二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.117 )
- 日時: 2013/09/22 00:10
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
仄とパイルのデュエル。現在、仄のシールドが五枚に対し、パイルは三枚。シールドの上では仄がリードしているが、
(相手の場には《エル・カイオウ》と《デス・アルカディア》、二体のブロッカーが並んでいるし、《エルサル・バルティス》や二体の《バルゾー》、光臨を持つ《ガラムマサラ》も厄介ね……!)
多くのクリーチャーを展開しているパイルに対し、仄の場にはタップ状態の《真実の名 バウライオン》と、《王機聖者ミル・アーマ》《天門の精霊キバッテ・キャット》の三体。手札はそれなりにあるが、かなり勢いを削がれてしまっている。
「さて、私のターンだ。本来、私は貴様如きに構っている暇などない、そろそろ終わりにするぞ」
言って、パイルは手札から一枚のカードを抜き取る。
「我らが教義のため、悪魔の命をここに捧ぐ。神の目覚め、それが汝の使命なり——《復活のメシア マジョラム》!」
復活のメシア マジョラム 闇文明 (8)
クリーチャー:オラクル 9000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の他のクリーチャーを1体以上、破壊してもよい。そうした場合、自分の山札を見る。こうして破壊されたクリーチャー1体につき、コスト7以下の無色ゴッドを1体、自分の山札からバトルゾーンに出してもよい。このようにして山札を見ていた場合、シャッフルする。
W・ブレイカー
「っ、《マジョラム》……!」
「恐怖せよ、惰弱な人間。《マジョラム》の効果により、二体の《バルゾー》を生贄にする! そして二体の神を、ここに降臨させる! 出でよ、《封魔左神リバティーンズ》! 《霊騎右神ニルヴァーナ》!」
封魔左神リバティーンズ 無色 (6)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/グランド・デビル 7000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーがゴッドとリンクした時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは−2000される。
W・ブレイカー
左G・リンク
このクリーチャーがリンクしてる間、このクリーチャーはシールドをさらに1枚ブレイクする。
霊騎右神ニルヴァーナ 無色 (6)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/アーク・セラフィム 6000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーがゴッドとリンクした時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、タップしてもよい。
W・ブレイカー
右G・リンク
「さらにG・リンク! 《ミル・アーマ》のパワーを4000下げて破壊! 《キバッテ・キャット》をタップ!」
「しまっ……まずい!」
これで仄のブロッカーはすべて無力化されてしまい、彼女を守るクリーチャーはいない。五枚のシールドも、神と《エルサル・バルティス》ですべて割られ、最後には《ガラムマサラ》がとどめを刺しに来るだろう。
「終わりだ、人間! 《エルサル・バルティス》でW・ブレイク!」
「っ……!」
シールドが砕け、その破片が仄に降り注ぎ、鮮血を撒き散らす。
「まだだ! T・ブレイク!」
リンクした神による一撃で、仄のシールドが一度に三枚も吹き飛ぶ。しかし、そのうちの二枚は、光り輝いた。
「やっぱシールドに埋まってたか……S・トリガー発動! 《ヘブンズ・ゲート》!」
出てきたのは、二枚の《ヘブンズ・ゲート》だ。
「まずは一枚目の《ヘブンズ・ゲート》の効果で《ロードリエス》と《オレオレ・ライオネル》を出して、《ロードリエス》の効果でドロー。次に二枚目の《ヘブンズ・ゲート》で二体目の《バウライオン》と《神令の精霊ウルテミス》を召喚。《バウライオン》の効果で《ヘブンズ・ゲート》と《コアクアンのおつかい》を回収。《ロードリエス》の効果で二枚ドロー」
