二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.343 )
- 日時: 2014/01/18 21:34
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
時空の邪眼ロマノフΖ(ゼータ) 闇文明 (10)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ドラゴン・ゾンビ/ナイト 7000
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。
覚醒—自分のターンのはじめに、自分の墓地に呪文が10枚以上あれば、墓地のカードをすべて山札に加えてシャッフルする。その後、このクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。
W・ブレイカー
超次元の門より現れた、Ζの力を取り込んだ《ロマノフ》、《時空の邪眼ロマノフΖ》。
これでシーザーの場には《暗黒皇グレイテスト・シーザー》と二体の《氷牙フランツⅠ世》。そして超次元の門より呼び出された《時空の封殺ディアスΖ》と《時空の邪眼ロマノフΖ》。
サイキック二体は召喚酔いで攻撃できないが、正直いなくても変わりはないだろう。なぜなら栗須のシールドは残り二枚。このターンに《グレイテスト・シーザー》ですべてのシールドを割られ、《フランツ》でとどめを刺されてしまう状態にあるのだ。
「さァ、まずは《グレイテスト・シーザー》で攻撃ィ! 効果発動ゥ!」
《グレイテスト・シーザー》の咆哮と共に、墓地から呪文の弾丸が装填され、射出される。
「呪文ッ! 超次元《バイス・ホール》!」
「《バイス・ホール》だと?」
さきほど手打ちした《バイス・ホール》を再び唱えるシーザー。だが栗須の手札に呪文がないことはもう分かっているはずだ。
無論、シーザーはなにも無意味に呪文を撃っているのではない。確かにハンデスの効果は無駄になるが、しかし超次元呪文にはメインとなるもう一つの効果が残っている。
「超次元ゾーンより、コスト合計6以下になるようサイキック・クリーチャーをバトルゾーンへ! 開け、超次元の門! 《時空の戦猫シンカイヤヌス》! 《時空の喧嘩屋キル》!」
「っ、《シンカイヤヌス》に《キル》だと……!」
歯噛みする栗須。ここでこの二体の組み合わせはまずい。
「最初に出すのは勿論《シンカイヤヌス》! そして後から出て来た《キル》は火文明! ループよって《シンカイヤヌス》覚醒発動ゥ! 《時空の戦猫ヤヌスグレンオー》!」
火文明のクリーチャーが出たことで《シンカイヤヌス》は《ヤヌスグレンオー》へとループ覚醒。そして、
「《ヤヌスグレンオー》の能力により、《ディアスΖ》をスピードアタッカーにッ!」
《ディアスΖ》がスピードアタッカーを得てしまう。《ヤヌスグレンオー》も覚醒することで召喚酔いが解け、これでこのターンに攻撃できるアタッカーが二体も増えてしまった。
これでは、残り二枚のシールドからS・トリガーが出て、二体の《フランツ》を除去しても足りない。絶体絶命の中の絶体絶命。もはや生き残る芽は完全に摘み取られてしまった。
——かに見えるが、
(……いや、まだ諦めるのは早いな)
栗須は湧き上がってくる諦念を振り払う。まだこの状況を打破する術は残っているのだ。
その逆転の一手を探すべく、シールドを捲る栗須。その一枚目は、
「S・トリガーだ。呪文《ポジトロン・サイン》」
目的のカードではなかったが、このカードならそれを引けるかもしれない。そう思いながら、栗須は山札の上から四枚を公開する。
捲られたのは《偽りの名 スネーク》《偽りの王 ナンバーナイン》《セブ・コアクマン》《ミステリー・キューブ》の四枚。
「選ぶのは《ミステリー・キューブ》だ。山札をシャッフルし、トップデックを公開する」
こうして捲られたのは《偽りの羅刹 ゼキア・エクス・マキナ》。
「くっ……《ゼキア・エクス・マキナ》をバトルゾーンへ」
強力なクリーチャーは出て来たが、これではダメだ。シーザーの攻撃を止められない。
続いて二枚目のシールドが粉砕される。それも、光の束となって収束する。
「っ、S・トリガーだ! 《アクア・スペルブルー》!」
アクア・スペルブルー 水文明 (7)
クリーチャー:リキッド・ピープル/ハンター 2000
S・トリガー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札をシャッフルし、その後、上から1枚目をすべてのプレイヤーに見せる。そのカードが呪文であれば、コストを支払わずに唱えてもよい。呪文でなければ、自分の手札に加える。
