二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ メソロギィ ( No.231 )
- 日時: 2013/12/26 13:21
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
民族的な意匠の妖精のようなクリーチャー、《呪紋のカルマ インカ》とひまりのデュエル。
互いにシールドは五枚。ひまりの場には《コッコ・ルピア》と《緑神龍バルガザルムス》。
インカの場には《情熱のサトリ 油坊》と《無防備のファミリア キナコ》の二体だ。
「私のターン。《メンデルスゾーン》でマナを加速するよ」
いまいち手札のよくないひまりは、とりあえず今できること、マナを加速させる。
(さて、ここからどうしようか……相手の場には《バルガザルムス》とパワーが同じ《キナコ》がいるけど、殴り返されても相打ちだから、むしろ場数を減らせる。手札にドラゴンもいないし、ここは攻撃かな)
ひまりは《バルガザルムス》をタップし、攻撃を指示する。
「《バルガザルムス》で攻撃! 効果で山札の一番上を捲って、ドラゴンなら手札に加えるよ!」
山札を捲って出たのは《コッコ・ルピア》。ドラゴンではないので、残念ながらマナへ。そしてシールドブレイク。ひまりのターンが終了する。
『うちのターン』
インカはどこか間延びした口調でターンを進める。
『うちは《無記のイザナイ ウェンディゴ・アパッチ》を召喚なのん』
無記のイザナイ ウェンディゴ・アパッチ 無色 (4)
クリーチャー:オラクル 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中からコスト4以下でカードに能力が書かれていないクリーチャーを1体、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
現れたのは、インディアンのような民族衣装に身を包んだ誘いの信者。《ウェンディゴ・アパッチ》は場に出た途端、甲高く叫んだ。
『そして《ウェンディゴ・アパッチ》の効果で、山札から《プンスカ》をバトルゾーンに出すん』
叫び声と共にデッキから飛び出したのは赤い三角錐に小さな手足が付いたようなクリーチャー。両肩には小型ミサイルランチャーのようなものが備え付けられ、怒りの表情でこちらを睨みつけている。
能力なしの小型クリーチャーとは言え、デメリットなしでクリーチャーがさらに一体増えてしまった。
『さらに、場に無色クリーチャーがいるから《油坊》はパワーアタッカー+4000を得るん。《油坊》で《バルガザルムス》を攻撃なのん』
《油坊》は《バルガザルムス》と相打ちになり、互いに破壊される。
『ターン終了なん』
「シールドブレイクしない……?」
見たところ、インカのデッキは自然・火・闇に無色カードを加えたオラクルのビートダウンデッキ。最初に《油坊》で攻撃しなかったのは殴り返しを防ぐためだとしても、パワーの高い《キナコ》で攻撃しない理由はないだろう。
「……私のターン。《セルリアン・ダガー・ドラゴン》を召喚して、ターンエンド」
『うちのターンなのん』
インカのプレイングに疑念を抱きながらも、ひまりは準備を進める。
『《爆裂入道 ジゴクグルマ》を召喚して、ターン終了なん』
「また攻撃しない……」
インカの場にはアタッカーが三体、このターン召喚した《ジゴクグルマ》を合わせれば四体だ。マナゾーンを見ても実はコントロールデッキだった、ということもなさそうなので、ますます狙いが読めない。
「私のターン……これ! 《フレミングジェット・ドラゴン》召喚!」
フレミングジェット・ドラゴン 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000
スピードアタッカー
スリリング・スリー:ドラゴン
T3—このターン、このクリーチャーはシールドをもう1枚ブレイクする。
「スリリング・スリー:ドラゴンで、山札の上三枚を捲る。そしてこのターン《フレミングジェット・ドラゴン》はその中のドラゴンの数だけブレイク数が追加される!」
熱風と共に捲られた三枚のカードは《ボルバルザーク・エクス》《エコ・アイニー》《爆竜 GENJI・XX》だ。
「ドラゴンが二枚、だからこのターン《フレミングジェット》はTブレイカーだよ! そのまま攻撃!」
《フレミングジェット》は超高速で突撃し、インカのシールドを一気に三枚叩き割る。
しかし、
『S・トリガー発動なん。《リーフストーム・トラップ》で、《ウェンディゴ・アパッチ》と《セルリアン・ダガー・ドラゴン》をマナ送りなのん』
「う……」
《セルリアン・ダガー・ドラゴン》はマナへと送られ、アタッカーを削られてしまうひまり。
「残りシールドは一枚か……じゃあ、殴り返されないように《コッコ・ルピア》は攻撃しないで、ターンエンド」
最悪《フレミングジェット》は《ジゴクグルマ》と相打ちになるため、とりあえずクリーチャーは確保しておく。
『うちのターン《ニガワライ》と《豊穣のサトリ マグノリア》を召喚なのん。《マグノリア》の能力で、そっちの無色以外のクリーチャーを一体マナゾーンに送るん』
「……じゃあ、殴り返されるかもしれないし、《フレミングジェット》をマナに送るよ」
『ならターンエンドなん』
結局このターンも、インカは攻撃しない。はっきり言って最初から殴り続けられていたら負けていたかもしれないので、攻撃して来ないのはひまりとしては助かる。
「でも、何か隠してるかもしれないし、早めに決着つけたいよね……」
とはいえ、ひまりの手札はかなり尽きており、このターンにできることはほとんどない。
「とりあえず《メンデルスゾーン》でマナを二枚追加。ターンエンドだよ」
手札はないが、マナは大量にある状態。連ドラ系のデッキがうまく回らなかった時によくある光景だ。
早くこの状態から抜け出したいひまりだが、ここに来て遂にインカが動き出す。