二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.331 )
- 日時: 2014/01/05 23:58
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
葵とジュリアのデュエル。
まだシールドは互いに五枚で、どちらが優勢とも言えない状況だ。
葵の場には《冥界の影ラビリンス・ローズ》が一体。《ブラッディ・クロス》や《ボーンおどり・チャージャー》で墓地を増やしている。
対するジュリアの場にはクリーチャーなし。《エナジー・ライト》や《ブレイン・チャージャー》で、こちらは手札を増やしている。
「私のターン。《無敵城 シルヴァー・グローリー》を要塞化」
無敵城 シルヴァー・グローリー 光文明 (6)
城—自分のシールドをひとつ選び、このカードを付けて要塞化する。 その要塞化されたシールドがシールドゾーンから離れた時、このカードを自分の墓地に置く。
自分のクリーチャーはすべてのバトルに勝つ。
この城を付けて要塞化したシールドが他の城によって要塞化されていなければ、そのシールドが相手のクリーチャーにブレイクされる時、かわりに自分のシールドを1枚手札に加えてもよい。
光文明の本拠地《シルヴァー・グローリー》は、《無敵城》の名にふさわしい力を備えている。《シルヴァー・グローリー》が放つ光は、味方に無敵の力を与え、戦闘では必勝となる。
即ち、バトルでは必ず勝利するのだ。
「《シルヴァー・グローリー》は厄介ですが、相手のクリーチャーは相変わらずゼロ……ここは攻めます。まずは呪文《リバース・チャージャー》で墓地のクリーチャーを回収。そして回収した《埋葬虫ベリアル・ワーム》を召喚」
埋葬虫ベリアル・ワーム 闇文明 (3)
クリーチャー:パラサイトワーム 3000
E・ソウル
ブロッカー
このクリーチャーは、攻撃することができない。
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
葵のデッキはE・ソウルのクリーチャーが持つ固有能力、返霊を生かした闇単色のビートダウンデッキ。
返霊は指定された枚数、墓地のカードを山札に戻すことで発動する能力。墓地はデュエルが進めば自然と増えていくが、意外と早期に溜めるのは難しいもの。しかし《ベリアル・ワーム》は毎ターン山札を墓地に落とすことで、それをサポートしている。
「さらに《ラビリンス・ローズ》で攻撃、返霊3発動です! 墓地のカードを三枚、山札の下に戻し、カードを一枚ドローします」
手札を補充しつつ、ジュリアのシールドがブレイクされる。先にシールドが割られたのはジュリアだ。
「ですがまだ一枚……私のターン。呪文《エナジー・ライト》で二枚ドロー。さらに《神令の精霊ウルテミス》を召喚」
出て来たのは軽量エンジェル・コマンドの《ウルテミス》。パワーなら《ラビリンス・ローズ》の方が上だが、《シルヴァー・グローリー》のせいで迂闊に攻撃できない。
「……とりあえず、《ベリアル・ワーム》の能力で山札を二枚墓地へ。《ボーンおどり・チャージャー》でさらに二枚墓地へカードを落とします」
なにはともあれ、返霊を生かすには墓地が必要だ。葵はとにかく墓地を増やし、
「そして《黒輝死爵クローズΖ》を召喚」
黒輝死爵クローズΖ(ゼータ) 闇文明 (5)
クリーチャー:ダークロード 4000
E・ソウル
返霊2
返霊—相手の闇以外のクリーチャーを1体、破壊する。
「ターン終了です」
《ラビリンス・ローズ》では攻撃しなかった葵。どうせ《シルヴァー・グローリー》の効果で攻撃しても破壊されてしまうのだ。カードが一枚引けるとはいえ、墓地のカードも三枚なくなるので、ここは攻めないでおく。
「攻めて来ませんか、ならこちらは防御を固めさせていただきますわ。《ブレイン・チャージャー》を発動、カードを一枚ドロー。さらに《無限の精霊リーサ》を召喚ですわ」
バトルに勝てばアンタップするブロッカー《無限の精霊リーサ》。その名の通り、勝ち続ける限り無限に起き上がる。
しかもジュリアのシールドには《シルヴァー・グローリー》が要塞化されているので、《リーサ》は必ずバトルに勝つ。即ち、攻撃では絶対に突破できないのだ。
「ターンエンド」
ジュリアの場には無敵のブロッカーが二体。今の葵では、これを突破するのはほぼ不可能だろう。
「……私の、ターン」
まず《ベリアル・ワーム》の効果で山札が二枚墓地へ落ちる。
そして、
「! これです……《殲滅の英雄ハンニバルΖ》召喚!」
現れたのは、数多の敵を破壊する《Ζ》の英雄《ハンニバルΖ》。
