二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.317 )
- 日時: 2014/01/03 06:27
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「えっと、この先の公園かな……」
このみからのメールを受け取った仄は、駅から出ると示された公園を探し始める。
とその時、見知った顔を見つけた。
「あ……霊崎!」
「武者小路……」
クラスメイトのクロだ。彼女も“ゲーム”に多少なりとも関わっており、そのためかこのみからメールを受け取っていたようだ。
「ねえ、霊崎はメールにあった公園の場所知ってる? 学校までの道は分かるんだけど、それ以外はよく分かんないんだよね」
「知ってる……この先をまっすぐ行ったところにある」
「そっか。なら一緒に行こう。なんか、嫌な予感もするし——」
仄がクロの手を掴んで足を踏み出すと、黒い影が差す。
「……なんなの、これ?」
「さあ……?」
右と左、二人の横に現れた影は、人影ではない。もっと大きく、異形の影だった。
具体的には、クリーチャーだ。
「こいつらは、確か……《封魔のイザナイ ガラムマサラ》」
「こっちは《爆裂のイザナイ ダイダラ》」
イザナイの階級を持つ二体のクリーチャー。逃げ道を塞いでいるわけではないが、周囲の空間が歪んでいるところを見ると、敵対するつもりなのは火を見るより明らかだ。
「そもそもクリーチャーが実体化して戦わなかったことなんてないし……仕方ない。さっさと片付けるかな」
「……相手になる」
次の瞬間。仄とクロ、そしてガラムマサラとダイダラは、歪んだ空間の中へと吸い込まれていった。
零佑とアカダシのデュエル。
シールドは零佑五枚、アカダシが三枚。
バトルゾーンを見れば、零佑の場には《チェレンコ》と《パラダイス・アロマ》《クゥリャン》。アカダシの場には《怪僧 ワカメ・ジール》が二体だ。
相手が重いアースイーターと見て序盤から速攻を仕掛ける零佑だったが、ブロッカーを出され、勢いを止められてしまった。
『グ、グガ……《戦攻のイザナイ アカダシ》ヲ召喚』
「もう来るかぁ……」
イザナイの中でも、《アカダシ》は光臨を持つクリーチャーだ。光臨はターン終了時にそのクリーチャーがタップされていれば発動し、山札から対応するクリーチャーを呼び出せる。
「攻め難くなってきたし、除去カードでも引ければな……」
しかし零佑のデッキは、軽いサイバー進化獣を抜いたせいで除去カードも大幅に減ってしまった。代わりに投入した大型クリーチャーを出そうにも、まだマナが足りない。
「まだ4マナか……とりあえず、《クゥリャン》を召喚。一枚ドローして、今引いた《トロン》も召喚だ。ターンエンド」
小型サイバーロードを並べていく零佑。しかしクリーチャーの質では《アカダシ》に負けている。
『グガ、グググ……《ストーム・クロウラー》ヲ召喚。マナゾーンカラ《バクバク・クロウラー》ヲ手札ニ。ガガ、《アカダシ》デ攻撃、シールドブレイク』
ブロックはせず、《アカダシ》の攻撃を受ける零佑。これで互いにシールドは四枚。
『ターン終了……《アカダシ》ノ光臨発動』
《アカダシ》が呼び出せるのはコスト7以下のアースイーターだ。アースイーターはそれなりに大型な種族で、強力なクリーチャーは8マナ圏に多いのだが、7マナ以下でも弱いわけではない。
『《タイタンクラッシュ・クロウラー》ヲ、バトルゾーンニ』
タイタンクラッシュ・クロウラー 水文明 (6)
クリーチャー:アースイーター 6000
ブロッカー
各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、アンタップする。
呼び出されたのは、巨大な一つ目の怪物《タイタンクラッシュ・クロウラー》だ。
各ターン初めてタップした時にアンタップするという、かの《ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》と同じ能力を持つ。スペック的には同じ文明でブロッカーの《蒼神龍ボルバルザーク・紫電・ドラゴン》に近いが、こちらの方がコストは低い。
「出やがった……だが、こっちもキーカードを引いたぜ。《スーパーハッカー サイバークーン》!」
スーパーハッカー サイバー・クーン 水文明 (5)
クリーチャー:サイバーロード/ハンター 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のサイバーロードを3体破壊してもよい。そうした場合、進化ではないサイバー・コマンドが出るまで自分の山札の上からカードをすべてのプレイヤーに見せる。そのクリーチャーをバトルゾーンに出し、残りを自分の墓地に置く。
サイバーロードを合体させ、より強力なサイバー・コマンドを生み出す技術を編み出したサイバーロード《スーパーハッカー サイバー・クーン》。
