二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.158 )
日時: 2013/10/07 00:48
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 黒村は三体のドラゴンのうちの一体、《黒神龍ヘヴィ・ケルベロス》と戦っていた。
 序盤からマナを加速しつつ攻めていった黒村の場には《幻緑の双月》《福腹人形コダマンマ》《青銅の鎧》《解体人形ジェニー》の三体。シールドは四枚ある。
 対する《ヘヴィ・ケルベロス》のシールドは残り二枚。しかし場には《コッコ・ルピア》《黒神龍ジャグラヴィーン》《黒神龍ヘヴィ・ケルベロス》の三体と、重量級クリーチャーが並んでいる。
『では、そろそろ反撃させてもらおうか』
 と言い、宣言通り《ヘヴィ・ケルベロス》の反撃が始まる。
 『まずは《魔龍バベルギヌス》を召喚。効果で《バベルギヌス》を破壊し、墓地から《黒神龍アバヨ・シャバヨ》を復活させる。さらに《バベルギヌス》が破壊されたことで、我が効果が発動! 山札から二枚ドローする』


黒神龍ヘヴィ・ケルベロス 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 6000
W・ブレイカー
自分のドラゴンが破壊された時、カードを2枚まで引いてもよい。


「手札を増やされたか……」
 黒村のデッキはマナ加速と手札破壊を主軸としたデッキ。一枚や二枚程度ならなんら問題ないが、《ヘヴィ・ケルベロス》のドローはまだ止まらない。
『さらに《アバヨ・シャバヨ》の効果で互いのクリーチャーを一体ずつ破壊する。こちらが破壊するのは《アバヨ・シャバヨ》だ』
「なら俺は《幻緑の双月》を破壊する」
 どうせ殴り返されるようなクリーチャーなので黒村のクリーチャーが破壊されるのはさしたる痛手ではない。しかし、また《ヘヴィ・ケルベロス》のドラゴンが破壊されてしまった。
『《アバヨ・シャバヨ》が破壊されたことで二枚ドロー。続いて《ジャグラヴィーン》で《青銅の鎧》に攻撃し破壊だ。《ジャグラヴィーン》の効果でバトルに勝っても破壊され、さらに2ドロー』
 わずか1ターンのうちに六枚ものカードをドローした《ヘヴィ・ケルベロス》。次のターンからは本格的に反撃してくるだろう。
『最後にWブレイクだ!』
「くっ……俺のターン」
 黒村の場には《コダマンマ》と《ジェニー》が一体ずつ、シールドは残り二枚。
「このターンに決めなければきついか……だが」
 黒村にはまだこの場を乗り切る手だてがあった。
「まずは《コダマンマ》と《ジェニー》を、それぞれ《奇術王エンドレス・パペット》に進化させる。そしてこれだ」
 黒村は唯一の手札にあるカードを抜き取り、見せつけるようにして掲げる。
「G・ゼロ《人形の裏技ペット・パペット》。俺の場にデスパペットがいればコストを支払わずに唱え、お前の手札を一枚墓地に送る」
『たかが一枚、その程度では無意味だ』
「どうだかな。お前が手札を捨てたことで《エンドレス・パペット》二体の効果がそれぞれ発動し、二枚ドロー」
 こうして引いたカードを見て、黒村は少しだけ頬を緩める。そしてまた手札からカードを抜き取り、
「もう一度G・ゼロ《ペット・パペット》だ。手札を捨てろ」
『なに? まさか、貴様……!』
 また一枚、《ヘヴィ・ケルベロス》の手札が落ちる。そして同時に、《エンドレス・パペット》の効果で二枚ドロー。さらに、
「今日は引きがいいな。続けて《ペット・パペット》をG・ゼロで二枚発動だ」
『なんだと、ぐぅ……!』
 G・ゼロでコストを支払わずに唱えられる《人形の裏技ペット・パペット》。黒村の場には《エンドレス・パペット》が二体いるので、手札を切らさないどころか、手札を増やしながら《ヘヴィ・ケルベロス》の手札を削ることが出来る。
「せっかく増えた手札も、ほとんどが墓地送りになったな。それに、ドラゴンばかりのデッキと思っていたが、シノビも入っているとは、意外と用心深いな。だがそれもほとんど墓地に落ちただろう。G・ゼロでさっき引いた《盗掘人形モールス》を召喚。墓地から《死神術士デスマーチ》を回収し、そのまま墓地進化!」
 これで黒村の場には二体の《エンドレス・パペット》と《デスマーチ》、アタッカーが三体。《ヘヴィ・ケルベロス》にとどめを刺せる。
「《エンドレス・パペット》二体でシールドブレイク!」
『ぐおぉぉ……!』
 これで《ヘヴィ・ケルベロス》のシールドはゼロ。そして、
「《デスマーチ》で、ダイレクトアタックだ」
 最後に、死した人形による行進に巻き込まれ、《ヘヴィ・ケルベロス》は消え去った。