二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.175 )
- 日時: 2013/10/11 00:04
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
神聖斬 アシッド 無色 (7)
クリーチャー:オラクリオン 6000
ブロッカー
自分のターンの終わりに、タップしている自分のクリーチャーを2体まで破壊してもよい。そうした場合、自分の山札を見る。こうして破壊したクリーチャー1体につき、コスト7以下の無色クリーチャーを1体、自分の手札または山札からバトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
相手のターン中に、相手がバトルゾーンにある自分のクリーチャーを選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。
W・ブレイカー
《ゾロスター》の能力で降臨したのは、二対の腕にそれぞれ剣や斧といった武器を持ち、下半身は蛇の尾、上半身は金剛力士像の如く筋骨隆々という異形のクリーチャー。偽りの神と呼ばれるオラクリオン、《アシッド》だ。
「これで私のターンは終わりだ。次のターンから、私と《アシッド》の力でさらに無色クリーチャーを増殖させる。《アシッド》が出て来た時点で、貴様に勝ち目はない」
相当な自信を持っている《ゾロスター》。しかし、実際問題《アシッド》は強力なクリーチャーだ。単純に考えても《ゾロスター》の二倍の数、無色クリーチャーを呼び出し、自身のパワーや打点も十分、加えて相手ターン限定だが選ばれない能力もあるため、除去することも難しい。流の場にはまだなにもなく、マナが大量にあるだけなので、なおさらだ。
だが、流はまったく焦りを見せない。
「……勝ったと思っても、デュエマは最後の最後まで逆転があるものだ。俺も最近、そういう経験があった。俺のターン」
何かを思い返すように《ゾロスター》にそう言った流は、カードを引く。
「これだけマナがあれば、もうこれは必要ないな。《ガチンコ・ルーレット》をマナチャージ。4マナで《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》を発動」
ゼロの裏技ニヤリー・ゲット 水文明 (4)
呪文
G・ゼロ—バトルゾーンに自分の無色クリーチャーがあれば、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中から無色カードをすべて手札に加え、残りを好きな順序で山札の一番下に置く。
本来ならG・ゼロでタダで唱える《ニヤリー・ゲット》だが、場に無色クリーチャーがいないため、流は普通に唱えた。マナも大量にあるので、問題ないと判断したのだろう。
《ニヤリー・ゲット》の効果で捲れたのは、《真実の名 アカデミアン》《戦慄のプレリュード》《真実の名 白金の鎧》の三枚。すべて無色なので、すべて手札に加える。
「さらに、《ニヤリー・ゲット》で手に入れた《アカデミアン》を召喚、《ゾロスター》をバウンス」
真実の名 アカデミアン 無色 (7)
クリーチャー:リキッド・ピープル/アンノウン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。
W・ブレイカー
「ターンエンドだ」
やっとマナ加速をやめて動きを見せた流だが、しかしその動きにしても静かなものだった。《ゾロスター》こそ除去したが、それも一時的なものだ。
「その程度か。ならば貴様には、オラクリオンの力を絶望するまで見せてやろう。《磁力の使徒マグリス》を召喚、1枚ドロー」
《マグリス》で手札を減らさずクリーチャーを並べるゾロスター。場に出てしまえばもはやただのパワー3000のクリーチャーだが、登場したら役目をほぼ終えるため、《アシッド》の生贄にはもってこいのクリーチャーだ。
「さらに《転々のサトリ ラシャ》を召喚。無色以外をすべてタップ!」
とはいえ、《アカデミアン》は無色のクリーチャー、タップされるのはゾロスターの《ターメリック》《コットン》《マグリス》《ラシャ》だけだ。
