二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.334 )
- 日時: 2014/01/07 23:41
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
時空の雷龍チャクラ 光文明 (7)
サイキック・クリーチャー:アポロニア・ドラゴン 5500
H・ソウル
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
ホーリー・フィールド
HF—覚醒—自分のターンのはじめに、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
超次元の門より現れたのは、雷光を放つ龍《時空の雷龍チャクラ》。
これ単体では淡泊なスペックだが、このカードの強さは覚醒後、そして覚醒のしやすさにある。
葵のデッキはE・ソウルをメインとしたデッキ、E・ソウルが墓地のカードを山札の戻して発動する返霊を使いこなすのなら、《チャクラ》はH・ソウルが持つ固有能力ホーリー・フィールドで覚醒する。
ホーリー・フィールドは、自分のシールドが相手以上の時に発動する能力だ。つまり、《チャクラ》はシールドの枚数が相手以上なら覚醒するのだ。
「さらにG・ゼロで《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》を召喚。《リーサ》で《ランブル》を攻撃し、ターンエンドです」
《ランブル》のスレイヤー能力で《リーサ》も破壊されるが、これで葵の場にはなにもなく、ジュリアの場には《ブラッディ・シャドウ》覚醒条件を満たした《チャクラ》がいる。
「これは、厳しいですね……私のターン」
クリーチャーはゼロ、手札も少なく、巻き返しは難しい状況。
それでも、葵は諦めていない。
「《超次元リバイヴ・ホール》を発動! 墓地から《封魔ベールゼブブ》を回収し、超次元ゾーンから《時空の賢者ランブル》をバトルゾーンに! さらに回収した《ベールゼブブ》を召喚です!」
手札を使い切ってクリーチャーを展開する葵だが、最も邪魔な《チャクラ》を除去することができす、ターンを終える。
「またしても《ランブル》を出してきましたか。しかし、もう遅いですわよ。私のターン」
ジュリアのドローが始まる直前、ジュリアのシールドが光り輝く。
「私のシールドは四枚、あなたのシールドは三枚。シールドの枚数は私の方が多いので、《チャクラ》ホーリ・フィールド発動、覚醒します」
次の瞬間、シールドの光を浴びた《チャクラ》が、その光の中で巨大化していく。剣のような翼と、薄く輝く羽を得たその姿は、偉大であった。
「《時空の雷龍チャクラ》覚醒——《雷電の覚醒者グレート・チャクラ》」
雷電の覚醒者グレート・チャクラ 光文明 (14)
サイキック・クリーチャー:アポロニア・ドラゴン 13500
H・ソウル
ブロッカー
ホーリー・フィールド
HF—自分の「ブロッカー」付きクリーチャーの、攻撃できない効果はすべて無効になる。(ただし、召喚酔いは無効にならない)
T・ブレイカー
解除
バチバチと電光を鳴らして覚醒した《グレート・チャクラ》。
ホーリー・フィールドで自軍のブロッカーを攻撃できるようにする能力を持つが、そもそもこのクリーチャー自体の打点も高い。
加えて除去耐性が高いのも強みだ。解除持ちなので、一度除去しても《チャクラ》に戻ってしまう。しかもその《チャクラ》も、自分のターンの初めにシールドの枚数が相手以上ならまた覚醒する。つまり、シールドの枚数を減らさない限り《グレート・チャクラ》が立ち塞がるのだ。
「Tブレイカーの《グレート・チャクラ》と、攻撃可能となった《ブラッディ・シャドウ》でとどめまでは行けますが……念のためです。《リバース・チャージャー》で墓地の《無限の精霊リーサ》を回収し、そのまま召喚です。さらに呪文《エナジー・ライト》で二枚ドロー」
このターン、使えるだけのマナを使い、遂に攻めてくるジュリア。
「では……参りますわ。《グレート・チャクラ》でTブレイク」
「っ……!」
《グレート・チャクラ》が咆哮し、何対もの翼と羽、そして腕から、激しい雷撃が放たれる。その一撃で、葵のシールドはすべて砕け散った。
「さあ、これでとどめですわね。《ブラッディ・シャドウ》で——」
と、ジュリアが言いかけた時。
葵のシールドのうち一枚が、光の束となって収束する。
「……S・トリガー発動《デーモン・ハンド》! 《ブラッディ・シャドウ》を破壊です!」
光の束はすぐさま真っ黒に染まる。漆黒の空間から無数の悪魔の手が伸び《ブラッディ・シャドウ》を闇の中へと引きずり込んだ。
「……運がいいですわすね。しかし、《ランブル》がいるとはいえここからの逆転は厳しいでしょう」
《グレート・チャクラ》は召喚酔いまでは無効にできないので、《リーサ》は攻撃に参加できない。しかし《リーサ》はバトルに勝てばアンタップする無限ブロッカーであり、ジュリアのシールドには《無敵城 シルヴァー・グローリー》が要塞化されているため、必ずバトルに勝利する。
