjAE94JkIU (ID: YrPoXloI)


「おっ、見晴らしの良い所発見!! ここからならよく見えるだろ」
「そうだね! ……今日はとっても楽しかった!! ありがとう!」
「…………」
「高尾君?」
 黙ってしまった高尾君に視線を向けると、真っ直ぐと見つめあうようになった。
 高尾君が好きと気付いてしまった今は、自分でも分かるほど顔の温度が上がっていた。……前までだったら何ともなかったのに。
「ひめちゃん。俺、さっき言ったことウソにするつもりねーから」
「さっき?」
 聞き返すと高尾君は私の耳元に顔を近づけてささやいた。

「ひめちゃんは俺の女だって言ったこと」

「っ!! そ、それって……」

「……ひめちゃんが好きです。付き合って下さい。……ダメ?」

 耳元から顔を遠ざけながら高尾君は言った。
 少し離れた街灯の薄暗い明かりに照らされた高尾君の顔は、ほのかに赤く染まって微笑んでいた。

 ダメじゃない……ダメじゃないけどっ……その顔は反則だと思うっ!!

「ダメ……じゃ、ない……です」
 顔を直視できず、うつむきながら伝える。きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。
 私の気持ちを伝えた瞬間——
「たっ、高尾君!?」
(だ……抱きつかれた!?)
 急に抱きつかれた驚きと恥ずかしさで、私の頭は思考停止する。
 そんな頭の中に届いたのは、「よかった……」という高尾君の言葉だった。
「フラれるかと思った……」
 私はゆっくりと高尾君の背中に手を回しながら言う。
「大丈夫だよ。私、高尾君のこと……す、好きだから。断ったりしないよ」
「じゃ、約束して」
 少し腕を緩めて私と目線を合わせるようにして続ける。

「一つ。俺も姫夏って呼ぶから、俺のこと和成って呼んで。……二つ。俺から絶対離れないで」

「…………うん。分かった。約束する」

 私が返事をした時に見せてくれた、とろけるような笑顔はきっと何があっても忘れないだろう。

 その刹那、ドーン!! と祭りの終わりを知らせる打ち上げ花火が始まった。

「……もうお祭り終わりだね」
「そうだな……また来年も来るか……一緒に」
「うん!!」
 私達は手を繋ぎながらゆっくりと花火を眺めていた。

 私達の始まりとなった花火を忘れないように、胸に刻み付けながら。