だが、勿論このタップには、ただのタップ以上の意味がある。
「ターン終了、その時《アシッド》の効果が発動する——《マグリス》と《ラシャ》を生贄に!」
《マグリス》と《ラシャ》は突如発生した魔方陣の光に飲み込まれ、姿を消す。だが眩い光の中でその魂だけが変質し、新たなる命が吹き込まれる。
「最初に呼び出すのはこのクリーチャーだ。新たなる時代を呼び起こせ、そして顕現せよ! 神聖なる偽りの神——《神聖麒 シューゲイザー》!」
最初に現れたのは、鱗のある暗緑色の体に、細長い顔、長い髭、赤い鬣といった、空想上の聖獣である麒麟を連想させるクリーチャー。周囲には鬼火のような青白い光を放つ短い杖が何本も浮かんでいる。
《シューゲイザー》の生贄になったのは《マグリス》。続けて《ラシャ》が生贄にされ、次のクリーチャーが呼び出される。
「さあ、ここに現れん! 新たなる時代に騎乗せよ、そして破滅をもたらさん! 神聖なる偽りの神——《神聖騎 オルタナティブ》!」
続いて呼び出されたのは、人の姿を成した神が騎乗し、暗く金色に光る三つ首の龍《オルタナティブ》。
「まずは《シューゲイザー》がバトルゾーンに出た時の能力で、手札から私をバトルゾーンに。続けて《オルタナティブ》の能力で、場に私がいれば相手クリーチャーを一体破壊する。《アカデミアン》を破壊だ!」
「くっ……!」
神聖麒 シューゲイザー 無色 (7)
クリーチャー:オラクリオン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、コスト5以下の進化ではないクリーチャーを1体、自分の手札またはマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー
神聖騎 オルタナティブ 無色 (7)
クリーチャー:オラクリオン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。バトルゾーンに自分の《策士のイザナイ ゾロスター》があれば、その選んだクリーチャーを破壊する。《策士のイザナイ ゾロスター》がなければ、そのターン、そのクリーチャーのパワーは−6000される。
W・ブレイカー
《オルタナティブ》の咆哮で破壊される《アカデミアン》。これで流の場には何もなくなる。
「これで私のターンは終了。さあ、次のターンにはこのオラクリオンたちが、貴様に刃を向ける。その時が貴様の最期だ」
《ゾロスター》の場には《ターメリック》と《コットン》というブロッカーがおり、アタッカーも《ゾロスター》《アシッド》《シューゲイザー》そして《オルタナティブ》がいる。
しかも、仮に次のターンを凌げても、《ゾロスター》や《アシッド》の能力で次々と無色クリ—チャーが呼び出されるので、下手に長引かせても勝ち目は薄くなるだけ。
「流石にまずいか……」
焦りこそ見せないものの、小さく呟く流。しかし、次のカードを引くと、少しだけ表情が変わる。
「ちょうど良いタイミングで来たな、今はこれに賭けるしかない」
と言って、マナに目を落とす。
「俺のマナは全部で12マナ。これをすべて使い切り、こいつを召喚する」
マナをすべてタップする流。次の瞬間、旋風が巻き起こる。
「奇跡を超越せし戦士よ、天頂の力を得て、世界のすべてに希望をもたらせ! 《超絶奇跡 鬼羅丸》!」
超絶奇跡(グレイト・ミラクル) 鬼羅丸 無色 (12)
クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン/ゼニス 17000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手と3回ガチンコ・ジャッジする。クリーチャーを見せて自分が勝つたび、そのクリーチャーを山札の一番下に置くかわりにバトルゾーンに出す。呪文を見せて自分が勝つたび、その呪文を山札の一番下に置くかわりにコストを支払わずに唱える。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
T・ブレイカー
エターナル・Ω
「《鬼羅丸》だと……!?」
