二次創作小説(紙ほか)

デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.267 )
日時: 2013/12/30 21:40
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「神話空間……へぇ、君が自ら神話空間を展開するなんてね」
 少しだけ意外そうに声を上げる九頭龍は、目の前に展開されたシールドを見遣りながら、手札を取る。
 夕陽自身どうやったのかは自分でも分からないが、神話空間を展開し、九頭龍をそこに引きずり込んだようだ。そしてこの空間なら、夕陽の怒りをそのまま目の前の敵にぶつけることができる。
「勝負だ、九頭龍希道! 僕が勝ったら先輩への評価を訂正してもらう!」
「ふぅん……ま、いいよ。僕に勝てたらね」
 こうして、夕陽と九頭龍のデュエルが始まった。



 夕陽と九頭龍のデュエル。
 たがいにシールドは五枚。夕陽の場には《レッピ・アイニー》が一体。九頭龍の場にも《メッサダンジリ・ドラゴン》が一体だ。
「僕のターンだ! 《レッピ》の能力で手札に加えた《超次元リバイヴ・ホール》を発動! 墓地から《爆竜パーフェクトストーム・XX》を回収し、サイキック・クリーチャーを呼び出す! 開け、超次元の門! 《時空の嵐ストームXX》をバトルゾーンに!」


時空の嵐ストームXX 闇/火文明 (7)
サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 7000
このクリーチャーは攻撃することができない。
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
覚醒—自分のターンのはじめに、自分の墓地からファイアー・バードを5枚選び、山札に加えてシャッフルしてもよい。そうした場合、このクリーチャーをコストの大きい方へ裏返す。


 超次元の門より現れたのは、鎖に繋がれた剣を二振り構えるドラゴン《時空の嵐ストームXX》だ。
 攻撃できないという、ビートダウンでは論外なデメリットを持っているが、ターンの初めに山札の上三枚を墓地へ送れ、さらに覚醒した時の能力が強烈である。
「《レッピ・アイニー》でシールドブレイク! ターンエンドだ」
「じゃ、僕のターンだね」
 夕陽に先手を取られてしまった九頭龍。しかし、彼はまったく焦りを見せない。
「《メッサダンジリ・ドラゴン》がいるから、アンノウンのコストは1下がる。6マナで《偽りの名 バルガ・ラゴン》を召喚」


偽りの名(コードネーム) バルガ・ラゴン 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アンノウン 7000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。そのカードが進化でないドラゴンであれば、バトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー


 現れたのは、アンノウンのに取り込まれたバルガの力を持つドラゴン。打点が上がった代わりに重くなった《紅神龍バルガゲイザー》、もしくはスピードアタッカーがなくなった代わりに軽くなった《竜星バルガライザー》といったスペックである。
「さらに《メッサダンジリ》の効果で、僕のアンノウンはすべてスピードアタッカーだ」
「ぐ……!」
 つまりこのターン、《バルガ・ラゴン》は召喚酔いなく殴りに行ける。
「まずは《メッサダンジリ》で《レッピ・アイニー》を攻撃し破壊。そして《バルガ・ラゴン》でも攻撃、効果発動。山札の一番上を捲り、それがドラゴンなら場に出せるよ。って言っても、《アポロン》を使い続けていた君になら、言うまでもないかな。もう持ってないけど」
「っ、うるさい!」
 安っぽい挑発にも乗ってしまう夕陽を軽く笑いつつ、九頭龍は山札を捲る。
「捲れたのはドラゴンだ。《永遠のリュウセイ・カイザー》をバトルゾーンに! そしてWブレイク!」
 《バルガ・ラゴン》の炎が夕陽のシールドを破壊する。だが、
「S・トリガー発動! 《黒神龍オドル・ニードル》をバトルゾーンに!」


黒神龍オドル・ニードル 闇文明 (6)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ 5000
S・トリガー
バトルゾーンに出す時、このクリーチャーはタップして置く。
相手の攻撃クリーチャーは、可能であればこのクリーチャーを攻撃する。
このクリーチャーがバトルする時、バトルの後、このクリーチャーと相手のクリーチャーを破壊する。


「《オドル・ニードル》か、厄介だね。じゃあ《リュウセイ・カイザー》では攻撃せず、ターン終了だ」
 どうせ攻撃対象は《オドル・ニードル》となり、共に破壊されてしまうのだから、ここは《リュウセイ・カイザー》では攻撃しないことを選択した九頭龍。
「僕のターンだ! 《ストームXX》の効果で山札の上三枚を墓地に落とし、ドロー!」
 運よく墓地に落ちたのは三枚ともファイアー・バード。これで墓地には四体のファイアー・バードがいるため、あと一体で《ストームXX》の覚醒条件を達成できる。
「《超次元フェアリー・ホール》を発動! マナを一枚追加し、超次元ゾーンから《勝利のプリンプリン》をバトルゾーンに!」