《ハンニバルΖ》の返霊は他のE・ソウルとは格が違う、地獄返霊。攻撃時に、墓地があればあるほど好きな回数発動でき、敵を殲滅していくのだ。
「墓地にカードは九枚、なら……《ラビリンス・ローズ》でシールドブレイクです」
「……《リーサ》でブロック、バトルに勝ったのでアンタップします」
返霊能力も使わず、無駄に破壊される《ラビリンス・ローズ》。しかし、そこまで無駄なことでもなかった。
葵の墓地にはこれでカードが十枚。次のターン《ベリアル・ワーム》の能力で二枚増えれば十二枚。《ハンニバルΖ》の地獄返霊4で十二枚のカードを山札に戻せば、ジュリアの三体のクリーチャーを一掃できる。
そう、考えていたのだが、
「その思考、浅はかですわね。私のターン、まずは《ウルテミス》を進化《聖霊王エルフェウス》」
聖霊王エルフェウス 光文明 (5)
進化クリーチャー:エンジェル・コマンド 9500
進化—自分のエンジェル・コマンド1体の上に置く。
相手クリーチャーはタップされた状態でバトルゾーンに出る。
W・ブレイカー
《ウルテミス》から進化したのは、封印の力を持つ聖霊王《エルフェウス》だ。
これで葵は、バトルゾーンにクリーチャーを出しても、タップされて出るためすぐに破壊されてしまう。しかも、ここでも《シルヴァー・グローリー》が効果を発動し、どんなに大型のクリーチャーを出しても破壊されてしまう。
「でも、次のターンには《ハンニバルΖ》で……」
「甘いですわね。《エルフェウス》を出しただけで終わる私ではありません。続けて呪文《スーパー・スパーク》」
次の瞬間、眩い雷光が放たれ、葵のクリーチャーはすべてタップ状態となってしまった。
「……!」
「《無限の精霊リーサ》で攻撃です」
《リーサ》はバトルに勝てばアンタップする、それはなにもブロックした時だけではないのだ。
自からクリーチャーに攻撃した時も、アンタップする。
「クリーチャーが、全滅……!」
《シルヴァー・グローリー》で無敵となった《リーサ》は、タップされている《ハンニバルΖ》《クローズΖ》《ベリアル・ワーム》を攻撃しては起き上がり、次々と破壊していく。
「さらに《エルフェウス》でWブレイク」
「っ……S・トリガー発動! 《デーモン・ハンド》で《エルフェウス》を破壊!」
無限ブロッカーの《リーサ》も潰しておきたいが、《エルフェウス》がいる限り葵はクリーチャーも出せない。ゆえに、まずは《エルフェウス》から破壊しておく。
「《エルフェウス》は破壊されてしまいましたか……ターンエンドですわ」
シールドの枚数でも差をつけられてしまった葵。しかし手札が増えたので、逆転の可能性も見えてきた。
「私のターン《超次元リバイヴ・ホール》で墓地の《ハンニバルΖ》を回収します。そして開け、超次元の門!」
歪んだ超次元扉が開かれ、サイキック・クリーチャーが呼び出される。
「《時空の賢者ランブル》をバトルゾーンへ!」
時空の賢者ランブル 闇文明 (7)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 4000
E・ソウル
覚醒—自分のターンのはじめに、カード名を選んで言い、自分の山札の一番下のカードを見る。それが選んだカードであれば、それを相手に見せてから山札に加えてシャッフルし、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返してもよい。
スレイヤー
超次元の門から降り立ったのは、闇文明の賢者《ランブル》だ。グロテスクな容姿をしているものの、その知能は闇文明屈指で、知略に富んでいる。
ただ、スペックとしては覚醒前のクリーチャーとしても貧弱で、パワーが低く、能力もスレイヤーしかない。だがこのクリーチャーは、覚醒してからが本領を発揮するのだ。
「《ランブル》……なるほど、そのカードなら私へ対抗できますわね。しかし、そのようなクリーチャーを相手にしては、こちらも黙ったままではいられません」
ジュリアの手札はまだ切れる様子がない。除去手段もしっかり握っていたようだ。
「呪文《スーパー・スパーク》」
突如、閃光が放たれ、《ランブル》がタップされてしまう。スレイヤーなのでただではやられないが、次のターンの覚醒はできないだろう。
しかもまだこれだけでは終わらない。ジュリアは、もう一枚の呪文を発動させた。
「続けて、呪文《超次元ドラヴィタ・ホール》。墓地の《エナジー・ライト》を回収」
墓地からコスト3以下の呪文を回収できる《ドラヴィタ・ホール》。しかし、勿論それだけでは終わらない。
今度はジュリアの超次元の扉が開く。
「開け、超次元の門……《時空の雷龍チャクラ》」