驚愕を隠せない《ゾロスター》。それもそうだろう、出ただけで場を制圧するほどの力を持つゼニス、その中でも特に強力な《鬼羅丸》が出れば、驚かずにはいられない。《鬼羅丸》はガチンコ・ジャッジに勝てば、どんな劣勢でも逆転する可能性を秘めている、「超絶奇跡」の名に恥じないクリーチャーだ。
「見て分かると思うが、俺のデッキは《ガチンコ・ルーレット》や《ニヤリー・ゲット》など、一部のキーカードを除きほぼすべてが7マナ以上の重量級カードで構成されている。今までお前がガチンコ・ジャッジで勝てなかったように、ガチンコ・ジャッジで俺に勝てると思わないことだ」
「ぐ……」
呻く《ゾロスター》。重量級カードばかりの流のデッキとは逆に、《ゾロスター》のデッキは《ゾロスター》や《アシッド》の生贄を確保するために、比較的コストの軽いクリーチャーが多い。しかも主要な大型オラクリオンはほとんど場に出てしまっている。
「だが、私の場にはブロッカーがいる! 《鬼羅丸》でスピードアタッカーになろうとも、このターンで決められるものか!」
「どうだろうな。さあ、ガチンコ・ジャッジだ!」
一戦目、流はコスト《「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス》。ゾロスターはコスト3《天界の神罰》。
「一戦目は俺の勝ちだ。そしてクリーチャーで勝てばそのままバトルゾーンに出せる。《「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス》をバトルゾーンに!」
「武」の頂 マキシマム・ザ・マックス 無色 (10)
クリーチャー:アンノウン/ゼニス 12000+
パワーアタッカー+12000
ワールド・ブレイカー
エターナル・Ω
「またゼニスが……だが、そんな単調な能力しか持たないクリーチャーでは、私の防御は突破できまい! 二戦目だ!」
二戦目、流はコスト3《ガチンコ・ルーレット》。ゾロスターはコスト4《磁力の使徒マグリス》。
「ふっ、今度は私の勝ちだ。やはり貴様に逆転の望みはないのだ!」
「よく吠える……まだあと一戦残っている。これで最後、この一戦で逆転だ」
そして二人は山札を捲る。
三戦目、ゾロスターはコスト7《神淵のカノン 愛染》。
そして流は——コスト8《偽りの名 イージス》だ。
「来たか……! 巨艦となりし海嶺よ、偽りの名の下に、既知なる存在を排除せよ! 《偽りの名 イージス》!」
偽りの名 イージス 水文明 (8)
クリーチャー:リヴァイアサン/アンノウン 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーはバトルゾーンにあるアンノウン以外のクリーチャーをすべて自身の山札に加えてシャッフルし、こうして山札に加えたクリーチャー1体につき1枚カードを引く。
《鬼羅丸》の力で現れたのは巨大な海の怪物、リヴァイアサン。しかも偽りの名の力を得て、戦艦のような意匠のリヴァイアサンだ。
「《イージス》の能力発動! 場のアンノウン以外のクリーチャーをすべてデッキに送り込む!」
「「なんだと!?」
《イージス》が放つ激流によって、流の《鬼羅丸》と、《ゾロスター》の場にいるクリーチャーがすべて山札へと押し流されてしまった。該当するクリーチャーすべてを対象とするので、《アシッド》の選ばれない能力も適用されず、ゾロスターの場は一掃された。
「ぐっ、まさか、こんなことが……私のターン。《カルダモン》と《コットン》を召喚し、ターンエンド」
《イージス》の能力で手札は増えたが、マナはあまり多くないゾロスター。とりあえずクリーチャーを並べ、とどめを刺されないようにブロッカーも出すが、
「《アカデミアン》を召喚。《コットン》をバウンス」
「くっ……!」
そのブロッカーも、《アカデミアン》で除去されてしまう。
「終わらせるぞ。《マキシマム・ザ・マックス》でワールド・ブレイク!」
《マキシマム・ザ・マックス》の巨大な一撃が放たれ、一瞬にしてゾロスターのシールドが消し飛ぶ。
「S・トリガーはなかったようだな。なら、《イージス》でダイレクトアタックだ!」
海を割るような方向をあげ、激流に乗って《イージス》が突貫。そのままゾロスターに突撃する。
「なっ、ぐぅ、まさかこの私が……ぐあぁぁぁぁ!」
ゾロスターは《イージス》に貫かれる。そして断末魔の叫びをあげ——消滅した。