二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.163 )
- 日時: 2013/10/09 03:02
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
ラトリとグールのデュエル。
ラトリの場には《エメラル》《蔵禄の守護者カメンビー》《飛散する斧 プロメテウス》の三体。シールドはまだ五枚ある。
対するグールのシールドも五枚あり、場には《コッコ・ルピア》と《黒神龍バラス・ランス》。
『グゥ、グルルルグルゥ……』
唸りながらグールは、《ボーンおどり・チャージャー》に続き、《プライマル・スクリーム》を使用。墓地を増やしつつ、墓地から《魔龍バベルギヌス》を回収する。
「よーし、私のターン! ドロー!」
グールの不気味な唸りにも顔色一つ変えず、ラトリは明るい調子で場を進める。
「まずは《ライフプラン・チャージャー》発動! チャージャーでマナを溜めつつ、デッキから《時空の守護者ジル・ワーカ》をゲット! そのまま召喚! ターンエンド!」
『グルルルルゥ、グガァ……』
唸りながら、グールのターン。
グールは再び《ボーンおどり・チャージャー》で墓地を肥やしつつ、前のターンに回収した《魔龍バベルギヌス》を召喚して、効果を発動させる。
『グルルル……グガアァァァ!』
魔龍バベルギヌス 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/グランド・デビル 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、プレイヤーをひとり選ぶ。そのプレイヤーのクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、そのプレイヤーの墓地から、《魔龍バベルギヌス》以外の進化ではないクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出す。
「ワォ、遂にご登場か」
グールは《バベルギヌス》の能力で《バベルギヌス》自身を破壊し、墓地から《黒神龍バラス・ランス》を復活。効果で山札からカードを墓地に落とし、そして最後に大量の死龍が蘇る。
黒神龍グールジェネレイド 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 6000
自分の《黒神龍グールジェネレイド》以外のドラゴンが破壊された時、このクリーチャーが自分の墓地にあれば、このクリーチャーをバトルゾーンに戻してもよい。
W・ブレイカー
これで《グール》の場には《コッコ・ルピア》と、《バラス・ランス》が二体、《グールジェネレイド》が四体という、凄まじい状態となってしまった。
このターンは攻撃せず、そのまま終了する《グール》。次のターンには六体ものドラゴン・ゾンビが総攻撃を仕掛けてくるだろう。
「ピンチピンチ、ちょっとまずいかもねー」
などと口では言いながらも、余裕綽々なラトリ。
その理由は、彼女の切り札にあった。
「そっちは1ターンでフィニッシュするつもりらしいけど、こっちも1ターンでフィニッシュする予定だから。ちなみに、その準備はもう完了するよ。《カメンビー》召喚!」
小型ブロッカーを召喚し、そしてラトリは、手札から最後の一枚のカードを抜き取る。
「《カメンビー》二体と《ジル・ワーカ》で、合計は7かぁ……オールプレイには全然足りないけど、ま、いいか」
ラトリは場の《カメンビー》二体と《ジルワーカ》を重ね、最後の一枚を解き放つ。
「守護の力を解き放て! 主を護る盾こそが、すべてを貫く矛となる! 神々よ、調和せよ! 進化MV——《守護神話 エンパイアス・アテナ》!」
閃光より現れたのは、人型——それも女性型のクリーチャー。《プロセルピナ》ほどではないが小柄で、羽の装飾品など全体的に民族的な意匠をしている。
ただ、両腕には妙に近代的な広範囲を防護するアーマーが、背中にも翼型の防護壁があり、ちぐはぐ感が否めない。
「そんじゃあまず、《アテナ》のコンセンテス・ディー能力を発動しようか。と言っても、発動するのはCD4オンリーだけど」
ラトリがそう告げた次の瞬間、彼女のシールドがすべて半回転し、表向きになった。
「《守護神話 エンパイアス・アテナ》のCD4……自分のシールドをフルオープンする。そして相手がシールドをブレイクする時、そのブレイクするシールドはこちらが決められる」
後者の能力はともかく、前者のシールドを表向きにする能力はデメリットに思われるだろう。いくらブレイクするシールドを誘導できてもそれを踏まえて攻撃されれば効果は薄いし、そもそもS・トリガーなどがなければ意味がない。
しかしラトリにとっては、シールドが“表向き”になることが重要だったのだ。そして彼女は序盤、《エメラル》でシールドを入れ替えている。
ラトリの表向きになったシールドは、《時空の庭園》《アクア・スーパーエメラル》《守護すぎる守護 鋼鉄》《光牙忍ハヤブサマル》《驚愕の存在 カニス》の五枚。
「お、《カニス》だけじゃなくて《鋼鉄》もいる。まーでも、今は意味ナッシングか。とりあえず、《驚愕の存在 カニス》の能力発動!」
驚愕の存在(ワンダフル・ワン) カニス 自然文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジ 5000
このクリーチャーは、このクリーチャーよりパワーが小さいクリーチャーにブロックされない。
シールド・ゴー
このクリーチャーが自分のシールドに表向きであれば、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「パワーアタッカー+5000」を得、シールドをさらに1枚ブレイクする。
本来シールド・ゴーの能力を持つクリーチャーは、一度バトルゾーンに出し、なんらかの方法で破壊されることによって表向きのシールドとなる。
しかし《アテナ》のようにシールドに埋まっているシールド・ゴー能力を持つクリーチャーを表向きにする事でも発動でき、場合によってはこちらの方が早期に発動させることが出来る。
《カニス》の効果は自分のクリーチャーにパワーアタッカー+5000を与え、シールドを一枚追加ブレイクできるようになるというもの。つまりこれだけで並みのクリーチャーもWブレイカーとなり、《アテナ》にいたってはTブレイカー+1で、Qブレイカーだ。
「これでフィニッシュ! 《アテナ》でQブレイク! 《プロメテウス》でブレイク!」
《アテナ》の光弾で、《グール》のシールドが四枚同時に吹き飛ぶ。続けて《プロメテウス》の斧が最後のシールドも粉砕。
もはや、《グール》を守る盾は存在しない。
「《エメラル》で、ダイレクトアタック!」
『グ、グ、グギャァァァァァァ!』
死龍はおぞましい悲鳴を上げながら地面へと倒れ、そして消滅した。