二次創作小説(紙ほか)
- デュエル・マスターズ メソロギィ 第二回オリキャラ募集 ( No.271 )
- 日時: 2013/12/30 13:14
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
黒村と九頭龍のデュエルは、序盤から手札破壊を駆使する黒村が有利と思われたが、手打ちで《運命》を発動させた九頭龍が形勢を逆転した。
シールドは黒村が五枚、九頭龍が六枚と僅差だが、九頭龍の場には《偽りの王 ヴィルヘルム》と《真実の王 ヴィオラ・ソナタ》そして《メッサダンジリ・ドラゴン》の三体。しかもシールドには《黒神龍オドル・ニードル》が最低でも一体は埋められており、《ヴィオラ・ソナタ》とのコンボで使いまわすことができる。
対する黒村の場には《世界の果て ターミネーター》が一体。手札もほとんどなく、S・トリガーに頼る以外の方法でこのターンを切り抜けることはできないように思える。
「黒村さんは《ターミネーター》がいるから山札切れは心配ないと思いますけど、僕もマナ加速と《運命》で結構山札削っちゃってますからね。ぼやぼやしてるとライブラリアウトになりかねないんで……このターンに終わらせますよ」
少しだけ目つきを鋭くした九頭龍は、さらなるドラゴンを展開する。
「《偽りの王 カンタービレ》を召喚」
偽りの王 カンタービレ 闇/自然文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 9000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、ドラゴンをすべて、自分の墓地からマナゾーンに置く。
自分のターン中、ドラゴンを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。
W・ブレイカー
「《カンタービレ》の能力で墓地のドラゴンをすべてマナに置きます。さらに1ターンに一度、マナゾーンからドラゴンを召喚できるので、マナゾーンの《永遠のリュウセイ・カイザー》を召喚」
出て来たのはスピードアタッカーの《リュウセイ・カイザー》。さらに《カンタービレ》も《メッサダンジリ》の能力でスピードアタッカーだ。
これでアタッカーが五体。しかもそのうち二体がTブレイカー、二体がWブレイカーという超高打点。この攻撃を凌ぎ切るには、一枚や二枚S・トリガーを引いた程度では無理だろう。
「さて、と。準備は整いました。黒村さん、覚悟してください」
九頭龍の言葉と共に、彼の従える五体のドラゴンが咆哮する。
「まずは《カンタービレ》でWブレイク!」
「ぐ……っ」
《カンタービレ》から無数の銃撃が放たれ、黒村のシールドが二枚吹き飛ぶ。これで残り三枚。
「まだ終わりませんよ《ヴィオラ・ソナタ》で攻撃!」
続いて、《ヴィオラ・ソナタ》の雷が襲い掛かり、黒村のシールドを三枚まとめて突き抜こうとするが、
「ニンジャ・ストライク! 《威牙の幻ハンゾウ》を召喚し、《メッサダンジリ》を破壊!」
その瞬間、黒村の手札から《ハンゾウ》が飛び出し、《メッサダンジリ》のパワーを下げて破壊する。だが、《ヴィオラ・ソナタ》の能力でシールドになった。
「へぇ、ですがもう遅いですよ。今更《メッサダンジリ》が一体破壊されたくらいでは、僕のドラゴンは止まりません。Tブレイク!」
《ヴィオラ・ソナタ》の攻撃で、黒村のシールドは三枚まとめてぶち抜かれる。
だが、しかし
「S・トリガー発動、《インフェルノ・サイン》! 墓地から《魔犬人形イヌタン》をバトルゾーンへ!」
決死のS・トリガーは、《インフェルノ・サイン》が一枚。とりあえずその効果でブロッカーを蘇らせるが、
「その程度の壁じゃあ話になりませんね。僕の場にはまだ二体のアタッカーが残っていますし、ブロッカー一体では止めきれませんよ。《リュウセイ・カイザー》でダイレクトアタック!」
「《イヌタン》でブロック!」
さらに《イヌタン》が破壊された時の能力で、九頭龍の手札を一枚の地へ。しかしそれこそ今更だ。
黒村のブロッカーはゼロ、シールドもない。そこへ、九頭龍最後のアタッカー、《ヴェルヘルム》が雄叫びを上げる。
「これで終わりですよ、黒村さん。なに、気にすることはありません。黒村さんも言ってたではないですか、これは私怨であり、プライベートな私闘だと。だったらあなたの【ラボ】内での評価が落ちるようなことはありません。まあ僕に負けたという事実そのものは残るので、“ゲーム”の世界に多少の影響はあるかもしれませんが、そこんとこは割り切ってください」
つらつらと言葉を並べる九頭龍。しかし、黒村は、
「あ、でも黒村さん的にはまずいかもしれませんね。もしかしたら所長が黒村さんのことを——」
「少し黙れ、クズ」
九頭龍の言葉を遮った。
