二次創作小説(紙ほか)
- デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.268 )
- 日時: 2013/12/29 18:54
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「戦慄」の頂 ベートーベン 無色 (10)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 13000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、ドラゴンまたは無色呪文を合計3枚、自分の墓地またはマナゾーンから手札に戻す。自分の山札の上から3枚をマナゾーンに置いてもよい。その後、このクリーチャーをタップしてもよい。
相手のクリーチャーが攻撃する場合、可能であればこのクリーチャーを攻撃する。
T・ブレイカー
バトルゾーンにある自分のドラゴンとコマンドはすべて「エターナル・Ω」を得る。
「ゼ、ゼニス……!」
現れたのは、希望の双子、鬼丸の兄がアンノウンとなりキング・コマンド・ドラゴンの鎧を身に着けた姿。《「戦慄」の頂 ベートーベン》だった。
「《ベートーベン》の能力発動。召喚してバトルゾーンに出したので、墓地の《プレリュード》《メッサダンジリ・ドラゴン》、マナゾーンの《運命》を回収し、3マナ補填する」
補填と言うが、九頭龍がマナから回収したカードは一枚なので、実質2マナ増えたことになる。
「さらに《ベートーベン》自身をタップ。これで君は《ベートーベン》しか攻撃できない。ターン終了だよ」
ゼニスを出され、怯む夕陽。しかし、絶望的な状況というわけではない。
「確かにこのターンには決められなくなったけど、《ベートーベン》のパワーは13000、パワー15000の《ストーム・カイザーXX》には勝てないよ」
「どうかな」
夕陽の言うことはもっともで、九頭龍の行為はゼニスを時間稼ぎの壁にしていると言っても過言ではないプレイングだ。だが、それでも余裕の表情を浮かべている。
逆に、優位に立っているはずの夕陽が苦しそうに呻いている。
「……僕のターンだ! 《レッピ・アイニー》を召喚して、山札の上二枚を墓地に置き、その中から《超次元ボルシャック・ホール》を手札に入れる。そして呪文《ボルシャック・ホール》!」
破壊できるクリーチャーはいないが、それでも超次元の門は開かれる。
「開け、超次元の門! 《勝利のガイアール・カイザー》をバトルゾーンに!」
《勝利のガイアール・カイザー》はスピードアタッカーだ。そのため、このターンすぐに攻撃できる。
「まずは《ストーム・カイザーXX》で《ベートーベン》を攻撃! 破壊だ!」
「エターナル・Ωで、《ベートーベン》は手札に戻るよ」
手札に戻る《ベートーベン》。しかし構わず、夕陽は攻撃を続ける。
「《勝利のガイアール・カイザー》で最後のシールドをブレイク!」
とどめまではいけないが、これで九頭龍のシールドはゼロ、クリーチャーもいない。対する夕陽は《神風の覚醒者ストーム・カイザーXX》《勝利のガイアール・カイザー》《レッピ・アイニー》の三体、シールドも三枚ある。
こうして見れば九頭龍の圧倒的不利、逆転は不可能と思われそうだが、九頭龍は前のターンに《ベートーベン》を召喚している。
そして夕陽は怒りのあまり、失念していた。デュエル・マスターズはなにも、バトルゾーンだけで決まるものではないと。
「僕のターン、まずは《メッサダンジリ・ドラゴン》を召喚」
まず最初に召喚するのは、前のターンに墓地から回収した《メッサダンジリ・ドラゴン》。これでアンノウンはスピードアタッカーになるが、残り6マナしか残っていない。
だが、
「呪文《戦慄のプレリュード》!」
「っ、しまった……!」
デュエル・マスターズはバトルゾーンにいるクリーチャーが殴りあうゲームだ。しかしそれでけではない。手札、墓地、マナゾーン、シールドゾーン、超次元ゾーンなど、様々なゾーンにおけるアドバンテージを獲得しながら攻める知略のゲームだ。《ベートーベン》は自身をタップすることで、パワー13000の強固な壁にはなる。だが、それ以上に《ベートーベン》は、マナ加速、手札補充などのアドバンテージの獲得に特化している。
《プレリュード》の効果で無色クリーチャーの召喚コストは5下がり、《メッサダンジリ・ドラゴン》の効果でアンノウンとゼニスの召喚コストがそれぞれ1下がる。つまり、無色のアンノウン、ゼニスならコストが7下がり、3マナで召喚できるのだ。
そして九頭龍の残るマナは、3マナ。
「再び現れろ、《「戦慄」の頂 ベートーベン》!」
戦慄の旋律が響き渡り、またも《ベートーベン》が降臨する。
「くっ、また《ベートーベン》か……でも、どの道《ストーム・カイザーXX》のパワーには勝てないだろ」
