二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.191 )
- 日時: 2013/10/27 12:55
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
汐と天草のデュエルは、互いにシールドは五枚、どちらもまだ大きな動きを見せていない、停滞した状態だ。
汐の場には《電脳封魔マクスヴァル》と《暗黒導師ブラックルシファー》。
天草の場には《熱湯グレンニャー》が二体と《氷牙フランツⅠ世》。
デッキカラーは火と水、《グレンニャー》を使用しているところを見るとビートダウンのようだが、《フランツⅠ世》もいることを考えればまだ分からない。まだ確定して判断するのは危険だろう。
「我がターン。呪文《ブレイン・チャージャー》を唱え一枚ドロー、このカードはマナへ」
手札とマナを同時に増やす天草。その雰囲気から嫌な気配を感じる汐。そしてその悪寒は、彼女にとって悪い結果として的中する。
「続けて呪文《シークレット・クロックタワー》。山札の上三枚を見る。そして一枚を手札に、一枚を山札上に、一枚を山札下に置く」
手札を整理できる《シークレット・クロックタワー》だが、このカードの真価はそこではない。このカードは必要なカードだけを手札に入れ、残りは山札の下と、山札の上に置くのだ。
「さらに呪文《転生プログラム》。《グレンニャー》を破壊」
「やはりそう来るのですか……」
山札の上に置けると言うことは、山札に好きなカードを仕込めるということだ。《転生プログラム》で《グレンニャー》は山札の上に込まれたクリーチャーへと転生する。
「我が身よ出でよ、《精霊のイザナイ 天草》!」
精霊のイザナイ 天草 無色 (7)
クリーチャー:オラクル/エンジェル・コマンド 6500
ブロッカー
このクリーチャーがバトルする時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。それがゴッドか無色クリーチャーであれば、バトルゾーンに出してもよい。それ以外であれば、自分の手札に加える。
W・ブレイカー
「まさかその色でそんな踏み倒しをするとは……かなり意表を突かれてしまったですが、墓地のデーモン・コマンドは三体、《ブラックルシファー》のパワーは9000、《天草》にやられることはないはずです」
火・水のデッキカラーで《天草》を踏み倒すという戦術を取ったことには驚いたが、それだけだ。まだ汐が不利になったわけではない。
「私のターン。《魔城の黒鬼オルガイザ》を召喚、《グレンニャー》を破壊です」
魔城の黒鬼オルガイザ 闇文明 (6)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのターン、バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは−1000される。
W・ブレイカー
《オルガイザ》の登場で、《天草》の場のクリーチャーのパワーはすべて−1000、パワーがゼロとなった《グレンニャー》が破壊される。
「《ブラックルシファー》でWブレイクです」
鈍色の鎌を振るい、《天草》のシールドをまとめて二枚、切り裂く《ブラックルシファー》。しかし切り裂かれたシールドのうち一枚が光り、収束する。
「S・トリガー発動《ディープ・オペレーション》。相手クリーチャーの数だけカードを引く。三枚ドロー」
一気に手札を増やす《天草》。またも、汐は《天草》から嫌な気配を感じる。
「我がターン。《炎刃ズバット・アクセラー》をジェネレート」
「っ、それは……」
クロスしたクリーチャーに「パワーアタッカー+3000」を与えるクロスギア、《スバット・アクセラー》。殴り返しに弱く、パワーを上げるだけではそこまで強くないが、場に《天草》がいるとなれば話は別だ。
「そのまま《天草》にクロス。これで攻撃時、《天草》のパワーは9500、貴様の《ブラックルシファー》を上回る」
「……ですが、私の墓地には進化デーモン・コマンドがいるですし、ブロッカーだってあるのです。このターンで《ブラック・ルシファー》を破壊することはできないですよ」