「とどめを刺せる状態でそんなことつらつら言うとは、みっともないな。お前はもっと、勝ち負けには無頓着な奴だと思っていたが、所詮はその程度だな」
しかも挑発も込めた。九頭龍は、黒村に言われたからではないだろうが、少し黙りこむ。
「……はいはい、分かりましたよ。じゃあお望み通り、とどめを刺してあげますよ」
再び咆哮を上げる《ヴィルヘルム》。そして今度こそ、《ヴィルヘルム》の放つ稲妻が、黒村へと襲い掛かる——
——が、止められた。
「!?」
目を見開く九頭龍。《ヴィルヘルム》の攻撃は黒村には届いていない。黒村と《ヴィルヘルム》の間に、一体のクリーチャーが割り込んだようだ。
それは、
「ニンジャ・ストライク《光牙忍ハヤブサマル》だ」
《ヴェルヘルム》の攻撃を受けた《ハヤブサマル》は、ガシャンと音と立てて落下し、墓地へと送られた。
「このターンで終わらせるんじゃなかったのか?」
「っ……でも、黒村さんの場には《ターミネーター》しかいないじゃありませんか。僕の場にはまだ四体も大型ドラゴンがいますし《ヴィオラ・ソナタ》と《オドル・ニードル》のコンボもあります。もうシールドはありませんし、ニンジャ・ストライクも弾切れでしょう。次のターンこそ、あなたの最期です」
黒村の指摘に反論する九頭龍。しかし、九頭龍の言うことは間違ってはいない。現に黒村の手札には、この状況を突破できるようなカードはないのだ。
そう、手札には。
「お前はもっと、相手に気を付けるべきだったな。俺の墓地を見てみろ」
「墓地……?」
確かに《ターミネーター》で一気に墓地を増やしたのだから、墓地を活用する戦術なのだろうということは分かる。しかしどの道、次のターンには決まるのだからと、九頭龍は黒村の墓地の確認を怠っていた。
「っ! やば……っ!」
そして今、黒村の意図に気付く。
「不死なる無法の帝よ、魂蠢く墓地より解放されろ——《不死帝 ブルース》!」
不死帝(デッド・オア・アライブ) ブルース 闇文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を墓地に置く。
W・ブレイカー
進化ではないデスパペットと進化ではないアウトレイジを、自分の墓地から召喚してもよい。
このクリーチャーを自分の墓地から召喚してもよい。
墓地より蘇ったのは、漆黒の身体に大鎌を携えた、不死の帝《ブルース》。
闇のアウトレイジの代表格であり、その不死の力は、オラクルでさえも興味を示すほどだ。
「《ブルース》の能力で、山札の上三枚を墓地へ。さらに墓地から進化ではないアウトレイジ、及びデスパペットを召喚できる」
黒村の山札は残り二枚。一番下のカードが《ハンゾウ》であることを考えれば、マナにされていないアウトレイジとデスパペットは、ほぼすべて《ブルース》によって復活できる。
「でも、《ブルース》を召喚するために、かなりマナを消費しているはず。そんな大型クリーチャーは出せないでしょう……?」
「どうだかな。確かに俺のマナは残り3マナだ。だが、マナを払わない召喚があることを忘れたのか?」
黒村に言われて、九頭龍はハッと思い出す。
「G・ゼロ……!」
そして《ブルース》の力により、墓地へと落ちた無法者が蘇る。
「数多の屍を超え、百万の力を超越せよ——《百万超邪 クロスファイア》!」
百万超邪(ミリオネア) クロスファイア 火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 7000+
G・ゼロ奪取自分の墓地にクリーチャーが6体以上あり、自分の《百万超邪 クロスファイア》がバトルゾーンになければ、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。
スピードアタッカー
パワーアタッカー+1000000
W・ブレイカー
次に現れたのは、火文明のアウトレイジの代表とも言えるクリーチャー《クロスファイア》だ。
無法者と言うだけあり、型破りな者が多いアウトレイジの中でも、《クロスファイア》の力はずば抜けている。攻撃時にパワーが百万もプラスされ、実質的に攻撃時は必ずバトルに勝てるクリーチャーと化すのだ。
「くっ、でも、それではまだ僕のシールドを割るだけの戦力にはなりませんし、そもそも《ヴィオラ・ソナタ》と《オドル・ニードル》のコンボも打ち破れませんよ」
「分かっている。だから、次はこいつだ。俺の墓地にクリーチャーは11体以上存在する。マナコストを11下げ、1マナでこいつも墓地から召喚だ」
不死の力はとどまることを知らず。《ブルース》は新たな無法者を蘇らせる。
「暴走せし世界を作り出せ、ここに弱者は不要なり——《暴走龍 5000GT》!」
暴走龍(ライオット) 5000GT 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジ 12000
このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは1より少なくならない。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、サイキック・クリーチャーを全て破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーを全て破壊する。
誰もパワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことができない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
次に現れたのは、弱者の存在を許さない暴走した無法者《5000GT》。
《5000GT》が場にいる限り、パワー5000以下の弱小クリーチャーは存在を許されず、召喚ができなくなってしまう。
「成程、それで《オドル・ニードル》の召喚を封じたわけですか……しかし、それでもやはり僕にとどめを刺すことはできませんよ。《ブルース》は召喚酔いですから、攻撃できるのは《ターミネーター》と《クロスファイア》《5000GT》の三体。三体の合計ブレイク数は七枚なので、僕のシールドを割り切ることはできますが、そこで終わりです」
九頭龍の言う通り、このままでは一打点足りない。あと一歩のところで、《ヴィオラ・ソナタ》のシールド変換能力が行く手を阻む。
かと思われたが、
「安心しろ、お前はこのターンで終わりだ。俺にはまだ2マナ残っているしな」
「たった2マナでなにができると言うのですか。《5000GT》の能力はあなたにも適応されます。あなたもパワー5000以下のクリーチャーは出せません。たった2マナで出せるクリーチャーで、パワーが5000を上回っていて、なおかつスピードアタッカーなんているわけ——」
「黙れ。お前は話が長い、そして人の忠告もまったく聞いていないな。そんなことでは【ラボ】の研究員失格だ」
九頭龍の言葉を遮り、黒村はさらに墓地からクリーチャーを呼び戻す。
刹那、空気が振動し、大地が震撼する。
「皇帝よ、今ここに叫べ。偉大なる汝の咆哮が、我らの勝利となる——《勝利皇帝 Guy—R》!」
勝利皇帝(キングオブカイザー)Guy—R(ガイアール) 火文明 (25)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 25000
超無限進化—自分のアウトレイジ1体以上の上に置く。
∞ソウルシフト(このクリーチャーを召喚する時、このクリーチャーの進化元クリーチャーを好きな数選ぶ。このクリーチャーのコストは、その選んだクリーチャーのコストの合計分少なくなる。ただし、このクリーチャーのコストは1より少なくならない)
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーよりパワーが小さい相手のクリーチャーをすべて破壊する。
ワールド・ブレイカー
《ターミネーター》《ブルース》《クロスファイア》を進化元に、勝利を意味する皇帝が君臨する。
かつてエイリアンとの戦いを繰り広げていたハンター、ガイアール一族の無法者。彼の咆哮はあらゆるものを吹き飛ばし、勝利をもたらすのだ。
「《ターミネーター》と《ブルース》はコスト8、《クロスファイア》はコスト7、合計で23。∞(インフィニティ)ソウルフシフトで《Guy—R》のコストは23下がる」
「う、これは流石に……」
流石の九頭龍も、勝利を意味する皇帝を前にしては強気ではいられない。《Guy—R》の威風は立ち並ぶキング・コマンド・ドラゴンをものともしない。
「これで逆転だな。《勝利皇帝 Guy—R》で攻撃——そして効果発動!」
《Guy—R》は咆哮する。その衝撃波で九頭龍の場のクリーチャーはすべて、一瞬にして爆散する。
《Guy—R》が攻撃する時、《Guy—R》よりパワーの低いクリーチャーを問答無用ですべて破壊してしまう、単純な能力だが、パワー25000より小さいクリーチャーなどそういない。ほぼ確実に、相手の場は荒野と化すだろう。
「っ、《ヴィオラ・ソナタ》の効果で、破壊されたドラゴンはシールドへ……!」
「だからどうした。《Guy—R》はワールドブレイカーだ。即ち、いくらシールドが増えようと、すべて破壊する!」
続けて咆哮する《Guy—R》。次の瞬間、九頭龍のシールドがすべて木端微塵に爆砕した。
「S・トリガー……でも、《5000GT》がいるから《オドル・ニードル》は出せない……!」
反撃の芽も焼き払われ、本当の意味でなす術がなくなった九頭龍。そこに、暴走した無法の龍が飛び掛かる。
「《暴走龍 5000GT》で、ダイレクトアタック——!」