そもそもシールドも四枚残っているため、ブロッカーの多いジュリアのデッキ相手に攻め切るのは難しいだろう。
しかし、
「私のターンですね」
葵のターンが回ってきた。葵がカードを引く直前、《ランブル》の持つ古文書が鈍い光を放つ。
サイキック・クリーチャーは、ある条件を満たすことで覚醒する。《チャクラ》はホーリー・フィールドで覚醒するが、《ランブル》の覚醒条件は、他のサイキック・クリーチャーとは一線を画すものだ。
「《ランブル》の覚醒条件……私の山札の底にあるカード名を言い当てれば、《ランブル》は覚醒します」
一見すると難しそうだが、山札がシャッフルされなければ1回目でなんのカードかが分かるため、2ターンかければほぼ確実に覚醒できる。
とはいえ相手もそんな悠長には待ってくれない。そもそもここで覚醒できなければ、次のターンにはいよいよとどめを刺されてしまうだろう。
なのでこの一発で当てなければならないのだが、それは葵にとっては容易なことだ。なぜなら、葵のデッキはE・ソウルをメインとしたデッキ。
E・ソウルの固有能力は返霊。返霊は墓地のカードを山札に戻すことで発動するが、その戻したカードは——山札の下へと置かれるのだ。
「宣言するカード名は《アレス・ドラグーン》です」
葵が宣言すると、山札の底に眠っていたカードが公開される。宣言通り《アレス・ドラグーン》だった。
これで《ランブル》の覚醒条件が達成された。直後《ランブル》の持つ古文書が次々と捲れていき、とあるページで止まる。そのページの文字が浮き上がり、暗い光を放った。
「奈落の底から湧き上がる覚醒の力……《時空の賢者ランブル》覚醒——《恐気の覚醒者ランブル・レクター》!」
恐気の覚醒者ランブル・レクター 闇文明 (14)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 15000
E・ソウル
このクリーチャーがバトルする時、バトルするかわりにその相手クリーチャーを破壊する。
T・ブレイカー
解除
覚醒の力を最も早く理解し、覚醒を成し遂げた第一人者である《時空の賢者ランブル》が覚醒した姿《ランブル・レクター》。
《ランブル・レクター》は覚醒することで、戦闘を起こすことなく敵を滅する叡智を手に入れた。即ち、《ランブル・レクター》とバトルしても、そのバトルは発生せず、一方的に破壊されてしまうのである。
この力は絶対的なもので、かの《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》や《光器パーフェクト・マドンナ》ですらも破壊してしまえる。
「覚醒されてしまいましたが……しかし、私のシールドは四枚、場には《リーサ》がいます。このターンにとどめを刺すことは不可能ですわ」
勿論、そんなことは葵も分かっている。最初からこのターンで決められるとは思っていない。
だから、
「《ベリアル・ワーム》を召喚! さらに呪文《デーモン・ハンド》で《リーサ》を破壊!」
「っ!」
肝心の《リーサ》が破壊されてしまい、ブロッカーのいなくなったジュリア。だが、まだシールドは四枚だ。
「《ランブル・レクター》でTブレイク!」
しかしそのシールドも、《ランブル・レクター》の放つ闇の波動でで、三枚一気に突き破られる。
「《ベールゼブブ》で最後のシールドをブレイク! その時、返霊3発動! 墓地のカードを三枚山札の下に戻し、墓地のコスト5以下のE・ソウルクリーチャーを呼び戻します! 二体目の《ベリアル・ワーム》をバトルゾーンに!」
最後に残った《シルヴァー・グローリー》のシールドまでもブレイクされてしまった。互いにシールドはゼロ、数は互角だが今度はジュリアのクリーチャーが《グレート・チャクラ》一体となってしまう。
「……いや、まだです。もう一度、防御の布陣を敷いて体勢を立て直します。《ブレイン・チャージャー》で一枚ドローし、呪文《超次元ガード・ホール》。《ベールゼブブ》をシールドへ」
そして、超次元の門が開かれる。
「《時空の支配者ディアボロス Ζ》をバトルゾーンへ。そして《グレート・チャクラ》で攻撃です」
「《ベリアル・ワーム》でブロック」
アタッカーを減らし、ブロッカーを並べ、巻き返しを図るジュリア。
しかし、
「《グレート・チャクラ》で攻撃したのは失敗でしたね。私のターン《リバース・チャージャー》で墓地の《B・ロマノフ》を回収。そして《ヤミノドーベル》《封魔ベールゼブブ》《落書き人形トロール》を進化元に——墓地進化GV」
墓地の闇クリーチャー三体を進化元に、暗黒の皇帝が顕現する。
「《大邪眼B・ロマノフ》を召喚! これで私のアタッカーは二体です」
そしてジュリアのブロッカーは《ディアボロス Ζ》が一体。シールドもなく、これらの攻撃を止めるすべはなかった。
《B・ロマノフ》の攻撃で《ディアボロス Ζ》を失う。
そして最後に残ったのは、自身を守る盾のないジュリアの身。
「《恐気の覚醒者ランブル・レクター》で、ダイレクトアタック!」