「その能力で、俺の場の《サイバー・クーン》と《チェレンコ》《クゥリャン》を破壊!」
そして山札が次々と捲られていく。その途中で、一枚のカードが輝いた。
「来たぜ。《サイバー・A・アイアンズ》をバトルゾーンに! 効果で五枚ドローだ!」
一気に手札を補給する零佑。加えて《サイバー・A・アイアンズ》は条件付きアンブロッカブルのTブレイカーだ。一気に《アカダシ》に大打撃を与えられるだろう。
そう思っていたが、
『グウゥゥゥ……《バクバク・クロウラー》ヲ召喚。《ワカメ・ジール》ヲ手札ニ戻ス』
バクバク・クロウラー 水文明 (4)
クリーチャー:アースイーター 3000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の他のクリーチャーを1体、バトルゾーンから手札に戻してもよい。そうした場合、バトルゾーンにある相手のクリーチャー1体選び、持ち主の手札に戻す。
『オ前ノ《サイバー・A・アイアンズ》モ手札ニ戻ス』
「マジかよ……!」
折角サイバーロードを三体犠牲にしてまで呼び出した《サイバー・A・アイアンズ》が、ほぼ完全に無駄となってしまった。五枚ドローできたのは大きいが、9マナ溜まるまで召喚を待つのは些か気が長すぎる。
『《アカダシ》デ、シールドブレイク。《タイタンクラッシュ・クロウラー》デ、シールドブレイク。《タイタンクラッシュ》ハ、アンタップスル』
「ぐっ……!」
あえてブロックせず、零佑は攻撃を喰らう。シールドは二枚まで減ってしまったが、その甲斐あって再びキーカードを引き当てた。
だが、《アカダシ》もさらなる動きを見せる。
『光臨発動……《電流戦攻セブ・アルゴル》ヲ、バトルゾーンニ』
またしても呼び出されるアースイーター。しかも登場時に超次元の門を開く《セブ・アルゴル》だ。
『超次元ゾーンカラ、《時空の剣士アクア・カトラス》ヲ、バトルゾーンニ』
「くそっ、やべえ……!」
召喚、光臨、超次元と、次から次へと《アカダシ》のクリーチャーが呼び出されていく。
零佑のデッキもクリーチャーを大量展開するデッキだが、結果に行きつくまでが意外とややこしい。対して《アカダシ》は、様々な手段を使ってはいるものの、どれも正攻法。とにかく数を並べている。
「だが、こっちもワンチャンス残ってんだ! まずは《トロン》を召喚。そしてもう一回《スーパーハッカー サイバー・クーン》!」
破壊するのは《サイバー・クーン》《クゥリャン》《トロン》の三体だ。そして山札から、生み出されたサイバー・コマンドが現れる。
「来た来た! 《サイバー・G・ホーガン》! 激流連鎖で山札の上二枚を捲るぜ!」
そして捲ったカードが《サイバー・G・ホーガン》よりもコストの低いクリーチャーならタダで呼び出せる。
「……! 最高の二枚だぜ。《サイバーX・ザナドゥ》と《サイバー・J・シン》だ!」
サイバーX・ザナドゥ 水文明 (7)
クリーチャー:サイバー・コマンド 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手の進化ではないクリーチャーを1体選び、持ち主の山札の一番下に戻す。
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、相手は自分自身の山札の一番下のカードを表向きにする。それが進化ではないクリーチャーであれば、相手はそれをバトルゾーンに出してもよい。
サイバー・J(ジェット)・シン 水文明 (7)
クリーチャー:サイバー・コマンド 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から2枚を見る。その中から好きな枚数の、進化ではないサイバーロードをバトルゾーンに出してもよい。残りを好きな順序で山札の一番上に戻す。
W・ブレイカー
「まず《ザナドゥ》の能力で《カトラス》を山札の下に戻す!」
しかし《カトラス》はサイキック・クリーチャーなのでバトルゾーンと超次元ゾーン以外では存在できない。山札の下へと送られた後、超次元ゾーンへと戻っていく。変わった手法ではあるが、これも《ザナドゥ》のデメリット回避にはなる。
「さらに《シン》の能力で、さらに山札の上二枚を捲り、進化でないサイバーロードをすべて場に出す!」
こうして捲った二枚も、サイバーロードだった。
「自転車がぶっ壊れたのは不運だったが、今日はついてるな。《コーライル》と《サイバー・クーン》だぜ!」
まず《コーライル》で《タイタンクラッシュ》を山札に戻し、続けて《サイバー・クーン》で場に残ったサイバーロードをすべて破壊し、またも山札を捲っていく。そして、
「《サイバー・B・バック》をバトルゾーンに!」
次々とサイバー・コマンドを呼び出す零佑。これで場数なら《アカダシ》と並んだ。