勝利のプリンプリン 光/水/自然文明 (5)
サイキック・クリーチャー:ハンター/エイリアン 4000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。次の自分のターンのはじめまで、そのクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
V覚醒リンク—バトルゾーンに自分の《勝利のガイアール・カイザー》と《勝利のリュウセイ・カイザー》がある時、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。


「《プリンプリン》の効果で《バルガ・ラゴン》をロック! さらに《ポッポ・弥太郎・パッピー》召喚! 《オドル・ニードル》で《メッサダンジリ》を攻撃!」
 《オドル・ニードル》は、このクリーチャーとバトルしたクリーチャーを自身もろとも破壊するクリーチャー。それにより《メッサダンジリ》と《オドル・ニードル》はともに破壊されるが、
「ここで《弥太郎》のセイバー能力発動! ドラゴンが破壊される時、代わりに《弥太郎》を破壊する!」
 《オドル・ニードル》の代わりに《弥太郎》が破壊され、墓地へと送られる。これで実質、破壊されたのは《メッサダンジリ》だけだ。
 しかも、それだけではない。
「へぇ、やるねぇ。《メッサダンジリ》を破壊しつつ、墓地にファイアー・バードを送って《ストームXX》の覚醒条件を満たすとは」
 さらに生き残った《オドル・ニードル》はタップ状態なので、九頭龍の攻撃を一回だけ止められ、また道連れにすることができる。
「さて、どうしたものかな……とりあえず《フェアリー・ライフ》でマナを溜めて、僕も《黒神龍オドル・ニードル》を召喚。ターンエンドだ」
 《メッサダンジリ》を破壊されてクリーチャーが召喚しにくくなったからか、九頭龍は防御の構えを取る。
 だが、逆に夕陽は攻めに出た。
「僕のターン、まず《ストームXX》の効果で山札の上三枚を墓地へ置く」
 そして、

「墓地のファイアー・バードを五体デッキに戻し《時空の嵐ストームXX》を覚醒! 《神風の覚醒者ストーム・カイザーXX》!」


神風の覚醒者ストーム・カイザーXX 火文明 (14)
サイキック・クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 15000
このクリーチャーが覚醒した時、相手のクリーチャーを2体破壊する。
T・ブレイカー
覚醒前《時空の嵐ストームXX》


 臆病者と呼ばれた《ストームXX》は、ドラゴンのために散っていくファイアー・バードから勇気を与えられ、覚醒する。
「相手のシールドは四枚、ならここは……《ストーム・カイザーXX》の効果で《リュウセイ・カイザー》と《バルガ・ラゴン》を破壊!」
 大型ドラゴンを一気に二体失ってしまった九頭龍。しかし、まだ彼の表情は崩れない。
 夕陽の作戦は、九頭龍にはシールドが四枚あるので、このターンではとどめまではいけない。なのでまず《オドル・ニードル》を《プリンプリン》で破壊し、《ストーム・カイザーXX》を残して攻める手だ。
「《プリンプリン》で《オドル・ニードル》に攻撃! 両方とも破壊だ!」
 《プリンプリン》と共に破壊される《オドル・ニードル》。これで九頭龍の場にはなにもなくなる。
「《ストーム・カイザーXX》でTブレイク!」
「っ……」
 一気に三枚のシールドを粉砕されてしまう九頭龍。クリーチャーはおらず、夕陽の場には《ストーム・カイザーXX》。
「さあ、これでお前のシールドは残り一枚。僕のデッキにはスピードアタッカーもいる、次のターンに終わりだ!」
「……さて、それはどうかな?」
 この追い込まれた状況でも、やはり九頭龍のペースは崩れない。その自信は一体どこから来るのかと思う夕陽だが、それもじきに分かる。
「ちょうどいい感じにマナも溜まったし、見せてあげるよ。僕の切り札を。呪文《戦慄のプレリュード》」
 九頭龍はまず、《戦慄のプレリュード》を唱える。これで次に召喚する無色クリーチャーのコストは5下がる。《プレリュード》自体が3マナなので、実質下がるのは2マナ。そして九頭龍のマナは8マナだ。
 突如、どこからか荘厳な音色が奏でられる。それは、聞いた者を戦慄させる調べだ。
 そして、

「刃向う者を戦慄させ、頂に君臨せよ——《「戦慄」の頂 ベートーベン》!」