そしてすぐさま《天草》を殴り返せる。一度はバトルが発生するので効果は発動するが、それは仕方ない。山札を操作されなければ不確定に発動する能力なので、そう都合の良いカードは出て来ないだろう。
しかし、《天草》もそう甘くはない。
「無為なことだ。そのような浅知恵は、すぐさま突き崩して見せよう。《勝負だ!チャージャー》を発動。このターン《天草》はタップされていないクリーチャーを攻撃できる。続けて呪文《無限掌》」
「な……っ」
バトルに勝てば無限にアンタップできる呪文、《無限掌》。これで汐の《ブラックルシファー》は、たとえ一度死を免れても、また破壊されてしまう。破壊から逃れることが出来なくなった。
しかも《勝負だ!チャージャー》でアンタップ状態の《マクスヴァル》や《オルガイザ》までもが破壊される。
「無論、それだけではないがな。《天草》で《マクスヴァル》を攻撃!」
青白い光を放つ豪奢な錫杖を振るい、《マクスヴァル》を破壊する《天草》。それもバトルで破壊したため、《天草》の効果が発動する。
「《天草》がバトルに勝った時、山札の一枚目を捲る……《センジュ・スプラッシュ》か。これは手札へ」
続けて、アンタップした《天草》は《オルガイザ》へと視線を向けた。
「《オルガイザ》を攻撃!」
錫杖から放たれる光を喰らい、《オルガイザ》も破壊され、
「《天草》の能力発動。山札を捲り《無限掌》を手札に加え、《ブラックルシファー》を攻撃」
「っ……《ブラックルシファー》の効果発動です、破壊される代わりに、墓地の《悪魔神バロム・エンペラー》を回収です」
暗黒導師ブラックルシファー 闇文明 (6)
クリーチャー:デーモン・コマンド 6000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚を自分の墓地に置く。
このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にあるデーモン・コマンド1体につき+1000される。
このクリーチャーが破壊される時、このクリーチャーを墓地に置くかわりに、進化デーモン・コマンドを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。
W・ブレイカー
墓地に落ちた悪魔神を回収し、辛うじて破壊は免れるが、それはたった一度だけだ。敵を殲滅するまで、《天草》は止まらない。
「バトルは発生したため《天草》の能力発動、《ゴッド・シグナル》を手札に加え、アンタップ。再び《ブラックルシファー》に攻撃!」
今度こそ破壊される《ブラックルシファー》。これで汐の場は何もなくなってしまう。
「さらに山札を捲り……遂に来たか。《神託のサトリ 最澄》をバトルゾーンに」
神託のサトリ 最澄 無色 (6)
クリーチャー:オラクル 5000+
バトルゾーンにある自分の他の無色クリーチャー1体につき、このクリーチャーのパワーは+5000され、シールドをさらに1枚ブレイクする。
「《最澄》ですか……そろそろ、本格的にまずいことになってきたようです……」
《天草》の場には《最澄》以外の無色クリーチャーが二体、つまり《最澄》はパワー15000のT・ブレイカーとなる。
「そろそろ《天草》を破壊したいところですが、次のターンに無色クリーチャーを出されないとも限らないです。あまり高い打点の攻撃は受けたくないですし、ここは《最澄》を先に破壊した方がよさそうですね」
汐はしばらく悩んでから、手札のカードを一枚抜き取る。
「《マクスヴァル》を召喚、続けて《狼虎サンダー・ブレード》を召喚、効果で《最澄》を破壊です」
召喚時に相手クリーチャーを破壊する《サンダー・ブレード》で、《最澄》を破壊。そのまま汐はターンを終える。
(次のターン、《サンダー・ブレード》を《バロム・エンペラー》に進化させられれば、まだ逆転のチャンスはあるはずです)
《ブラックルシファー》の死は決して無駄ではなかった。《天草》の効果を多く発動させてしまったが、その代わりに切り札を引き入れたのだ。《バロム・エンペラー》で《天草》の場を一掃すれば、まだ巻き返せる。
だがしかし、そんな汐の希望は、あっさりと打ち砕かれてしまうのだった。