二枚のS・トリガーから一気にクリーチャーを展開し、手札も補充する仄。しかし彼女は、パイルが仕掛けていた罠に気付いていた。
「ふん、運良くS・トリガーに助けられたようだが、そのような幸運などで逆転される私ではない。《エルサル・バルティス》の効果発動!」
《エルサル・バルティス》は、簡単に言えば相手がS・トリガーを使えばこちらもS・トリガーのついた呪文を唱えられるという能力を持ったクリーチャーだ。そして今回、仄は二回S・トリガーを使用している。
「デッキから二枚のS・トリガー呪文を唱える。……《デス・ゲート》はもう弾切れか。致し方ない、ならば《スパイラル・ゲート》と《デーモン・ハンド》を唱える。《オレオレ・ライオネル》を手札へ戻し、《バウライオン》を破壊!」
「やっぱりそう来るか……」
大型ブロッカーは次々と消され、残ったのは小さなブロッカーたち。だが《エルサル・バルティス》の効果を使用しても、《ヘブンズ・ゲート》で出たブロッカーを全て除去することは出来ず、なんとかこのターンは凌ぎ切った。
(でも、次のターンにはあいつもなにかしらの手を打ってくるはず。このターンで、なんとかしないと……)
パイルのシールドは三枚あり、それを守るブロッカーが二体いる。しかもそのうち一体がスレイヤーを持ち、ブレイクされたシールドを墓地に送れば、ブレイクしたクリーチャーを破壊する《デス・アルカディア》だ。その防御壁を突破するのは困難を極めるだろう。
だが仄には、それを突破する秘策があった。
「……やっぱり来た。悪いけど、終わらせるのはこっちの方だね」
「? なにを言っている」
「見れば分かる……ほら、行くよ」
そう言って仄は、手札のカードを一枚、空に掲げる。
次の瞬間、空気が渦巻いた。禍々しい空気が巨大な渦潮を形成し、その中心に吸い込まれるかのように、仄の場の天使たちが集まっていく。
「顕現せよ! 海王星の名の元に! 天使をも喰らう貪欲なる悪魔! 《超神星ネプチューン・シュトローム》! 私に従え!」
超神星ネプチューン・シュトローム 水文明 (7)
進化クリーチャー:フェニックス 13000
進化GV—自分のグランド・デビル、デーモン・コマンド、エンジェル・コマンドのいずれか3体を重ねた上に置く。
メテオバーン—このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、相手はバトルゾーンにある自分自身のクリーチャーをすべて、持ち主の山札の一番上に好きな順序で置く。
T・ブレイカー
《天門の精霊キバッテ・キャット》《神令の精霊ウルテミス》《知識の精霊ロードリエス》の三体を進化元に現れた、海王星の名を冠する不死鳥《ネプチューン・シュトローム》。
その圧倒的すぎる存在に、パイルは後ずさる。
「ぐ……だ、だが、貴様を守るブロッカーを減らしてもいいのか? 今更一体や二体、攻撃手が増えたところで、私を倒すことは出来ないぞ」
「それはどうかな?」
いつの間にか立場が逆転している仄とパイル。今まで余裕ぶっていたパイルは焦り、逆に仄は完全に流れを引き寄せている。
「これも見せた方が早いか。《ネプチューン・シュトローム》で攻撃、その際にメテオバーン発動! 相手のクリーチャーを全て、デッキトップに送り込む!」
「なに……!?」
刹那、大波の如き激流が放たれ、パイルを守っていたブロッカーはおろか、他のクリーチャーまでもが押し流されてしまった。パイルの場に残ったのは、リンクが解除された《ニルヴァーナ》のみ。
これで、パイルを守るクリーチャーはいなくなった。
「なんだと!?」
《ネプチューン・シュトローム》の攻撃でシールドがゼロになったパイル。そんな彼に、一体の獅子が飛びかかった。
「これでとどめ! 《バウライオン》でダイレクトアタック!」
「なっ、ぐ、ぐあぁぁぁぁぁ!」
獅子の剣に切り裂かれたパイルは、そのまま消滅し、カードとなって地面に落ちた。
「武者小路さんっ!」
そのカードを拾うと、すぐ後ろから声がかかる。振り向けば、そこには姫乃の姿があった。
「良かった、無事……ってほどでもなさそうだけど、勝ったんだね」
「まぁ、なんとか。それより——」
「あ、えーっと、そのカードのことなら、ちゃんと話すよ……それにしても、また巻き込んじゃったなぁ……」
クロ、零佑に続き、今度は仄。またも一般人を巻き込んでしまった夕陽たち。
この後、そうならないための対策が論じられたのだが、それはまた別の話。
ちなみに大会は見事、汐が優勝を収めたらしい。