「運がいいなァ……しかしィ! そんな運頼みで私に勝てると思うなァ!」
「……出て来るカード次第だな、それは」
ともあれ、《アクア・スペルブルー》の能力で山札がシャッフルされる。そして捲られたトップデックのカードは、
「……呪文《ホーガン・ブラスター》」
呪文なので《アクア・スペルブルー》の能力でコストを踏み倒して発動される。これも運任せではあるが、逆転のチャンスは潰えていない。
再び山札がシャッフルされ、またしても山札の一番上が捲られた。
「《ポジトロン・サイン》!」
捲られたのは《ポジトロン・サイン》。またまた山札の上から四枚が表向きとなる。
表向きになったのは《ミステリー・キューブ》《裏切りのペッパーシウバ》《偽りの名 スネーク》《超次元シャイニー・ホール》の四枚。
「発動するのは《ミステリー・キューブ》だ!」
「続くなァ。果たしてその連鎖、いつまで持つかァ?」
《アクア・スペルブルー》《ホーガン・ブラスター》《ポジトロン・サイン》と来て、四連鎖目の《ミステリー・キューブ》。しかしデッキに入っているコスト踏み倒し系のカードはこれでほとんど使い切ってしまった。実質、これが最後のチャンスだろう。
無機質にかき混ぜられる山札。そのシャッフルが止まり、一番上のカードが公開される——
「——光臨せよ! 未知なる侵攻者よ! 我が命に従い、偽りの力を持って、真実を導きださん! 《偽りの名 シャーロック》!」
秘匿の箱から飛び出したのは、光と闇の力を持ち、超次元の力を封殺する未知なる存在、《偽りの名 シャーロック》だ。
これこそ、栗須が待ち望んでいたクリーチャーだ。かなり長い道のりだったが、しかし山札のカードを消費することでデッキが圧縮され、かえって出しやすくなったのかもしれない。
なにはともあれ、栗須は《シャーロック》を呼び出すことに成功した。つまり、
「《シャーロック》の能力発動! バトルゾーンのサイキック・クリーチャーをすべて破壊する!」
刹那、白と黒の暗雲が立ち込め、超次元への扉が開かれる。そしてバトルゾーンのありとあらゆるサイキック・クリーチャーは、その扉へと吸い込まれていってしまった。《ディアスΖ》も《ロマノフΖ》も、《ヤヌスグレンオー》も《キル》も、すべて消滅してしまった。
つまり、シーザーの場のサイキックは、全滅したのだ。
「……ッ!」
一気に形勢を逆転され、言葉に詰まるシーザー。とは言え、彼にはまだ《フランツ》が二体残っている。栗須のシールドはどうせゼロなのだから、残った《フランツ》でとどめを刺せるように見える。
しかし現実は違った。その理由は、栗須の場のサイキック・クリーチャーにある。
時空の不滅ギャラクシー 光文明 (7)
サイキック・クリーチャー:エンジェル・コマンド 5000
覚醒—このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンを離れるかわりに、コストの大きいほうに裏返す。
撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー 光文明 (9)
サイキック・クリーチャー:エンジェル・コマンド 11500
バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーはすべて「ブロッカー」を得る。
W・ブレイカー
《シャーロック》の能力は、場に出た時にバトルゾーンのサイキック・クリーチャーをすべて破壊することだが、しかしこの一度の破壊さえ免れれば、サイキックでも場に残せるのだ。
そして《時空の不滅ギャラクシー》は、場を離れる代わりに覚醒する。つまり、《シャーロック》の能力では破壊されず、そのまま覚醒してしまうのだ。
「覚醒した《キング・オブ・ギャラクシー》の能力で、僕のクリーチャーは《ギャラクシー》以外すべてブロッカーだ。貴様の《フランツ》二体では突破できまい」
栗須の場にはブロッカーとなった《アカデミアン》《ゼキア・エクス・マキナ》《アクア・スペルブルー》そして《シャーロック》が睨みを利かせている。
「ぐ、ぐぅ……ッ!」
流石のシーザーも呻くことしかできない。追い込んだと思ったら、逆転されてしまった。これ以上は攻撃もできないため、シーザーは抵抗することもできない。
「僕のターンだな。《ゼキア・エクス・マキナ》と《シャーロック》でシールドをブレイク!」
一気に五枚のシールドを粉砕されるシーザー。《デーモン・ハンド》を二枚トリガーしたが、ギリギリ足りない。
栗須の場の最後に残ったクリーチャーが、シーザーへと牙を剥ける。
「《アクア・スペルブルー》で、ダイレクトアタックだ!」