二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.141 )
- 日時: 2013/09/29 14:08
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
地獄(ヘル)魔槍(ブルース) ブリティッシュ 闇文明 (7)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を1枚見ないで選び、捨てさせる。
W・ブレイカー
相手のクリーチャーがバトルゾーンまたは持ち主の手札から墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《魔槍》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《魔槍》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「ドロン・ゴーされたか……」
今度は流がため息を吐く。ドロン・ゴーの能力を持つエグザイルが生まれ変わった姿は、どれも強力な効果を持っている。
「まず、《ブリティッシュ》が場に出た時、相手の手札を一枚見ないで選び、捨てさせるですよ」
大量にある流の手札から墓地に送られたのは、《青銅の鎧》だ。
「クリーチャーが墓地に落ちたので一枚ドロー。ターン終了です」
汐もエンジンがかかってきたのか、少しずつ巻き返す準備を整えている。
「《ブリティッシュ》は厄介だが、除去手段がないな。ならばここは、《キング・シャルンホルスト》と《ガウルザガンタ》召喚。《青銅の鎧》と《プロメテウス》でシールドブレイク」
《青銅の鎧》の槍と《プロメテウス》の斧がそれぞれ汐のシールドを破壊する。これで汐のシールドも三枚だ。
だが、割られたシールドのうち一枚が、光を収束する。
「S・トリガー発動、《地獄門デス・ゲート》。《キング・シャルンホルスト》を破壊し、墓地から《ブラッドレイン》を復活です。さらにクリーチャーが墓地に行ったので《ブリティッシュ》の能力で一枚ドロー」
相手を除去しながら自分はドロー。こうして場の流れを支配していくのが《ブリテイッシュ》だ。
「そして私のターン《ボーンおどり・チャージャー》を発動です。山札の上二枚を墓地へ、このカードはマナへ」
今までの汐のデッキは、闇がメインでありながらあまり墓地を利用するカードがなかった。しかしこのデッキは積極的に墓地を利用するようだ。
「さらに、そろそろ『神話カード』が出る頃でしょうし、今のうちに潰しておくですよ。《凶刻の刃狼ガル・ヴォルフ》召喚です」
召喚時に指定した種族のクリーチャーを手札から落とし、シールドも一枚墓地に送り込む《ガル・ヴォルフ》。種族デッキ、そうでなくともメインの種族が固まっているデッキなら、その効果は通常よりも大きく作用する。
「選ぶのはリヴァイアサンです。さあ、手札を見せてください」
「…………」
公開された流の手札には、意外にもリヴァイアサンは少なかった。ほとんどマナへ行ってしまったからだろう。しかしそれでも、汐の目当てのカードはあった。
「やはり、手札に抱えていたのですね。《ネプトゥーヌス》を墓地へ」
「よしっ、あいつさえ出なければ流れは御舟のものだ。見たところ、あのデッキは《ネプトゥーヌス》を出すことに特化してるからか打点が低いし、このまま押し切れるはずだ」
夕陽の言うように、流のデッキのほとんどはマナ加速や手札補充などのシステム
クリーチャーやサポートカードが多く、アタッカーの打点は低い。そのため、切り札を潰されると攻撃力が激減してしまうのだ。
「確か手札には《ジャニット》がいたはずですね。なら一応、最低限の安全策として《ブラッドレイン》で《プロメテウス》と相打ち、破壊です」
まだシールドが三枚残っている汐からすれば、急いで勝負を決める必要はない。《ブラッドレイン》で《プロメテウス》と相打ちし、相手の頭数と進化元を減らしつつ《ブリティッシュ》の能力で1ドロー。そして、
「《ブリティッシュ》でW・ブレイクです」
「ニンジャ・ストライク《斬隠テンサイ・ジャニット》を召喚だ。《ブラッドレイン》をバウンス」
しかし《ブリティッシュ》の魔槍が流のシールドを全て粉砕する。だが、一枚のシールドは光の束となって流の手元に舞い戻る。
「来たか……S・トリガー《リーフストーム・トラップ》。《ジャニット》と《ブリティッシュ》をマナへ。さらに《ディス・ピエロ》の効果でドロー」
ここにきてS・トリガーが来てしまい、《ブリティッシュ》が除去されてしまう。
しかし状況は汐が優勢だ。まだ《ブラッドレイン》は一体残っており、《ガル・ヴォルフ》もいる。シールドだってまだ三枚ある。
対する流は、アタッカーこそ三体いるが、シールドはゼロ。
「しかも、逆転可能な切り札、《ネプトゥーヌス》も墓地に行った……これはもう、御舟の勝ちだろ」
「どうだろうな」
夕陽の言葉に否定とも言えない否定を返し、自身のターンを迎える流。
「一つ言っておこう。墓地に落としたくらいでは、俺の切り札を封じたことにはならない」
「どういう意味ですか」
「見れば分かる。まずは《青銅の鎧》と《ジャニット》、《キング・ケーレ》を召喚。そして——」
流は、手札から一枚のカードを抜き取る。
「——発動、呪文《再誕の社》」
再誕の社 自然文明 (3)
呪文
カードを2枚まで、自分の墓地からマナゾーンに置く。
「効果で墓地の《霞み妖精ジャスミン》と《ネプトゥーヌス》をマナに置く」
「なっ……ってことは、マナから《ネプトゥーヌス》を回収するつもりか?」
「いや、でも、いくらマナが多くても、残ってるマナを使って《プロメテウス》で回収しても、マナが足りないよ?」
姫乃の言う事はもっともだ。今から回収したのではどうしたって間に合わない。マナ回収のカードも《プロメテウス》だけのようなので、やはりこのターンで巻き返せないのか。
「……いや、先輩方。これはかなりまずいことになったかもしれないです」
「気付いたか」
「? どゆこと? もうほとんど汐ちゃんの勝ちじゃないの?」
やはり無表情だが、しかし汐からは明らかな焦りが感じ取れる。
「さっき手札を確認した時もあったのですが、確かこの人は序盤、《プロメテウス》で“あのカード”を回収していたはずです」
「“あのカード”って……まさか」
「そうだ。わざわざ手札に戻す手間をかける必要もない。マナが足りないのなら、マナから直接引っ張り出すまでだ」
と言って、流はまた手札からカードを一枚抜き取る。
次の瞬間、カードの奥に、煌めく魔方陣が展開された。
「呪文、《母なる星域》」
母なる星域 自然文明 (3)
呪文
バトルゾーンにある自分の、進化ではないクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。そうした場合、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化クリーチャーを体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。
「効果でさっき召喚した《青銅の鎧》をマナへ送り、マナからこのクリーチャーを進化させる」
場の《ガウルザガンタ》《ディス・ピエロ》《ジャニット》の三体が重ねられ、マナから引っ張り出されたクリーチャーの種となる。
「大海を支配せし海神よ、三叉の鎗を構え、怒りの嵐ですべてを飲み込め。神々よ、調和せよ。進化MV——《海洋神話 オーシャンズ・ネプトゥーヌス》!」