「パワーではね。でも忘れてない? 僕の場には《メッサダンジリ》がいる。これで《ベートーベン》はスピードアタッカーさ。さらに」
《ベートーベン》の召喚した時の能力が発動する。
「墓地の《バルガ・ラゴン》と《リュウセイ・カイザー》、そしてマナゾーンの《モーツァルト》を回収し、3マナ補填だ。さあ、ここから君の運命が決まるよ。《ベートーベン》で攻撃——」
《ベートーベン》が攻撃する時、前のターンに九頭龍が回収した、あの呪文が発動する。
「——アタック・チャンス発動! 《運命》!」
運 命 無色 (10)
呪文
アタック・チャンス—《「戦慄」の頂 ベートーベン》(自分の「戦慄」の頂 ベートーベンが攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい)
カードを5枚まで引く。その後、自分の手札を3枚、相手に見ないで選ばせ、それを相手に見せる。その中から好きな枚数のドラゴンをバトルゾーンに出す。
《ベートーベン》は、相手の運命を決める旋律を奏でる。その旋律が相手に選ばせるのは自身の運命だ、自分の運命は自分で決める、その選択を迫るのが《ベートーベン》であり、《運命》だ。
「デッキからカードを五枚ドロー、そして僕の手札からカードを三枚選んでね……さあ、君の運命は、君が決めてくれ」
夕陽の前に裏向きで並べられる、九頭龍の手札。今引いた五枚に加え、《ベートーベン》で回収した三枚、元から持っていた四枚の手札と合わせ、合計十二枚。選択肢は多いが、回収したカードはすべてドラゴンなので、油断はできない。
「なら……この三枚だ!」
直感で三枚のカードを選択する夕陽。選ばれたカードはその場に残り、残るカードは九頭龍の手元に戻ってくる。
「決めたようだね、君の運命を……それじゃあ、公開だ」
偽りの王(コードキング) モーツァルト 闇/火/自然文明 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 17000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ドラゴン以外をすべて破壊する。
相手のドラゴンは攻撃することができない。
T・ブレイカー
宿命のディスティニー・リュウセイ 無色 (7)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ハンター 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札を見る。その中から無色のカードを1枚選び、相手に見せてから、自分の手札に加えてもよい。その後、山札をシャッフルする。
W・ブレイカー
「修羅」の頂 VAN・ベートーベン 無色 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 14000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーをすべてバトルゾーンから持ち主の手札に戻す。
相手がコマンドまたはドラゴンをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。
T・ブレイカー
エターナル・Ω
現れたのは、三体ともドラゴン。それも、一体で場を制圧してしまえるほどの力を持つキング・コマンド・ドラゴンだ。
「……!」
目を見開き、驚愕することしかできない夕陽。この状況、ほとんど詰んだようなものだ。逆転など、とても期待できない。
「いいカードを引いてくれたよ。まずは《モーツァルト》の能力で、ドラゴン以外のクリーチャーをすべて破壊するよ」
「! 《レッピ》……!」
《レッピ・アイニー》が《モーツァルト》の咆哮で吹き飛ばされる。
「次に《ディスティニー・リュウセイ》の能力で、デッキから二枚目の《運命》を手札に。さらに《VAN・ベートーベン》がいる時、君はドラゴンとコマンドを、実質的にバトルゾーンに出せない」
まさに絶望的状況。夕陽が選択した運命は、敗北だったようだ。
「《ベートーベン》でTブレイク」
「ぐ、うぁ……!」
今まで保留していた《ベートーベン》の攻撃が、ここで繰り出される。夕陽のシールドが一気に三枚吹き飛んだ。
「S・トリガー……でも、《オドル・ニードル》か……!」
《オドル・ニードル》はドラゴン、ゆえに《VAN・ベートーベン》によって召喚しても破壊されてしまう。
「『昇天太陽』……もっと強いのかと思っていたけど、『神話カード』のない君は無価値だったね。これで終わりだ」
なす術のない夕陽に、《VAN・ベートーベン》の巨大な槍が向けられる。
「《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》で、ダイレクト——」
アタック、と言う前に、その声はかき消される。
刹那、神話空間が——切り裂かれた。