二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.13 )
- 日時: 2013/07/03 13:57
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: PNtUB9fS)
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焦土神話 フォートレシーズ・マルス 火文明 (7)
進化クリーチャー:メソロギィ/ヒューマノイド/ボルケーノ・ドラゴン 16000
進化MV—自分のヒューマノイド一体と火のクリーチャー二体を重ねた上に置く。
コンセンテス・ディー(このクリーチャーの下にある、このクリーチャーと同じ文明のすべてのクリーチャーのコストの合計を数える。その後、その数字以下の次のCD能力を得る)
CD5:ブレイク・ボーナス(このクリーチャーが攻撃し終わった時、このクリーチャーがまだバトルゾーンにあれば、その攻撃中にブレイクしたシールド1枚につき、次のBB能力を1回使ってもよい)
BB—相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体破壊してもよい。
CD7:BB—相手のマナゾーンからカードを1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。
CD11:このクリーチャーがシールドをブレイクする時、相手はそのシールドを手札に加えるかわりに持ち主の墓地に置く。
T・ブレイカー
「ターンエンドだ」
女は静かにターンを終える。その背後には、燃える剣と槍を手に、多種多様な重火器を無数に背負った軍神の姿がある。
(ブレイク・ボーナスでクリーチャー破壊にランデス、加えてシールド焼却……反則だろ、そんなの……!)
突如現れた謎の進化クリーチャー《焦土神話 フォートレシーズ・マルス》。
女が言うには、このクリーチャーは『神話カード』というらしい。それが何を意味するのか夕陽にはさっぱりだが、しかしこのカード固有の能力は理解できた。
それが、コンセンテス・ディー。
進化元が重要な進化クリーチャーらしい能力だ。コンセンテス・ディーとは、進化元とした指定された文明のクリーチャーのコストの合計によって、最大三つの能力を得られる能力。語弊を恐れず乱暴に言ってしまえば、カードを墓地に置かないメテオバーン、のようなものであろうか。
夕陽が今まさに相対している《焦土神話 フォートレシーズ・マルス》の能力は、夕陽が胸中で呟くように、ブレイク・ボーナスによる小型クリーチャー破壊とマナ破壊、そしてシールドを問答無用で墓地送りにするというもの。
個々で独立した能力ならそこまで脅威ではなかった。しかしこの三つが重なることで、途端に強大な力を発揮する。
(ブレイク・ボーナスの弱点はシールドをブレイクした後にも生き残る必要があること。S・トリガーで除去されれば効果は発動しないけど、こいつはその弱点をシールド焼却効果で殺している)
前のターンの一撃で、夕陽のシールドは残り二枚、マナも三枚削られ、《火之鳥ペリュトン》と《ルピア・ラピア》もまとめて消し飛んだ。《ペリュトン》の能力で《翔竜提督ザークピッチ》が現れ、手札が補給できたのがせめてもの救いか。
(でも、状況が悪いことには変わりない。次のターンで僕のシールドはゼロになるし、マナも削られる……もしスピード・アタッカーを引かれたらそれでも終わりだし、このターンでどうにかしたい)
焦燥と不安をを感じながら、夕陽はデッキから次なるカードを手札に加えるが、
(《火之鳥ピルドル》……手札のファイアー・バードから進化すれば、とどめは刺せるけど……)
夕陽は視線を女のシールドに向ける。残った女のシールドのうち一枚は、《アクア・スーパーエメラル》の効果が適用されたものだ。つまり少なくとも片方は、S・トリガーがあると考えるべきだろう。
「危険だけど……やるしかない! 《エコ・アイニー》を召喚、効果でマナチャージ! さらに《エコ・アイニー》進化! 《火之鳥ピルドル》!」
減らされたマナをすぐさま補給し、夕陽は攻勢に出る。元よりこのデッキは攻撃を重視したビートダウン。ここまで長引いてしまっただけで、もはや失敗と言わざるを得ない。ならばせめて、攻められる時に攻めるしかないだろう。それに今の夕陽にできることは攻撃しかないのだ。
「《ザークピッチ》でシールドをW・ブレイク!」
光線砲台を備えた炎の怪鳥が飛翔し、女のシールドへと特攻する。しかし、
「残念だったな。ニンジャ・ストライク7《斬隠オロチ》」
「っ、なんだと……!」
斬隠オロチ 水文明 (6)
クリーチャー:サイバーロード/シノビ 3000
ニンジャ・ストライク7
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある他のクリーチャーを1体選び、持ち主の山札の一番下に置く。その持ち主は、自身の山札の上から進化ではないクリーチャーが出るまでカードをすべてのプレイヤーに見せ、出たクリーチャーをバトルゾーンに出して、残りのカードを好きな順序で山札の一番下に戻す。
次の瞬間、《サークピッチ》は渦巻く水流に飲み込まれ、デッキの一番下へと飲み込まれてしまった。
代わりにデッキの一番上から現れたのは《フレイムバーン・ドラゴン》。
「パワー4000以下のクリーチャーじゃないのはいいけど、攻撃が止められた……」
《フレイムバーン・ドラゴン》の効果で《斬隠オロチ》は破壊できるが、それだけだ。《ザークピッチ》が消えたことで、このターン中にとどめを刺せなくなった。
(《ピルドル》で攻撃するか……でもそれでスピード・アタッカーが手に入ったら元も子もない。けれど、このままジッとしてても……)
ぐるぐると思考が巡る。どの動きが最善なのか、いつもなら直感的にやっていたことができなくなる。
「——もうこうなったら、やるだけやってやる! 《ピルドル》でシールドをブレイク!」
《火之鳥ピルドル》が橙に燃える槍を構え、シールドへと突っ込む。今度はニンジャ・ストライクも発動せず、シールドを貫いた。
「くっ……運がいいな。シールドにカードを仕込めばもっと早く壊すと思って入れ替えたが、結局使うことはなかったか」
《ピルドル》がブレイクしたのは《アクア・スーパーエメラル》によって入れ替えられたシールド。どんなS・トリガーが来るかと構えていたが、それはこのタイミングで発動できるものではなかったらしい。
しかし、
「……ターンエンド」
これで夕陽のターンは終わり。まだ女のシールドは一枚残っている。
次のターンで夕陽は《マルス》に残りのシールドを燃やされる。もしそのターンのドローで、女がスピードアタッカーやそれに類するものを引けば、夕陽の敗北が決定する。
(まずい……なんとか、しないと——)
全身を駆け抜ける痛みと、自分たちを取り囲む炎の熱風に耐えながら、夕陽は次のターンをただただ待つのだった——